※これはかつて、ひとりの男性が誤認逮捕され、これにより死亡した『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』に関する記事の【パート4】です。本記事をお読みになる前に、ぜひとも【パート1~3】をお読みください。
【未解決事件】『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』を徹底解説 -1-
【未解決事件】『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』を徹底解説 -2-
【未解決事件】『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』を徹底解説 -3-
筆者が斬る この事件の闇
現場に駆けつけた警官2名の対応について
事件発生時、店内に居合わせた警察官2名が現場に駆けつけたときには、被害男性(以下:男性)はすでに買い物客などに取り押さえられていたわけである。仮にこの時点までの制圧行為がいき過ぎていたとしても、百歩譲ってそれは理解できなくもない(市民による慣れない制圧行為。彼らはいわば”素人”である)。
問題はこのとき駆けつけた警官の対応だ。彼らが現場に到着した時点で制圧行為がいき過ぎていたならば、それを制止すべきであったということ。さらにその後行われた彼ら警官による制圧行為の妥当性も極めて疑わしいこと。
こうした制圧行為もさることながら、そもそもこの警官2名による事件対応自体に問題があったのだ―。
事件フローでみる 「筆者が考える本事件発生時に警官が取るべきであった対応」
(「警官」、「警官2名」:店内に居合わせ、最初に駆けつけた警官)(「警官」、「応援の警官」:応援要請によって後に駆けつけた警官)
警官2名が男性を後ろ手に手錠をかけ、うつ伏せ状態で押さえつける
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男性が気を失っているにもかかわらず、尚も手錠とうつ伏せの状態で20分に及ぶ制圧行為を続ける
警官2名は、現場に到着したらまずそこにいる人間すべて(男性を取り押さえている買い物客ら、男性)をたしなめるべきであった。万一、男性が暴れる場合にのみ、手錠をかければよかったはずだ。
ここでなにより重要なことは、まずは事件状況を正確に把握することである。被害を訴える人間に事情を尋ね、容疑者にも事情を訊く。また目撃者があれば、これにそのときの状況を尋ね、騒動の状況を掴まなくてはならない。つまり、この警官2名は現場到着後、男性をその場に留めた上で、被害を訴える人間(容疑者の女)を捜さなくてはならなかったのだ。
それなのに、現場に被害を訴える人間がその場にいないのにもかかわらず、さらには事実確認もしないまま、男性に対する暴力的な制圧行為に及んだのである。そもそも男性とはいえ、68歳という年齢の人を制するのにそれほど多くの人数や強さが必要あったのか。理解できない点を挙げればまるでキリがない。
ある情報によると、このとき店内から駆けつけた警官2名は20代であったという。このことから、彼らがこうした流動的な事件対応に不慣れであったことは十分に窺える。つまり警官たちの未熟さがこの悲劇を招いたといっても過言ではない。
この事件最大の問題点である”いき過ぎた制圧行為”。これが警官によって行われたことは極めて真実に近い。本来、秩序的に行動しなくてはならないはずの立場の人間。これは警察官としての資質を問われることだ―。
こうした事件対応の不手際により、「冤罪」「致死」を招いた『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』―。いわずもがな、この事件は警察の重い責任が問われるべき事件である。本当はそれを解っているかのように、警察はこの事件解決に対して消極的である。
- 三重県警のホームページで事件の情報を求めない
- 頑なに女を”被害者”と扱う姿勢
- あくまで女を”参考人”とし、それ故に公開手配はできないという建前
『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』―。
この事件の被害者は間違いなく、誤認逮捕され殺された男性だ。そして加害者(犯人)は、いまや行方も正体も知れない謎の女。そして警察のほかにない。
2011年2月17日午前0時、本事件の公訴時効が成立。
未解決事件であるが、実質的には内実が明らかな事件である―。
テンペワゾウスキ