支援が必要な神社!存続の危機金長神社と復興を目指す金吾龍神社

古くから日本全国に大小さまざまな神社がありますよね。

地域の人々から崇敬されてきて今に受け継がれている神社ですが、実は存続の危機にある神社が増えているんです。

今回はそんな神社を支援できるシステムや、実際に今窮地に陥っている金長神社と自然災害で大被害を受け復興を目指している金吾龍神社についてお話ししていきたいと思います。

神社が存続の危機ってどういうこと?

神社はただ建立すればいいというものではなく神主さんや巫女さんといった神職の方や、地域の崇敬者の方々の存在が欠かせません。

そしてただ神様をお祀りするだけでなく、境内の掃除や管理・神事などを行なうことで成り立っています。

しかし近年、神主不足や地域の過疎化が進んでしまって地方の小さな神社がなくなってしまったり、地元の大きな神社が小さな神社の管理を兼務しているところが増えているんです。

さらに地震や台風などの自然災害で拝殿などが倒壊してしまったり、土地の利権などの問題で存続が危うくなっている神社などもあります。

基本的に神社は国の「神社庁」で管理していますが、年間予算が無尽蔵にあるわけではないため、地方の小さな神社などは後回しにされがち。

そのため修繕費用のための予算がない場合は有志の方々が集まって「奉賛会」などで寄付を募集することがほとんどでしたが、最近はクラウドファウンディングで募金を募る神社も多いです。

住んでいる地域を問わず神社をサポートできるサービスがある!

日本の宗教的かつ文化的な神社がなくなってしまうのはとても悲しいことですが、このような窮地に陥っている神社の存在があまり知られていないのが現状なんです。

そんな頑張っている神社を応援する物販型クラウドファウンディング形式のサービスが、2018年に始まっているんですよ。

「一般社団法人 神社崇敬会」の運営しているサイト「すうけい」では、誰でも自由に参加可能で毎月300円から全国の神社に寄付をすることが可能。

こちらのサイトでは参加している神社の神主さんや奉賛会などの方が専用ページを作成して、奉賛金を募ることが可能なうえ、運用などのサポートもしっかりしています。

一般の方が支援をするために地域の神社の奉賛会への寄付を行なう場合は、なかなか遠方の神社の奉賛会への寄付がしにくいですし、金額も奉賛会の方で決めているのでピンキリで、毎月継続するにはちょっと高い金額設定になっていることもあります。

しかしこちらの「すうけい」ではサイト内にある会員募集ページから、専用ページを開設している神社の奉賛会に参加することが可能で、金額も多くの人が参加しやすいようにと毎月300円からとお財布に優しい設定になっているので気軽に参加しやすいですよ。

地域の神社の奉賛会に寄付をしたとき、寄付金額によってお礼の品をいただくことがありますが、こちらのサイトでも御札などの特典がをいただくことができます。

気になる方は「一般社団法人 神社崇敬会」の運営するHP、「すうけい」をチェックしてみてくださいね!https://sukei.jp/

現在危機に陥っている金長神社と復興を目指す金吾龍神社

地震や台風などここ数年日本国内での災害発生率が高く、各地の神社は復旧や復興で大変な思いをしていると思います。

そんな中から今回は存続の危機に陥ってしまっている徳島県の「金長神社」と、自然災害などからの復興を目指して頑張っている北海道小樽市の「金吾龍神社」をご紹介します。

宮崎アニメのモデルにもなっている金長神社

金長神社でお祀りしているのは「金長狸」というたぬきなんです。

しかも神様のお使いというわけではなく、たぬきどうしの争いの伝説「阿波狸合戦」で命を落とした徳島県の中でも一番有名なたぬき。

染物屋を営んでいた茂右衛門という人が、「金長大明神」として屋敷の敷地内にお祀りする「屋敷神」という扱いでお祀りしていたのですが、1939(昭和14)年に映画会社が映画「阿波狸合戦」のヒット祈願をしたところ、大人気となりお礼として登場した俳優さんたちが寄進して今の神社が建立されました。

長年地元の人々から愛され「平成狸合戦ぽんぽこ」などのアニメや漫画作品などのモデルにもなっているのですが、2020年1月現在取り壊しの危機に陥っているんです。

金長神社が存続の危機に陥っている理由

アニメなどのモデルになった現在の金長神社、実は市営グラウンドに隣接している借地に建立されていて所有者があいまいなこと、さらに市の方でこの市営グラウンドを拡張し津波対策のために防災公園にする計画が持ち上がっているため、現在立ち退きか取り壊しの可能性が高くなっています。

一時的に移転して公園整備後に元の場所に戻せばいい、と考える方もいるかもしれませんが、国の法律の関係で元の場所に戻すことができないという厳しい壁があるんです。

地元の人々が「金長神社を守る会」を発足し、現在署名サイト「change.org」で署名活動を行っているだけでなく、御朱印をはじめたりさまざまな作品とのコラボも行っています。

何度か市と話し合いをしているようですが、市の回答は思わしくなく存続に向けての話し合いは進まずかなり厳しい状況が続いているようです。

自然災害により老朽化した拝殿が倒壊してしまった金吾龍神社

画像引用元:https://kingoryujin.org/

金吾龍神社は北海道小樽市にある歴史ある神社で、「大元尊神(だいげんそんしん)」という、宇宙や大自然・摂理・天地万物を造化し育成する根源神を主祭神としている神社です。

その起源は約3万年前の石器時代に行われていた「石奉祭祀」にはじまりますが、江戸時代の終わりには神仏分離・神社合祀によって「祠堂」されたり、戦後に神社の乗っ取りや自然災害で貴重な宝物や子文書などが失われただけでなく、神社自体が壊滅状態に陥ってしまいました。

2013(平成25)年になり、古代神官の大水口宿禰の末裔・88世が金吾龍神社に宮司として復帰し、現在再建を目指して東京渋谷区代々木に「東京分祠」を開設。

こちらは公式HPだけで寄付を募っていますが、WEB授与書から御朱印帳や御朱印をお願いすることも可能。

金額が一般の神社より高く設定されていますが、差額は金吾龍神社復興のための募金となります。

金吾龍神社の御朱印は東京分祠でいただくか、WEB授与所から郵送でお願いする形になるため書置きのものが多いのですが、毎月の御朱印は見開きでデザイン性に富んでいるものが多く、宮司さんの手書きの龍の御朱印で開運したという声が多く聞かれます。

金吾龍神社公式HP

令和元年の復興状況はどうなっている?

平成30年から被災してしまった御神宝類や境内にある稲荷神社の復興が始まり、令和元年には夏至に行われていた古代の神事「荒祭神事」が復活。

境内にある「白龍神社」と「鳥居」の復興が行われていますが、完全に復興するまでにはまだまだ時間がかかるようです。

近くにも支援を必要としている神社があるかも?

今回ご紹介した金長神社や金吾龍神社のほかにも、全国各地で災害復興や存続のために頑張っている神社は存在します。

そういった神社への支援は募金だけでなく、清掃活動などのボランティアなどといった方法でも参加することが可能なところが多いです。

後世に日本の宗教や文化を伝えていくためにも、神社存続に興味を持たれた方は近くの神社について調べてみたり、今回ご紹介した「すうけい」やクラウドファウンディングなどを利用する・神社のボランティア活動に参加するなどといった形で、自分のできる範囲で支援してみませんか?

文化の縮小による影響

日本はもともと渡来文化を多く受け継いでおり、神社などもそういった側面があるものです。

大きく、知名度のある神社は優先され、小さい神社は無くなっていく。

こういった事が繰り返されることによって、その地域の歴史的な文化まで消えてしまってもよいのでしょうか?

先祖から受け継いできた文化を私達の小さな力で守れるのであれば、少しだけ支えてみるという選択が、後世に大きな影響をもたらすのかも知れませんね。

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2 件のコメント

  • ご指摘ありがとうございます。
    包括宗教法人であることはもちろん把握しておりますが、所轄担当が文部科学大臣であることを前提に国が管理している、という表現を取らせて頂きました。

  • >基本的に神社は国の「神社庁」で管理していますが

    ええ!?嘘を書いてはいけません。神社庁は名前から一見、国の機関のようなイメージがありますが宗教法人法に基づく文部科学大臣所轄の包括宗教法人です。知ったかで記事を書くのはやめましょう。というか執筆中に調べたりしないんですか?