8000メートル級14座の死亡率がやばすぎる

世界で一番高い山は…エベレストだというのはご存知の方が多いかと思います。
では、この地球上に8000メートル級の山はいくつあるかご存知でしょうか?

8000メートル級の山は地球上に14あるのですが、そのなかのひとつ「マナスル」は、芸人のイモトアヤコさんが登頂したことでも知られていますよね。

今回はそんな14座にまつわるお話です。

公開日:2019年10月20日 更新日:2020年2月16日

8000メートル14座とは

8000メートルを超える山は地球上に14。

この山々の事を14座と呼びます。

そして、当然のことながら、8000メートル級の山々は冒険家やアルピニスト、クライマーにとって憧れの場所でもあります。そんな強者がトライする山の死亡率…これがかなりやばいんです。

8000メートル級の山の中で一番高い山はエベレストですが、ここは世界最高峰ということもあって、いろんな人が登頂します。

最も登りやすいと言われているルートには、ロープがべた張りされていて、ある程度のトレーニングは必要ではあるものの登頂成功者も多めです。

ルートにもよりますが決して「登れない山」ではないのです。

ですが、その他の山々は難易度が高い山もあります。
登頂が難しく未だに冬季登頂が成功していないK2は世界第2位の標高の山ですが、難易度はエベレストよりずっと高いと言われていて、特に中国側からの登頂は極めて困難だそう。

そんな14座ですが、登頂者の死亡率があるんです…では、標高が高い順にに見ていきましょう。

  1. エベレスト(8,848m) 3.9%
  2. K2(8,611m) 26.5%
  3. カンチェンジュンガ(8,586m) 14.1%
  4. ローツェ(8,516m) 2.8%
  5. マカルー(8,485m) 8.6%
  6. チョ・オユー(8,188m) 1.4%
  7. ダウラギリ(8,167m) 15.4%
  8. マナスル(8,163m) 9.8%
  9. ナンガ・パルバット(8,126m) 22.3%
  10. アンナプルナ(8,091m) 38.2%
  11. ガッシャーブルムI峰(8,080m) 8.7%
  12. ブロード・ピーク(8,051m) 5.2%
  13. ガッシャーブルムⅡ峰(8,034m) 2.3%
  14. シシャパンマ(8,027m) 8.3%

とこんなかんじです。

エベレストは、観光地化している部分もあって、体力がある一般の方がトレーニングをして登頂しているケースもありますが、その他の山はアルピニストなどの山のプロがほとんどです。

中でも、K2の26.5%、ナンガ・パルバットの22.3%、そして、アンナプルナの38.2%が際立って高い死亡率になっています。
この3つの山には相当なプロしか登りません。というか、登れません。

なのに、この死亡率…K2は登頂の難しさと気候の不安定さで世界屈指の難易度を誇る高峰です。そして、ナンガ・パルバットもつい最近ま冬季登頂がなされていない山でした。
ナンガ・パルバットの別名は「人食い山」で多くの遭難者がいる山です。

そして、アンナプルナですが、この山は「雪崩の巣」と言われている危険な山です。
特にアンナプルナの南壁は難易度が高いと言われていて、世界屈指クライマーを次々に退けてきた山です。死亡率38%ということは、単純に考えて4人に1人が死亡するということになります。14座の中でもっとも高い死亡率のアンナプルナは「キラーマウンテン」という別名もあります。

高山で命を落とすとどうなるの?

高い山での死亡の理由は実に様々で、雪崩や低体温症、滑落などです。

雪崩に巻き込まれた場合はそのまま生き埋めになってしまうこともありますし、時に何百メートルも下まで落ちてしまうこともあります。遭難してすぐに息絶えずにしばらく生きていることもあるわけですが、標高が高い地点で遭難した場合は救出が困難なのです。高度が高くなるとヘリでのレスキューはできません。

そして、救助隊もその場所までいけないか、行けたとしても怪我をしている大人を救出することができない…そんな場所です。特に、8000メートルを超えるエリアは「デスゾーン」と呼ばれていて、できるだけ早くその場から離れないと人は生きていくことができないのです。8000メートル位の高度になるとも100メートル登るだけで何時間も時間がかかると言われています。そんな環境で、遭難した人を助けることはできないのです。

そんな高山で死亡して、氷河に飲み込まれたら長い時間をかけて氷河に乗って遺体や遺品が移動して発見されることもあります。

高度が低い場所では遺体がそのまま冷凍されるので、傷まずに残っているんです。

もちろん、滑落して岩や氷に叩きつけられた場合は原型をとどめていないわけですが、雪崩に巻き込まれてそのまま…という人は、時に何十年、何百年という月日をかけて氷河に運ばれて運がよければ発見されます。

エベレストでは遺体が目印になっている

標高が高い場所では気温が低く微生物がいないので、遺体は何年経っても劣化せずに保存されるわけですが、エベレストでは登山者の遺体が正しいルートの目印になっている場所もあります。

それが、エベレストに登頂する東側のルートにある遺体「グリーンブーツケーブ」は有名です。検索したら画像も出できます。この遺体はグリーンの登山ブーツを履いてこで力尽きたのです。つまり、エベレストに東側から登頂して正しいルートをたどった場合、必ずこの遺体に対面することになります。

この目印になっている遺体の話はまたべつの記事で詳しくお話しますね。

14座すべてに登頂したアルピニストもいる

死亡率が高く、4割近い死亡率の山もある14座ですが、その14座すべてに登頂したという人が31人います。その中には日本人の竹内洋岳さんという方もいらっしゃいます。

世界中にたくさんのクライマーやアルピニストがいますが、14座すべてに登頂したのはわずか31人…。もちろん、山は標高だけではありませんし、8000メートル以下でも難易度がかなり高い山(ラトックⅠ峰やガッシャーブルムⅣ峰などなど)もたくさんあります。ですが、14座すべてに登ったとするとその生存率はかなりひくくなります。実際に14座すべてへの登頂にトライしていて途中で亡くなってしまった方もたくさんいるのです。

「8000メートル級13座の死亡率がやばすぎる」のまとめ

今回は、地球上にある8000メートル以上の山の死亡率をご紹介してきました。同じ地球の地上とは思えない壮絶な世界…その死亡率はかなりやばい数字です。