- サイコ
- 悪魔のいけにえ
- 羊たちの沈黙
これら古典ホラー映画に多大な影響を与えた、猟奇殺人犯「エド・ゲイン」。
大量殺人鬼のイメージがあると思いますが、実は生涯に殺害した人数は「2人」だとされています。
“たった”といういい方は適切ではありませんが、なぜ2人しか殺害していないエド・ゲインが、これほど有名なのか?
それは、彼の猟奇性(=異常さ)に理由があります。
エド・ゲインの猟奇的なエピソードと、彼の人物像を掘り下げていきます。
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エド・ゲインの猟奇的なエピソード5選
20世紀のアメリカを代表する猟奇殺人犯ですから、そのエピソードは枚挙に暇がありません。
その中でも、想像するだけでもヤバすぎるエピソードを個人的に5つピックアップしました。
- 墓場から中年女性の死体を掘り起こし、食器や衣服を作り続けた
- 家宅捜索で見つかった女性の死体は、全部で15人
- 皮膚を張りつけた太鼓を作り、人骨で叩き鳴らしていた
- 人間の唇を引きちぎり、家の窓に貼り付け日よけにしていた
- 切り取った女性器を自分の男性器にくるみ、乳房のベストと女性の頭皮を着て外を歩いていた
そんなエド・ゲイン仕様のジャケットやバッグが、ネット通販で買えるようです。
持ってるだけで逮捕されそう……。
なぜエド・ゲインは猟奇的になったのか?
性善説・性悪説の違いはあれど、人間は誰もが無垢な状態で生まれます。当たり前ですよね。
最初から猟奇的な精神をもって生まれてくる人間なんて、1人もいません。
それはエド・ゲインも同様で、
- 地元のベビーシッターとして子どもに人気だった
- 物静かで礼儀正しく、住民からは「善良な隣人」と思われていた
彼には、このような善良な一面もありました。
そんな彼が猟奇的な行為に走った原因は、「彼が育った異常な環境」と「母に対する異常な愛情」が関係しています。
エド・ゲインが育った”異常な環境”
エド・ゲインの猟奇性を紐解く上で、彼の母親を抜きにしては語れません。
彼の母親は狂信的なルター信者であり、自分と神以外のすべて(家族を含む)に否定的でした。
また性的なものも心の底から嫌悪しており、息子(=エド・ゲイン)に対して異常な性教育を施してもいました。
- 男性器を「悪の象徴」と教え込み、自分の性器に唾を吐かせた
- 「他者は穢れているから一切関わるな」と、友達さえ作らせなかった
- 「近いうち、神がこの腐りきった世の中を破滅させる」と終末論をたびたび聞かせた
子どもの頃の多感な時期に「他人と関わるな」「性欲は悪だ」と植え付けられたエド・ゲインは、他者とうまく関わる能力を育むことができず、これが「他人を物とみなす」かのような猟奇性を生む原因となっています。
また、この教育は彼女が信仰する聖書の教え(=性は神が創った”善きもの”という教え)から見ても歪んでおり、母親の根本的に歪んだ思考もまた、彼を後に苦しめる原因となっています。
人間誰しも、母親の影響は大きいってことだね…。
母に対する”異常な愛情”
あまりにも歪んだ教育を受けたエド・ゲインですが、そんな母親を「愛していた」そうです。
母が亡くなった時は号泣し、母の死後は完全に孤独を感じていたといいます。
その孤独を埋め合わせるかのように始まったのが、彼の猟奇的な行為の数々。
母親に似た中年女性の死体ばかりを掘り起こしては、皮膚や臓器を切り取り、服を作ったり部屋に飾っていたのです。
その創作物に、母の面影を感じていたのかもしれません…。
まとめ
ナチュラル・サイコパスのイメージがありますが、実は彼の猟奇性には、明らかな原因があります。
彼もまた、自分の異常さに苦しんでいた部分もあったのかもしれません。
しかし、彼を擁護するわけでもありません。
2人の女性を殺害したことは、絶対に許されませんから。
ただ、
- なぜ猟奇的な行為に及ぶのか?
- なぜ異常な行動をとるのか?
と、あらゆる角度から1人の人間を掘り下げていくと、必ずしも邪悪でない部分が見つかったりします。
為す術なく邪悪に目覚めた『ジョーカー』を思い出して、少し悲しくなった。