粛正・・・と聞くと、某国の処刑をイメージする方も少なくないと思います。居眠りしていたから・・・そんな理由での粛正もあったなんて言われていて、処刑方法もなかなか衝撃的です。
と、某国のような例外をの除けば、今の世の中で、普通に生きていて粛正に合うことはありません。いろいろな問題を抱えていても、人間関係が上手く行かなくても殺されることはまずありません。
ですが、昔はそうではありませんでした。特に、権力者が自らの地位を固めるときにはよく処刑が行われていました。今回ご紹介するのは、聖書に登場する“賢かった”ことで知られているソロモン王です。実はソロモン王は、父親の遺言で粛正を敢行していたのです。
ソロモン王の父親はダビデ 母親はパテシバ
ソロモン王の父親は、ダビデ王です。そして、ソロモン王の母親はパテシバ・・・。そう、ソロモン王の母親にあたるパテシバは、ダビデが不倫の末、旦那のウリヤを戦地に送って戦死させてしまったことで知られているあのパテシバです。オカルトオンラインでもご紹介した【ダビデ王は不倫をした上に不倫相手の夫を戦死させていた?!のエピソードです。
ダビデとパテシバの間に生まれた最初の子はすぐに死んでしまうのですが、その後で生まれたのがソロモンです。
不倫した上に、旦那を戦地に送って死なせてしまうという罪を犯したダビデですが、反省したので命は助けられたというわけ。そして、王となる子も誕生したのです。
こうして生まれたソロモンですが、後に偉大な王としてイスラエルを治めることになります。
ソロモンという名前は「平和」という意味があるそうで、ソロモン王といえば、賢くて平和的で、そして頭がいい!そんなイメージを持っている方もいらっしゃることでしょう。動物と会話ができる指輪を持っていた・・・そんなエピソードも有名です。
なんとなく優しそうな人というイメージもあるソロモン王ですが、実は、ダビデからの遺言で粛正を行ったというダークな一面も持っています。
ソロモン王の粛正はダビデの遺言だった
ソロモン王の父親のダビデは、死ぬ前に遺言を残します。
- 神に従うこと
- ヨアブの処刑
- シムイの処刑
- ダビデを昔助けてくれた恩人を王宮で雇う
ということでした。
このヨアブというのは、ダビデの部下にあたる人で軍人さんです。このヨアブは昔ダビデが過ちを許した人達を勝手に処刑した張本人でした。そして、シムイはダビデに昔呪いをかけていたひとです。ダビデはこの人を「剣」では殺さないという誓いを立てていました。だから、呪われてもシムイを殺せなかった・・・。そこで、子のソロモンに「どうしても許せないからお前、代わりにやっとけ」といったということです。
処刑だとか、のろいだとかがナチュラルに登場する聖書ワールド全開のエピソードですが、とにかくソロモンはヨアブの処刑とシムイの処刑を遺言というおもーい形で受け取ってしまいます。
遺言を守ることでソロモンは自分の権力固めをする
父親のダビデの遺言を果たすこと・・・これは次の王であるソロモンにとって、自分の権力固めをするいうことでもありました。
そして、ヨアブは祭壇にしがみついていたところを引きずり下ろされて処刑・・・シムイには「イスラエルが出るな」という命令を与え、シムイが逃亡した家来を呼び戻すためにイスラエルを出たところで「約束を破った」として処刑しました。
遺言だから・・・まぁ、仕方が無かったのかもしれませんが「イスラエルから出る」ことを恐らく解っていて約束を破らせて処刑するという手口はなかなか巧妙です。
他にも、祭司アビヤタルを追放したりアドニヤという人を処刑したりと、粛正をすることで王としての権力固めに成功しました。
どこか知的で優しげなイメージがあるソロモン王ですが、こんなヒールな一面もあるんです。
ソロモン王は本当に賢かった
粛正をして権力固めに成功した後、ソロモンはエジプトのファラオと親戚になったり、神様に気に入られたりと、順風満帆な人生を送ります。
実際に、ソロモン王はとても賢い王様だったようで、母親だ!と名乗る女性が赤ちゃんを取り合ったいたときに「半分に子供を切って分ければ良い」という仰天発言をします。この命令の真意は、本物の母親なら「そんなことをするなら相手に子供をあげてもいい」というはずだというもの・・・。ソロモン王の名裁きと言われています。
実際に、ソロモン王が統治してたあいだはイスラエルはとても平和で豊かだったそうです。
まとめ
聖書に出で来る王様の中でもわりと有名なソロモン王・・・賢い王としても知られているわけですが、王位をダビデが継承する時には、ダビデの遺言に基づいた粛正をしていたというヒールな一面もありました。
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参考資料:Wikipedia
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