山口県の萩市といえば、幕末をイメージする方が多いことでしょう。松下村塾を主催した吉田松陰の出生の地として有名な萩は、江戸時代に作られた道が今でも残っている場所でもあります。
萩といえば、歴史!もちろんそれは間違いではありません。
歴史ある美しい町並みが残っている情緒ある萩市ですが、実は・・・萩には火山があるってご存じでしたか?
萩市は山口県の海辺にある
萩市は山口県の北部の海沿いにあります。場所はこのあたり。
歴史ある街として全国的に有名ですが、実は火山帯としてもとっても魅力がある場所です。
萩にある火山はひとつではないのですが、その中でも代表的な笠山は、超コンパクトサイズで山頂には公園があり、火口にも入れるんです。
火口に入れちゃう!コンパクトサイズの火山がある!
萩市は、たくさんの夏みかんの木があることでも有名・・・。萩の特産品です。そして、萩にはとってもコンパクトな火山があります。笠山という火山なのですが、標高は112メートルととってもコンパクトでちっちゃい!小さくても火山ですから、もちろん火口もあります。
笠山の上には、展望台がつくられており火口の中に降りることもできます(もちろん熱くないですよ)
萩市に火山・・・ちょっと以外かもしれませんが、実は、萩は阿武火山群という火山群がある火山の街でもあるんです。約40の単成火山が集結しており、独立単性火山群という火山です。
200万円ほど前に噴火した痕跡があるこの火山群は、今でも活火山に指定されているんです。笠山もこの阿武火山群のひとつです。
火山が作った地形は実は世界的に見てもとってもレア!
萩にある火山帯がつくる地形・・・実は世界的に見てもとてもレアだったんです。
地形がとっても珍しい?
萩市にある阿武火山群は、溶岩台地という地形をつくりました。
これは噴出するマグマの粘度が低い場合・・・つまりサラサラのマグマが作る地形です。マグマの粘度は岩石の種類で変わるんです(玄武岩、安山岩、デイサイト、流紋岩)。ハワイでマグマが噴水のように噴き出している映像がありましたが、あれは粘土が低いマグマだからです。
九州にある雲仙普賢岳のように溶岩ドームが形成される場合は、溶岩の粘度が高くねばっこいのが特徴です。
粘り気が低い溶岩は玄武岩のものがほとんど・・・、サラサラの溶岩が溶岩台地を形成するのです。ですが、萩市の溶岩は、安山岩やデイサイト・・・つまり、溶岩台地を作るにしては粘土が高いんです。つまりさらさらではない。なのに、溶岩台地を形成しているというのは、実は世界でも萩の火山帯だけと言われています。
溶岩台地で作られた離島の尾島には、溶岩の通り道だった穴を見ることもできます。
阿武火山群は噴火するの?
火山・・・と言われたら気になるのは「噴火するのか」ということです。
熊本県の阿蘇山や鹿児島県の桜島のように、時々噴煙を上げているかと言われると、そんなことはありません。
200万年以内に噴火の痕跡がある・・・ことから活火山に指定はされていますが、実は阿武火山群の個々地形は1回の噴火で作られたのではないかと言われています。有志以降の火山活動はなく、噴火の可能性は低めと考えられています。
もちろん、自然現象ですから絶対にないとは言いませんが、今すぐマグマを噴き出すような火山活動はないそうです。
まとめ
吉田松陰や松下村塾などで有名は萩は、とても歴史ある街です。どうしても歴史に目が向いていまいますが、実は萩は火山帯!
笠山を初めとする火山がある火山の街でもあります。そして、この火山帯が作り出した溶岩台地は、世界的に見てもとてもレアな地形です。
特産の夏みかんや江戸時代から残る街道など、萩にはたくさんの魅力がありますが、実は火山もあった!ちょっと意外な一面ですよね。噴火の可能性は低いと言われてはいますが、それでも活火山。今も観測が続けられています。