ネットにあふれる未来人、タイムトラベル、異世界に迷い込んだ話・・・そのすべては全部フィクションなのか?
「もし0.01%でも真実の話が紛れ込んでいたとしたら?」という思いから、それが本当ならどんな仕組みや理論で可能なのか?
相対性理論とか量子力学の本を読みあさりながら考察しているBTTPです。
2016年から『Back to the past』というサイトで「過去に戻る方法」や「過去を変える方法」を中心に考察してきましたが、その成果を少しずつご紹介していければと思います。
過去に戻る方法
私(BTTP)は4年ほど「過去に戻る方法」を研究している。
調べ始めたきっかけはささいなことで、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいに過去の世界を体験できたら楽しいだろうな、という単純な動機だった。
いや、もっとずっと前「過去を変えることができたら」という思いをずっと引きずっていたからかもしれない。
10代のころ受験に失敗し、1年前に戻ってもう一度勉強をやり直せたらと寝る前にベッドの中で考えていた。
「いじめのきっかけになったあの出来事をやり直したい」
「親友にひどいことをしてしまい、疎遠になった過去を変えたい」
「うっかりミスで会社に多大な損害を与えてしまった。そのミスを消し去りたい」
「自動車事故で他人に大怪我を負わせてしまった。事故をなかったことにしたい」
・・・など、誰にだって1つや2つぐらい「やり直したい過去」はあるだろう。
私が目指している「過去に戻る方法」は、超能力のような個人の特殊能力や才能など必要なく、誰もが手軽に、訓練や機械を使って時間移動できる方法だ。
しかし常識的なあなたは思うだろう。
「過去に戻ること」、いわゆるタイムトラベルやタイムスリップなんて、SF映画や漫画だけの話じゃないか。
確かに20世紀はそうだった。
しかし調べ始めて、物理学の本を読みあさった結果わかったのは、有名な大学の教授、研究機関の科学者たちが真剣に「時間移動する方法」について考えたり議論を重ねていることだ。
21世紀の今、タイムトラベルはSFの中だけの話ではないのだ。
例えば、未来へ行く方法。
未来へのタイムトラベル
過去に戻る話ばかりしてきたが、実は「未来」へのタイムトラベルは「過去」に比べて、それほど難しくはない。
※あくまで「過去」に比べて。
ロバート・ハイラインという作家が書いた「夏への扉」という私の大好きなSF小説がある。
詳しくはネタバレになるので書かないが、主人公は冷凍睡眠装置を使って体の老化を遅らせ、数十年後に目覚める。
「何だそれ?」と思うかもしれないが、これも立派な未来へのタイムトラベルだ。
「人体冷凍保存」とか「コールドスリープ」と呼ばれており、現在の技術では冷凍された人体を元に戻す際に細胞膜を破壊してしまうが、すでにアメリカのNPOアルコー延命財団(Wikipedia)やNECTOME(ネクトーム)というスタートアップ企業が、将来の技術革新を見越して人体や脳の冷凍保存を開始している。
20世紀を代表する物理学者、アインシュタインの相対性理論を利用してもいい。
アインシュタインが1905年に発表した「特殊相対性理論」によれば、光の速さに近づくほど時間はゆっくりと流れるし、その10年後に発表した「一般相対性理論」によれば、重力の強い場所にいるほど時間の流れは遅くなる。
だから、超速いロケットに乗って地球に戻ってくるか(自分の時間だけがゆっくりと流れるので、戻ってきた先は未来の地球)、超重力の強い星で何日か過ごして地球に帰還すれば(自分の時間はゆっくりと流れ、戻った先の地球は何十年も経過しているので)、未来の地球にタイムトラベルできる。
もっと言えば冷凍睡眠装置や宇宙ロケットを使わなくても、未来へのタイムトラベルは可能だ。
パイロットは高速で飛ぶ飛行機に乗っていることで、電車通勤のサラリーマンよりも非常にわずかな時間だが未来へタイムトラベルしているし、日本の平地で暮らしているわれわれの方が、ヒマラヤのような高地で生活する人たちに比べてわずかに強い重力の場所にいるので、ほんの少しだけ未来にタイムトラベルしている。
だが、「過去へのタイムトラベル」はかなり難しい。
過去へのタイムトラベル
過去へ戻るために「CTC(時間が輪のように閉じた時空)」や「無限の長さの宇宙ひも」を利用する方法が考案されているが、私が注目しているのは、米カリフォルニア工科大学のキップ・ソーン博士が提唱している「ワームホール」を利用する方法だ。
※キップ・ソーン博士は2017年にノーベル物理学賞を受賞している一流の科学者。映画「インターステラー」の科学考証もしている。
ワームホールは2つの離れた空間を結ぶトンネルで、ドラえもんで例えると「どこでもドア」がイメージしやすいかもしれない。
※ドラえもんはすでにのび太の机の引き出しにタイムマシンをもっているが・・・。
まず、のび太の部屋(A)にどこでもドアを置いて、出口を土管の公園(B)とする。
そして土管公園の出口(B)を光速に近い速さで振動させる。
特殊相対性理論から光速に近づくにつれ時間の流れは遅くなるので、のび太の部屋(A)の入り口に比べ、土管公園の出口(B)の時間は遅れていく。
この状態でのび太の部屋(A)のどこでもドアに入ると、土管公園の出口(B)から出てきたのび太は過去の世界に行くことができる。
「CTC」や「宇宙ひも」といった何だかよくわからないものを使うよりイメージしやすいと思うが、この方法にも問題点がある。
「どうやって、どこでもドアのようなワームホールをつくるか?」だ。
※しかもこの方法ではどこでもドアを置く前の過去には戻れない。
さらに「過去へのタイムトラベル」につきまとう「親殺しのパラドックス」も問題だ。
過去にタイムトラベルをして自分の両親のどちらかを殺してしまった。
すると自分は生まれないことになる。
でもタイムトラベルした自分がいなくなることで、結果、親は殺されずにすむ。
だが親が無事ならば生まれてきた自分は再びタイムトラベルして親を殺す。
すると自分は生まれないことになる・・・
という無限のループが続いていく。
だから「過去へ戻ること」は簡単ではない。
でもやっぱり「過去の世界に戻って、もう一度人生をやり直すことができたら」と考えるとワクワクする。
やり直すことができなくても、わずらわしい仕事や人間関係を取っ払って、懐かしい子供時代をもう一度体験してみたい。
その手掛かりなる方法を見つけた。
それが「タイムリープ」だ。
「タイムリープ」を説明する前に、「時間移動の方法」を一度整理しておこう。
時間移動の方法
●「タイムトラベル」(時間旅行)
タイムマシンなどの機械やワームホールなど使って、過去や未来に自分の意志で身体ごと時間移動すること。
「タイムワープ」(時間歪曲)や「タイムトリップ」(時間旅)とも呼ばれる。
●「タイムスリップ」(時間滑落)
何らかの原因で、自分の意志ではなく過去や未来へ時間移動してしまうこと。
●「タイムリープ」(時間跳躍)
自分の精神(魂)が過去や未来に時間移動すること。
身体的な移動を伴わず、自分の人生の過去や未来の範囲でしか移動できない。
※「タイムループ」(時間反復)はたった1文字の違いだが、同じ時間を何度も繰り返す現象で、意味はまったく異なる。※ちなみに「タイムリープ」という言葉は海外では通用しない。海外では同様の現象を表す言葉で「JUMP TIMELINES」がよく使われる。
「タイムリープ」という言葉は筒井康隆氏のSF小説が原作の映画「時をかける少女」によって一気に広まった。
この作品の中で主人公の少女は、未来から来た少年のタイムリープの薬を偶然吸引してしまい、時間移動能力を身に付ける。
映画を見た人は、「あれ? 少女はまだしも、少年は身体ごと未来から過去へタイムリープしているじゃん」と思うかもしれないが、精神だけが移動することで、本人が同じ時間に2人存在してしまったり(時間移動してきた自分と元の世界の自分)、さきほどの「親殺しのパラドックス」を避けることができる。
現在ネットなどで認知されてる「タイムリープ」の定義は、精神だけが過去や未来に時間移動する現象だ。
これからタイムリープについて、いろいろご紹介していきたい。