【未解決事件】『長岡京ワラビ採り殺人事件』を徹底解説 -3- 【考察シリーズ】

これはかつて、京都府の山中で2人の主婦が凄惨な死を遂げた『長岡京ワラビ採り殺人事件』に関する記事の【パート3】です。本編をお読みになる前に、ぜひとも【パート1~2】をお読みください。

【未解決事件】『長岡京ワラビ採り殺人事件』を徹底解説 -1-

【未解決事件】『長岡京ワラビ採り殺人事件』を徹底解説 -2-

殺害された 主婦2名について 

遺体の状態から、この事件の被害者となった2人の死は他殺によるものと断定された。この2人の死因はそれぞれ異なっており、明石さんは絞殺。水野さんは刺殺であった。*
*それぞれは直接の死因

明石さんの遺体の様子


明石さん (事件当時の新聞より)

傾斜の激しい斜面で頭を下(谷側)に、仰向けの状態で発見された明石さんの遺体。
絞殺された明石さんの身体には、30箇所以上もの殴打された痕跡(皮下出血)がみられた。左右計9本の肋骨(ろっこつ)が折れており、肝臓は破裂。直接的な死因は手で首を絞められたことによる窒息死であった。
遺体発見時、明石さんの服装はスポーツシャツにジーパン。シャツのボタンは一部もぎ取られたと思われ、周囲にこれが落ちていた。また、ナップサックも遺体のそばに放置されていた。


スポーツシャツとナップサック (共にイメージ)

尚、明石さんの体内からは犯人のものと思われる精液が検出されたが、着衣の乱れはみられなかった。強いていうならば、このボタンの千切れたシャツくらいのもので、下着やジーパンはきちんと穿いていた。

水野さんの遺体の様子

水野さん (事件当時の新聞より)

水野さんの遺体はポロシャツにジーパン姿であり、ナップサックは背負ったままであった。
水野さんに至っては全身50箇所以上の殴打された跡(皮下出血)が確認されている。明石さん同様、水野さんの遺体にも首を絞められた跡があったが、直接の死因は包丁を刺されたことによる失血死。
刺殺された水野さんであるが、肋骨は包丁によって切断され、その刃は心臓から肺にまで達していた。包丁は左胸に刺さっていたが、ポロシャツをまくり上げたうえで刺されていた。尚、水野さんはうつ伏せで包丁が身体に突き刺さったままの状態で発見されている。そのほかの外傷としては、アキレス腱が切断されていた。

水野さんの着衣は乱れており、下半身の衣服は脱がされていた(下着とストッキングが脚にかかった状態)。またジーパンや靴も遺体近くに散乱。彼女が激しく抵抗したことが窺える。これにより水野さんが性的暴行も受けた可能性が示唆されたが、彼女の体内から精液は検出されなかった。

このように、明石さんと水野さんのいずれも、むごたらしい死を遂げている。2人とも殴打の痕跡が30箇所、50箇所以上確認されているが、それぞれその痕跡の数以上の回数を殴打されていることは間違いない。水野さんに関していえば、ともすれば100回にも及ぶほどの回数である可能性すら考えられる。

遺留品について

ここで、殺害現場に遺された遺留品について言及したい。
殺害された明石さん、水野さんが背負っていたナップサックは共に現場に遺されていた。その中身は以下のとおり。

2人の遺留品

明石さん、水野さんの遺留品は似通っている。以下は共通する物品。

  • 空の弁当箱 (入山前に勤務先のスーパーで購入したもの)
  • 採ったワラビ
  • 腕時計
  • 財布

特筆すべき遺留品 (明石さん)


  • 裏面にメッセージの書かれたレシート (詳細は後述)

 

2人の所持金

明石さんについては事件当日の所持金が明らかになっている。遺された財布の中身は約2,000円であったという。

このように2人の財布は奪われておらず、遺体の様子からみても現金目的の犯行ではないことが窺える。では、その目的は―。


さらなる遺留品―。犯人の残した証拠については【パート4】にて。

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