【未解決事件】『室蘭女子高生失踪事件』の真相に迫る -前編-【考察シリーズ】

「いま話せないから、あとでかけ直すね」

16歳の美少女は、この言葉を最後に消息を絶ちました。このとき電話の向こうでは一体何が起きていたのか―。

春が近づく北の街で、ひとりの女子高生が白昼に姿を消す。
「自殺」、「逃走」、「拉致」―。さまざまな憶測が飛び交う中、およそ20年経った現在でも彼女は見つかっておらず、事件は謎のまま時間だけが流れていきます。


今回は、かつて北海道で起きた不可解な失踪事件について考察していきます。当時、高校1年生であった千田 麻未(ちだ あさみ)さんが行方不明となった『室蘭女子高生失踪事件』。これは現在も未解決事件として扱われ、警察をはじめ家族や友人などが情報を求め、解決のときを待っています。(2020年5月現在)

行方不明となった千田 麻未さんの人物像


「警察提供の千田 麻未さんに関する情報」 麻未さん失踪当日の服装(右)

『室蘭女子高生失踪事件』―。
この事件で行方不明となったのは北海道室蘭市に住む千田 麻未さん(当時16歳)。彼女は室蘭市でもいちばんの進学校である北海道立室蘭栄高校に通う高校生で、その中でも麻未さんの学年成績は常にトップクラス。誰もが認める優等生でした。
麻未さんは几帳面な性格で、学校などでの交友関係は良好。そのため、この事件において、麻未さんが対人関係の悩みから自殺を図ったり、自ら姿をくらますといったことは到底考えられないと周囲の人たちは口を揃えます。

成績もさることながら、麻未さんはその優れたルックスにより男子生徒からの人気が高かったといいます。ここで驚くことに、学校では麻未さんのファンクラブが存在していたという事実が伝えられています。さらには、このファンクラブのメンバーには他校の生徒もいたといわれていますから、多くの異性の目が麻未さんへと向けられていたことが窺えます。彼女はまさしくアイドル的存在であったのでしょう。
しかしその一方で、一部のいき過ぎたファンによるストーカー紛いの行為があったとも。とはいえ、これも知らない異性からメールや電話が来たりする程度で、それほど深刻なものではなかったようです。
また当時、麻未さんには交際相手がいましたが、同級生などの間でもこれを知る人はほとんどいなかったといいます。

室蘭栄高校は、一流大学への進学生徒を多く輩出する指折りの進学校。こうした地域でも屈指の進学校に通っていながら、麻未さんはアルバイトをしていました。
彼女がアルバイトをしていた理由は定かではありませんが、麻未さんが住んでいたのは団地という公営住宅であるという点から、家計を助けるため(「携帯電話料金を自分で支払うため」、「親に頼らずお小遣いを得るため」など)だったとも考えられます。
白鳥台団地の自宅で両親と弟の家族4人暮らし。麻未さんはごくありふれた家庭の中で、平穏な日々を送っていました。

『室蘭女子高生失踪事件』の概要

2001年3月6日、麻未さんが自宅からアルバイト先であるパン屋へ出掛けたまま行方不明に。アルバイト先へ行くといっても、この日彼女は働くためではなく、パン屋のオーナーにコーヒーの淹れ方を教わるために店へと向かったのでした。
事件が起きた2001年3月6日は火曜日であり平日でしたが、この日は公立高校の入試日であったため、麻未さんの通う高校を含めた周辺の公立高校は休校となっていました。

自宅を出てアルバイト先のパン屋へ向かう途中、麻未さんは交際相手との通話を最後に忽然と姿を消してしまったのです―。


以上、【前編】となる本記事では、『室蘭女子高生失踪事件』の導入部分をお伝えしました。行方不明となった千田 麻未さん、事件当日の足取りは【中編】にて。

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