※これは人を操る話術『コールド・リーディング』に関する記事の【パート6】です。本編をお読みになる前に、ぜひとも【パート1~5】をお読みください。
【保存版】究極の話術『コールド・リーディング』を徹底解説 -1-
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【実践パート】:『コールド・リーディング』の技法 応用テクニック
となりの芝生
「となりの芝生」 その名前の由来はことわざ”隣の芝生は青く見える”である(確信)
これは、「~していなかったら」「~していれば」という人間の”たられば”の心理を利用するテクニック。
【実用例】
いまあなたは毎日忙しく仕事をしていて、充実した日々を送っていますね。あなた自身、まるで不満など感じていないと思っているでしょう。しかし実は心のどこかで”お金よりも時間のたくさんある自由な生き方をする人”をうらやましく思っています。
人は「無いものねだり」の生きものである。これもよく考えてみれば、実はなんのことはない当たり前のことを言っている。
アンタが優勝
「アンタが優勝」 筆者による命名(正式名称は「自己重要感の肯定」)
画像引用:web Sportiva
これは人が持つ”自分は重要な人物である”という心理を刺激するテクニック。言いかえるならば、人が心のどこかに持っている“自分こそがNO.1”という心理を利用する。
“NO.1にならなくてもいい もともと特別な Only one”*
「そんなもんクソくらえ!」という自尊心の高い人には非常に効くテクニックである。
*アイドルグループ SMAP 「世界に一つだけの花」の歌詞を抜粋 (作詞・作曲 槇原敬之)
【実用例】
- あなたには人を惹きつけるオーラがありますね。
- あなたには、まだあなた自身が気付いていない優れた才能があります。
これはなんのことはない、相手を持ち上げて気持ちよくさせているだけである。これにより相手はあなたに対して”この人は分かってる!”、”この人は優れた霊能者だ!”などとあなたに対して肯定感を抱き、心を開く。すると無意識のうちに、”この人の話を聴いてみよう”という姿勢になる。
給料アップや出世を目論む社員が社長にゴマする場面や、小遣いをねだる夫が妻に「痩せた?」とか「最近、綺麗になったね」など心にもないことを言う場面と同じです。このテクニックは多くの人が日常生活の中で知らずしらずのうちに使っています。俗にいう”ヨイショ”ですね。
ダブルバインド
画像引用:TRANS.Biz
『ダブルバインド (Double bind)』―。これは直訳すると「二重拘束」となる。そのためダブルバインドの別称として、「二重拘束」が一般的であるが、これは要するに”二律背反”である。
ごく簡単にいえば、「矛盾」と同じ。
例えば、
職場の上司が「自分で考えて臨機応変に対応しろ」というが、そのくせ「業務マニュアルに忠実であれ」ともいう。
ここであなたは自律的に動いても「勝手な行動をするな」と叱られ、かといってマニュアル通りに動いても「柔軟に対応しろ」と叱られる。つまり、どっちにしてもあなたは叱られる。
『二律背反』は”定められた結果からは逃れられない”という意味である。
ちなみに、ビジネスシーンではこの例と同じような状況はよくみられる。上司を持つ社会人がよく口にする”理不尽”の正体こそ、この二律背反である。職場などのパワハラの多くはこれが関係している。
意図せず二律背反(ダブルバインド)を使っている人が実は多い。例えば、家庭内でも往々にしてこれは起きている。子どもにこうした理不尽なしつけをすると、統合失調症(またはそれに似た症状)を招く。ぜひとも気を付けていただきたい。
このように、ダブルバインドは対象者の逃げ道を絶つことである。これにより、対象者は必ずこれを仕掛けた人の求める答えを与えることになる。コールド・リーディングは、対象者がリーダーの質問を回避(否定)してもあらゆる角度から囲みこむので、リーダーのいうことは必ず的中することになる。
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