【事件】貯水槽内で死体が発見された『エリサ・ラム事件』の真相 -中編-【考察シリーズ】

※これはかつてとあるホテルの貯水槽内で死体が発見された『エリサ・ラム事件』に関する記事の【中編】です。本記事をお読みになる前に、ぜひとも前編をお読みください。

【考察】貯水槽内で死体が発見された『エリサ・ラム事件』の真相 -前編-

事件の背景

事件前、エリサはアメリカを一人で旅行しており、各地を訪ねていました。その中で、彼女はカリフォルニア州にある「サンディエゴ動物園」を訪ねていたことが分かっています。これは彼女がそこで撮影した写真をSNSに投稿していたことから確かなものになっています(その他の訪問地での写真をSNSに投稿していたかどうかは不明)。

エリサはその後の1月26日、ロサンゼルスに到着。その2日後(1月28日)に「セシル・ホテル」にチェックインしていることが明らかになっています。
彼女は当初、5階にある共同部屋を利用していましたが、同室の宿泊者からエリサに対する苦情が発生。これにより、彼女は個室に移ることになりますが、この苦情の原因がエリサの奇行でした。

この奇行こそ、後の事件発覚時にその謎を深める要因のひとつとなるのです―。

エリサの失踪

ロサンゼルスに到着した5日後の1月31日。この日エルサは、ホテルをチェックアウトしてサンタクルーズへ行く予定であったといいます。つまり、この日が「セシル・ホテル」での最後の滞在日でした。

エリサはこの旅行の間、カナダにいる両親に毎日連絡を入れていましたが、この日はその連絡がなく、音信不通となります。これを不審に思った両親はすぐにロサンゼルス市警に通報。やがて警察の捜査がはじまり、警察のこの捜査への協力のため、両親はロサンゼルスへ赴きました。

警察はエリサが利用していた部屋はもちろん、可能な範囲までホテル内を隈なく捜索。警察犬も導入し、屋上に至るまで徹底的に手がかりを探りました。とはいえ、このとき警察はホテル内すべての部屋を捜索したわけではありませんでした。というのも、他の客室に関しては、”犯罪に関係すると考えられる”といった「相応な理由がある場合に限り捜索が可能」という法の壁が立ちはだかっていたためです。

そしてエリサの失踪から1週間経過した2月6日、警察は捜査レベルを引き上げます。更なる情報を求めるため、エリサの顔写真を載せたチラシを近隣へ配布。またインターネット上でもこれを公開しました。やがて事件はメディアにも取り上げられ、多くの人々の関心がこの事件に集まることになりました。

警察の懸命な捜査にもかかわらず、エリサの痕跡は見つからないまま時間だけが流れていきます。そして2月15日、警察はエリサが最後に映った映像の公開に踏み切りました。この映像はホテルのエレベーター内の防犯カメラによって撮影されたものでした。
この映像こそが、後に『エリサ・ラム事件』の名を世界に知らしめ、事件に関する多くの議論の種となるのです。その要因となったのが、この映像内でみられるエリサの奇妙な行動の数々です。

以下のリンクは、「セシル・ホテル」が警察に提供した実際の映像です。ここでは生存しているエリサが最後に映った様子を確認することができます。観る人によってはショッキングな内容となる可能性があるため、ご視聴は自己責任でお願いいたします。

映像内の奇妙な点


0:14~
エレベーター内に入り、中腰になって階数ボタンに異様なほど顔を近づけ、凝視している。その後ボタンを押したようにもみえるが、ただなぞっただけにもみえる。

0:21~
エレベーター内の角に立ちすくむ。何かを待っているようにもみえる。

0:30~
エレベーター内から身を乗り出し、一瞬だけ廊下を左右確認。その後、何かに気付かれたかのような素振りで素早く身体を引っ込める。

0:36~
何かから身を隠すように、エレベーターの壁にぴったりと背をつける。やがて死角に隠れるように、角に立つ。

0:47~
再び廊下を覗く。先ほどより警戒した様子はない。一歩二歩踏み出し、廊下に立つ。一度エレベーター内に戻りかけるが、また廊下へ出る。

1:12~
映像内からエリサの姿が消える(エレベーターを出てすぐ左にいる)。そこで何をやっているかは不明。

1:37~
エレベーター内に戻り、再び階数ボタンをいじりはじめる(無作為にボタンを押しているようにもみえる)。

2:00~
再び廊下へ出る(またエレベーターを出てすぐ左の場所)。やがて両手を使った不可解なジェスチャーをはじめる。先ほどは廊下に出ることを恐れるようであったが、このときにはそうした様子はみられない。

2:36~
再び映像内からエリサの姿が消える(画面左へ姿を消す)。その後、彼女の姿はみえず、その後なぜかエレベーターのドアが不規則に開閉を繰り返す。

このエレベーター内の防犯カメラの映像は2月1日に撮影されています。つまり、当初1月31日にホテルをチェックアウトする予定をエリサは変更していたということになります。
彼女がなぜ予定を変更し、「セシル・ホテル」の滞在をなぜ延長したのか。謎は深まるばかりです―。


以上、【中編】となる本記事では、『エリサ・ラム事件』の詳しい事件内容をお伝えしました。事件の結末と本記事筆者であるテンペ・ワゾウスキの考察は【後編】にて。

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『自分が読んでつまらないものは、誰が読んでもつまらない』これをモットーに100%クオリティの記事をお届け。執筆傾向は主に、「もしも○○したらどうなる?」の疑問を解消する【どうなるシリーズ】、未解決事件などを徹底リサーチ&自身の視点で切り込んでいく【考察シリーズ】。そのほか面白いテーマを見つけては記事にしています。心霊現象は完全否定派(ここだけの話)なので、心霊系の記事についてはいまのところ執筆する予定はありません(2020年3月現在)。 記事にしてほしいテーマのリクエスト受付中。どんなテーマでもOKですのでお気軽にどうぞ。