あるタクシー運転手さんは、深夜に乗せたお客さんが消えた経験があるそうです。

ある夜遅く、タクシー運転手の山田さんは近所の病院の玄関で客待ちをしていました。この病院は地域の中でもかなり大きい病院で、夕方から深夜にかけて客待ちをしていれば決まってお客さんがいるため、必ず立ち寄る場所でした。15分ほど待機していると、病院の玄関の方から白い服を着た女性が来て、駅までお願いします、と告げました。山田さんは、やけに女性の荷物が少ないけれど残業帰りの看護師さんだろう、くらいの軽い気持ちで、特に後ろを確認することもなく発車させました。女性は終始おとなしく、特に会話もありませんでした。疲れて寝てしまったのだろうと思った山田さんは、駅に着くまで特に声はかけませんでした。10分後、道がすいていたため、駅の手前の交差点で信号待ちになりました。そろそろ女性を起こさなくては、とバックミラーを確認した山田さんは息を飲みました。女性の姿は消えていました。これは知人から聞いた話です。知人は残業で遅くなり、職場からタクシーに乗って最寄り駅へ向かったそうですが、その時のタクシー運転手さんが駅につくまでの間、自分の経験を話してくれたそうです。仮にその運転手さんを山田さんとして書いてみました。タクシー仲間のあいだでは、病院から謎のお客様が乗るというエピソードは決して珍しくないそうです。でも、私たちがタクシーに乗るのと同じように、この世のものではないものたちも、色々な理由でタクシーに乗るのですね。
神奈川県相模原市南区南台 [map lat="35.521144899999996" lng="139.42245690000001" width="800" height="600"]