【未解決事件】『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』を徹底解説 -3- 【実録シリーズ】

※これはかつて、ひとりの男性が誤認逮捕され、これにより死亡した『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』に関する記事の【パート3】です。本記事をお読みになる前に、ぜひとも【パート1~2】をお読みください。

【未解決事件】『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』を徹底解説 -1-

【未解決事件】『四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件』を徹底解説 -2-

事件のその後

本事件の被害者となった男性が死亡したのは、現場での暴力性を孕んだ制圧行為(現場での拘束)が原因であったことは、男性の死因からみても明らかであった―。

ちなみにこの事実に対して、四日市南警察署は”一般的な制圧行動であった”とし、その正当性を一方的に主張。ここで、事件のこうした実情を知った有志が三重県警に対し公文書の開示請求を行った。しかし、これは棄却される。


2007年(平成19年)、被害男性の遺族が”警官による制圧行為がいき過ぎていた”として、三重県を相手取り約5,700万円の損害賠償訴訟を起こした。これに対し、三重県側は”制圧行為は適切であった”として争う姿勢を示す。

そして2010年(平成22年)11月18日、津地方裁判所にて遺族側の訴えが一部認められ、三重県に対して880万円の支払いを命じる判決が出された。
この判決において裁判長は、”制圧行為は必要かつ相当な限度を超え、違法である”として制圧行為の違法性を認めた。しかしながら、男性の死亡との因果関係は認めなかった。これに対し、遺族側は同月27日に控訴した。

2011年(平成23年)9月、名古屋高等裁判所での控訴審判決において、制圧行為と男性死亡の因果関係を認めなかった一審判決が変更され、その因果関係が認められることに。これにより、裁判所は三重県に対し約3,644万円の支払いを命じた。これに三重県は上告を行わなかったため、判決が確定した―。

本事件の犯人 「謎の女」について

防犯カメラの不鮮明な映像と、現場の”犯人確保騒ぎ”に乗じて行方をくらました犯人の女―。
少ないながらも事件当時の女に関する目撃証言は存在する。これらによる女の特徴は以下のとおりである。

本事件の犯人 「謎の女」



防犯カメラに映る「謎の女」

年齢:25~30歳
身長:約160cm
体型:やせ型 (女が抱いていた子どもの体格から導きだすと、女の肩幅は狭く、かなりの細身であると考えられる)
髪型:肩くらいの長さ、茶髪
服装:黒っぽい上下の衣服、ショルダーバッグを肩に提げていた
その他:女が抱いていた子どもは2歳くらい

筆者が斬る この事件の闇

事件後の警察報道について

客観的に考えて、被害男性に対する制圧行為は必要以上のものであったことは明らかである。なにしろ制圧行為が原因でこの男性は脳に致命的な損傷を受け、翌日に死亡しているのだから。”この男性の死は制圧行為と因果関係がない”など一体誰が言えるだろうか。

警察は事件発生直後、この制圧行為についての詳細は報じず。結局、後にこれに言及することになるが、”男性が抵抗したため、やむを得ず”とした。
警察は現場にて対応した警官2名に対し、事実確認のための聞き取りを行ったと思うが、それらの証言は精査したのか。防犯カメラの映像は確認したのか。もししていれば、客観的にみて明らかに制圧行為が違法性を帯びていたことは窺い知れるはずである。防犯カメラの映像を確認していながら”やむを得ず”とするならば、それは極めて質(たち)が悪い。

終始、警察は男性死亡の事実は誤魔化し、違法な制圧行為の正当性を主張する構えを崩さなかった。


以上、【パート3】はここまで。事件のさらなる闇に切り込む【パート4】へ続く。いよいよ完結―。

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