2021年10月20日。熊本県の阿蘇山中岳の第一火口が噴火しました。
ニュース映像などで流された真っ黒な煙がもくもくと湧き上がる映像はとても迫力がありました。
今回の噴火では怪我をした人もおらず、大きな人的被害がなかったのが救いでしたが、実は阿蘇は過去にものすごい噴火をしている火山でもあります。
阿蘇の過去の噴火の歴史、そして、火山の噴火が今後の災害に関係があるのかをちょっと考えて見ましょう。
阿蘇は巨大カルデラ!実は大昔はとても高い山だった?
阿蘇は、世界ジオパークに認定されている熊本でも屈指の観光スポットです。
雄大な自然を楽しめる阿蘇ですが、実は巨大カルデラ。巨大カルデラの中に阿蘇市があり、道路が走っているという世界でも珍しい場所でもあります。
カルデラは大昔の噴火で形成されたモノで、山体崩壊と陥没でできたのが今の阿蘇です。
阿蘇は今、最も標高が高い場所でも高岳の1,592mですが、カルデラが形成される前は世界一の標高がある巨大な火山だったのではないかとも言われている場所です。
堆積物の調査などで、9万年前のAso-4はとんでもないレベルの噴火で火砕流で九州が飲み込まれ、火山灰が北海道や朝鮮半島まで到達したそう。
とまぁ、かなり気前よく噴火した過去を持つ火山というわけです。
阿蘇山で被害が出なかったのは奇跡?
今回の阿蘇中岳の噴火は、中規模噴火とされており、人的被害はありませんでした。阿蘇は今でも活動している活火山で、最近では2016年にも噴火していましたし、今回の噴火も「通常の阿蘇の活動の範囲」だと専門家は答えています。
秋の行楽シーズンを迎えた観光地での噴火というと、御嶽山を思い出しますが、今回の噴火で被害で出なかったのは運が良かったからだと指摘している専門家もいます。
この16人が生きて帰れたのは単に幸運だったから。火山をどんなに密に観測しても安全を確保できない。 https://t.co/I46H2QbZTu
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) October 20, 2021
登山者の方がたまたまとった写真を見ていると・・・確かに運がよかったのでしょう。また、阿蘇は観光地化されていて、火口周辺に道路や駐車場などが整備されている場所でもあります。
中岳山頂はレベル2の立ち入り規制(1キロ)のギリギリ外側。
火砕流は1.6キロまで流下しているから火口周辺はかなり危なかったと見ることできる。
噴火前に火山性微動の基準はレベル3相当だったけれど運用上、複数の指標で上げることになっていた。残念ながら今の基準では対応できないということになる。 pic.twitter.com/1dWtJcJaDB— 加藤 大和 (@YamatoKato) October 20, 2021
今はレベル3の噴火警戒レベルですが、噴火した当時はレベル2でしたから、人的被害が出なかったのは幸運だったということになるのでしょう。
ニュース映像でも話題になったこの写真・・・すごい迫力でしたね。
【「まさか」山頂で自撮り中噴火】https://t.co/SAYye7YuRU
阿蘇山噴火当時、火口からおよそ1km離れた中岳山頂にいた男性が取材に応じた。「まさかそういうのに遭遇すると思っていなかった。御岳山の噴火のことを思い出したので、200mぐらい走って、大きい岩があったのでそのかげに隠れました」。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) October 20, 2021
今後の災害・・・地震との関連は?
火山の噴火と地震の関連については、多くの方にとって「気になる」ところでしょう。
中には、東日本大震災の前に宮崎の新燃岳が噴火していたことを記憶している方もいらっしゃるはず・・・。もちろん、噴火があったから地震が来ると断言はできません。
ただ、阿蘇も噴火しましたし、福徳岡の場や西ノ島の噴火もありましたし、カナリア諸島でも火山が噴火・・・地震も多いですし、ちょっと活動的な感じがしてしまいます。
しかも、阿蘇山は中央構造線の端に位置しているということもあって、警戒したほうがいいとコメントする専門家がいるのも事実のようです。
噴火と地震の関連について、今はまだ解らないことだらけというのが現状です。
ただ、南海トラフは30年で70%の発生確率とも言われていますし、災害への備えはしておいた方が賢明でしょう。そして、例え穏やかな状態の火山でも、いつ噴火するか解らないということも知った上で観光をするようにしたいですね。
参考資料
阿蘇山 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』