勘違いで生まれてしまった都市伝説「コニシタカコの自殺」

2001年、アメリカにてある自殺事件が起きた。

その事件は通称「コニシタカコの自殺」と呼ばれる。

「コニシタカコの自殺」は英語圏では有名な都市伝説であるものの、初めて聞く方も多いのではないだろうか。

そこで今回は、日本では知る人ぞ知る都市伝説「コニシタカコの自殺」について紹介する。

コニシタカコの自殺とは一体何?

 

コニシタカコの自殺は、冒頭で述べたとおりアメリカで起きた自殺のこと。

アメリカのミネソタ州にある雪山にて、狩りを楽しんでいた男性が凍死しているアジア人を発見。

そのアジア人はコニシタカコという日本人であり、大量の薬物をシャンパンで飲んだことが死因とされている。

これだけでは薬物が原因の自殺と思うかもしれない。

それでは、なぜ都市伝説化となってしまったのだろうか。

都市伝説化してしまった4つの原因

この自殺が都市伝説化してしまった最大の理由は「勘違い」だ。

といっても、「勘違い」だけが都市伝説になってしまった原因ではない。

都市伝説になってしまった原因は簡単に分けて4つある。

原因①アメリカ人との意思疎通がうまくいかなかったため

200111月、ノースダコタ州のビスマークという地域にてドライブ中のアメリカ人がさまよっているコニシタカコを発見。

話しかけたものの意思疎通がうまくできなかったため、管轄区域の警察署へ連れて行くことにした。

しかし、警察官も彼女と上手く喋れず「なぜ彼女がビスマークにいたのか?」「何をしにやってきたのか?」ということが全く分からなかった。

これは彼女の英語力が乏しかったからと言われており、ここでしっかりと話すことができた場合は問題が起きなかったかもしれない。

原因②「ファーゴ」を信じたトレジャーハンターと思われたため

意思疎通が上手く行えない中で、関係者がしっかりと理解できたのが「ファーゴ」という言葉だった。

彼女はファーゴ周辺の地図を持っており、警察署へ連れて行ったアメリカ人に対しても見せていた。

しかし、彼女に関わった2人は「何を言っているのか?」と思ったはずだろう。

「ファーゴ」というのは地名だけではなく、とある映画のタイトルでもあったのだ。

ブラックコメディ系の映画だが、その中には雪山に大金を隠すシーンがある。

もちろんそのようなシーンはフィクションであるものの、彼らは「このアジア人はファーゴを本当の話だと思い込んでいるのではないか?」と勘違いしたのだ。

後日に遺体が発見された後、米を中心に英語圏のメディアでは「ファーゴを信じた日本人トレジャーハンター」として報道。

いつの間にか、「コニシタカコの自殺」という名称で都市伝説化されてしまったのだ。

原因③目撃者が多すぎるにも関わらず誰も知らない

もう1つ都市伝説化の原因になったものとして、関わった人や目撃者が多いにも関わらず誰もよく把握していないということがある。

上記で紹介した2人はもちろん、自殺現場近くまで連れて行ったタクシー運転手や偶然雪山近くで彼女らしき人を見た目撃者など、関わった人物が何人もいた。

にも関わらず、誰も彼女の目的や行く先を把握しきれていないのだ。

このあたりから見ても、都市伝説らしい雰囲気を感じてしまうのではないだろうか。

原因④季節外れの服装だった

そもそも、事件が起きた時期は雪が降るほど冷え込んだ季節。

本来ならばコートやセーターといった厚手の服を着込むが、彼女はなぜか軽装だったのだ。

これはビスマークにいた頃から同じであり、彼女を見つけたアメリカ人も不思議に思っていた。

寒い季節にも関わらず季節外れの服装というところも、やはり都市伝説としてのエッセンスとしてはぴったりと思われる。

大見出し:なぜコニシタカコは自殺してしまったのか?

現在ではコニシタカコの自殺は明らかにされており、解決した都市伝説として扱われている。

それでは一体なぜ彼女はアメリカで自殺したのだろうか。

失業と恋人との別れが全ての引き金に

彼女が自ら死ぬことを選んだ原因は2つある。

1つは務めていた会社が倒産してしまったことによる失業だ。

これにより、彼女は抑うつ状態になってしまう。

そんな中、もう1つの原因である恋人との別れが起きる。

この2つが重なることで彼女は絶望的になり、自殺を決意したと言われている。

元恋人の生まれ故郷「ファーゴ」

そして彼女はアメリカのある場所で自殺することを決意した。

それが、勘違いを生み出してしまった「ファーゴ」である。

彼女は確かに「ファーゴ」へ行きたかったことは正しかったのだが、映画との関連性は全く無かったのである。

「ファーゴ」は元恋人の生まれ故郷であり、自殺する前夜にはシンガポールで働いている元恋人に電話したことも判明。

その上、両親には遺書と思われる手紙が届いている。

彼女が軽装だった理由も、死ぬと決めていたからこその格好だったのかもしれない。

都市伝説から高評価される映画へ

勘違いによって生まれてしまった「コニシタカコの自殺」は、後にドキュメンタリーや映画のモチーフとなった。

実際にモチーフとして使われた「Kumiko, the Treasure Hunter」は、多くの批評家から高評価された。

菊地凛子が主役であり、今ではバラエティや雑誌で活躍している河北麻友子も出演している。

日本語で見ることもできるため、気になる方はチェックしてみてはいかがだろうか

https://www.youtube.com/watch?v=OIktmSHF2lM

「コニシタカコの自殺」は都市伝説ではなく悲しい事件だった

英語圏で都市伝説と化した「コニシタカコの自殺」は、実は悲しい女性の最期を物語るものであった。

そして、この事件の背景にはそんな彼女を救いきれなかった多くの人が自分の無力さを嘆いていたことも忘れてはならないだろう。

この事件をきっかけに、都市伝説は全て怪しいものではなく中には悲しいものもあるということも覚えてもらえると幸いだ。

 

[amazonjs asin=”4054067387″ locale=”JP” title=”ムー認定 驚異の超常現象”]

参考・出典(アクセス日2019年11月12日)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%82%B7%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%82%B3%E3%81%AE%E8%87%AA%E6%AE%BA

https://en.wikipedia.org/wiki/Kumiko,_the_Treasure_Hunter

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%9F%E3%82%B3-DVD-%E8%8F%8A%E5%9C%B0%E5%87%9B%E5%AD%90/dp/B06WD52Z93

https://isolated-hyakunin-isshu.blogspot.com/2019/07/fargo.html#bibliography

https://www.nicovideo.jp/watch/sm35791802