日本で古くから伝わる怪談話や、海外の都市伝説では「鏡」を使用して霊を呼びだした話やその詳細な実行方法などが伝えられています。海外の都市伝説でも有名な「ブラッディ・マリー」もそのひとつ。
今回は海外の都市伝説で日本でも有名になっている、アメリカの鏡を使った交霊術「ブラッディ・マリー」について考えていきたいと思います。
「ブラッディ・マリー」とはどんな存在?
アメリカでいつのころからささやかれ、現代では都市伝説として有名になってしまった「ブラッディ・マリー(ブラッディ・メアリーとも)」ですが、その正体気になりませんか?
アメリカの都市伝説では鏡を使って呼び出すと現れるのは「血まみれの少女」というのが多いようですが、話が各地に伝言ゲームのように伝わっていくにつれ、その正体は以下のようにさまざまなものがあります。
- 悲惨な死を遂げた女子学生
- 幼い子供を失ってしまった母親
- 自らの手で我が子の命を奪った若い寡婦(かふ)
- 魔女説など
「鏡を使う」・「幼い子供を亡くした母親」という設定は、亡くなった我が子を呼び出す「悪魔の儀式ベビーブルー」に通じるものがあるので、話が広まるにつれ混同されてしまったのかもしれませんね。
亡くなった我が子を呼び戻す儀式「ベビーブルー」については、こちらの記事で解説しているので興味があるのならぜひ一読を!
また実際に1865年にとある屋敷で起こった、黒人奴隷による一家惨殺事件の被害者であるという話や、周辺住民から『魔女』として恐れられていた女性だったり、カクテル「ブラッディ・マリー」と同一視して、その正体はイングランド初の女王であるメアリー1世ではないかという説も。
「ブラッディ・マリー=メアリー1世説」については、こちらの記事にて解説しています。
うわさが流れだした当初、正体はひとつだったのかもしれませんが現代では尾ひれがついてしまい、さまざまな派生パターンが誕生しているので、どれが元ネタと断言することは難しい状況です。
海外の都市伝説で伝えられえいる「ブラッディ・マリー」を呼び出す手順
ブラッディ・マリーを呼び出す儀式はかなり簡単なので、子供や若者がちょっとした度胸試しや肝試し感覚で行うことが多いようです。海外でさまざまな儀式や条件などが存在していますが、一番広く伝えられている条件は名前を呼ぶだけ。
- 鏡の前に真夜中に1人で立つこと
- 鏡の前で3回彼女の名前を唱える
そして長い年月をかけて各地に伝わるにつれ次のような条件や方法がプラスされているものもあります。
- 蝋燭をともす
- その場で3回まわる
- 名前は3回ではなく100回唱える
- 水面に円を描く
- 13本のろうそくに火をともしながら名前を唱えるなど
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基本的には『家の中にある鏡』の前で行う儀式ですが、地域によっては彼女が生前ゆかりのあった土地なら『車のバックミラーでも召喚可能』という説も。ゆかりのあった土地の場合は複数人いる状態でも召喚可能で、「ブラッディ・マリー」のことを話題にするだけでも現れるとも伝えられているんです。
また名前を唱えたあとに、「私はあなたの赤ちゃん(もしくは息子)を殺しました」・「貴方の目には何が映る?」という言葉を唱える、という方法も存在しています。この言葉に関しては、メアリー1世が妊娠し流産していまったことで子供を持てなかったことに由来しているのかもしれません。
ブラッディ・マリーを呼び出した後何が起こるかはランダム仕様!
例え肝試し的な軽い気持ちでも、鏡を使ってブラッディ・マリーを召喚してしまったらどうなると思いますか?
アメリカの都市伝説では彼女の召喚に成功してしまうと、ケガもせず心身無事でいられる確率はかなり低いようです。
- 憑りつかれて死んでしまう
- 殺される
- 引っかかれる
- 気絶する
- 鏡の中の世界に引きずり込まれて戻ってこれない
- 眼球をくりぬかれるなど
この降霊術の結果も地域によってさまざまなものがあるため、確実にどうなるとは断言できないのが何ともはがゆいところ。万が一実験してみようと思うのであれば、完全に自己責任になる点は注意が必要ですよ。
ブラッディ・マリーを呼び出すのになぜ「鏡」が必要なのか?
ブラッディ・マリーやベビーブルーの儀式など、『霊を呼び出すのに鏡を使う』という都市伝説や魔術的儀式は昔から伝えられています。しかしなぜ『鏡』なのか考えたことがありますか?
筆者の個人的な見解ですが、鏡に映るものはすべて『正反対』に映りますよね。これを『人の生と死』に置き換えてみると、こちら側の世界が『生』となり、反対に映る向こう側は人の『死の世界=霊界』となるため、鏡はコチラと霊界をつなぐ扉としての役割を果たしているのでしょう。
そのためあちら側にいるブラッディ・マリーをこちら側に呼び出すために必要なアイテムと考えられますが、諸説さまざまある彼女として現れるのは誰なんでしょうか?
仮に呼び出しに成功しても、呼び出す人や場所によって現れる霊が異なるのであれば、その都度別の霊が現れていると考えることもできますよね。そうなるとその正体のひとつと考えられているイングランドのメアリー1世説が現れることもあるかもしれませんし、さまざまなバージョンが誕生するのも分かるような気がしませんか?
鏡を使った交霊術「ブラッディ・マリー」を呼び出して成功した人はいる?
アメリカから日本へと伝わった都市伝説「ブラッディ・マリー」ですが、実際に儀式をおこなって成功した人はいるのでしょうか?
日本では海外で成功したという話は耳にすることはありませんが、日本のオカルト系YouTuberさんが実際に実験してみた動画がネットにUPされています。
こちらは人気YouTuberのフィッシャーズのメンバーが2014年に実際にブラッディ・マリーの儀式をおこなった様子を撮影したもの。うわさで伝え聞いた方法をおこなってみたものの、特に何も起こらなかったようです。
こちらは2019年にガくぶるッチャンネルさんがおこなったときの様子ですが、こちらも何も起こらなかったよう。
もしかしたら海外の都市伝説の怪人は日本で呼び出すのは無理なのかもしれませんね。
「ブラッディ・マリー」をテーマにしたホラー映画やドラマ
ハリウッド映画や海外ドラマはここ数年ゾンビやヴァンパイアなどホラージャンルの人気が続いていますが、都市伝説を扱っている作品も多く、ブラッディ・マリーを元にした作品もあるのでいくつかご紹介しますね。
ブラッディ・メアリー
都市伝説名がそのままタイトルなので非常にわかりやすいですが、廃病院となっている地下でブラッディ・マリーの名を唱えたことにより、惨劇が起こります。この作品では実際に儀式をおこなった人だけでなく、儀式のことを聞いた人物にまで被害が及ぶのがポイント。
デッド・メアリー 鮮血浴
こちらはブラッディ・マリーを元にした作品で、鏡の前で唱える名前が「デッド・メアリー」で、呼び出すものは霊ではなく魔女という設定です。本物を呼び出してしまったために、次々と登場人物の命がデッド・メアリーに奪われていきますが、魔女・メアリーは自分が殺害した人物に姿を変え次の犠牲者を襲うという特徴があります。
ルール 封印された都市伝説
この作品ではその昔ダンスパーティ中に男子生徒に連れ去られてしまい、行方不明になった女子高生・メアリーの話が都市伝説「ブラッディ・マリー」として伝えられています。
30年後に同じような事件が発したものの被害者は無事に戻るのですが、それから不可解な事件が起こり、30年前の事件の真相が明らかにされていくというストーリー。
SUPERNATURAL (スーパーナチュラル) ファーストシーズン
ホラー・オカルト好きだけでなく、イケメン兄弟が主人公ということで女性にも人気の海外テレビドラマシリーズ。ファーストシーズンの第5話「鏡の中の真実」はブラッディ・マリーを元にしたストーリーとなっています。ふざけて儀式の言葉を唱えてしまったため、家族を失った少女を助けようとイケメン兄弟が奮闘!
この作品ではマリーは悪霊として退治されています。
まとめ
アメリカの都市伝説「ブラッディ・マリー(ブラッディ・メアリー)」は、鏡を使った降霊術のひとつといえるでしょう。日本にもその方法は伝わっているものの、呼び出される霊の正体や姿、そして呼び出した後何が起こるのかについてはさまざまなものがあり、どれが正解かというのを断言するのは難しいです。
実際にブラッディ・マリーの儀式をやってみたという日本のYouTuerさんもいますが、UPされている動画内では特に何も起こらずその後も何か影響があったという話も聞きません。本当に呼び出せるとしても降霊術としての成功率はかなり低いのではないでしょうか。