2月1日の午前中・・・「ミャンマーでアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が拘束された」という速報が飛び込んで来ました。
「は?国家顧問が拘束されるってなに?何が悪いことでもしたの?」と思いますよね。
ミャンマーで一体何が起こっているんでしょうか。
拘束されたのはウィン・ミン大統領やアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相等の幹部
アウン・サン・スー・チーさんと言えば、長期にわたる自宅軟禁の後、ミャンマーの民主化に向けた活動が認められて、今や国家顧問兼外相になったミャンマーの政治家です。
アウン・サン・スー・チーさんに関しては、ロヒンギャ問題などで批判される事も多く、様々な見解がありますが、だからといっていきなり拘束されたというのはびっくりですよね。
2月1日未明に拘束されたのは、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相やウィン・ミン大統領、その他の幹部です。
ミャンマーの与党国民民主連盟(NLD)の広報担当者は1日、アウン・サン・スー・チー国家顧問とNLD幹部が拘束されたことを明らかにした。
中略
NLDの広報担当者はロイターの電話取材に、スー・チー国家顧問、ウィン・ミン大統領、その他幹部が「拘束された」と述べた。
「国民には早まった反応は控え、法に則り行動することを求める」と語り、自分自身も拘束される見込みだと続けた。
これは、普通の私たちがイメージしている逮捕ではなく、ミャンマー国軍が大統領らを拘束したというもの。いわゆるクーデターというわけです。ですから、大統領やアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が何か犯罪をして逮捕状を請求して逮捕された・・・というものではなさそうです。
ミャンマー国家軍は、昨年2020年の選挙で不正があったと主張しており
「国軍トップのミン・アウン・フライン最高司令官に「移譲された」とし、政権を奪取したと発表した。」
つまり、選挙の不正を理由に軍が政権トップを拘束して政権を奪取したと主張しているということ。そして、新政権だと主張しているミャンマー国軍は「非常事態宣言」を出しています。
国営放送は遮断され、電話もつながらない
軍事クーデターが起こったミャンマーですが、首都ネピドーやヤンゴンでは電話やインターネットが遮断されており、国営放送も遮断されているそうです。もしかすると情報が外国に漏れることを恐れているのかもしれません。
国営放送に関しては「技術的な問題」だとはしていますが、このタイミングですから、おそらくミャンマー国軍側の意向があったと考えるのが自然です。
大都市では、兵士が市内に配置されているという情報もあるようで、突然のミャンマー国軍のクーデターにものものしい雰囲気になっているようです。
世界各国は軍のクーデターを認めるのか?
国の政権が変わるということは、対外的な問題も含まれています。いくら「自分達が新政権」だ主張しても、他の国が認めてくれなかったら国家とは言えません。
ミャンマー国軍の政権は果たして認められるのか・・・ですが、アメリカやヨーロッパなどの一部の国ではクーデターで政権が変わった場合には、新政権に対して援助などができないというルールがあります。
また、紛争の解決方法として軍事力を用いることは、現行国際法では禁止されているという見方もできます。今回の要人の拘束でミャンマー国軍がミャンマー国内でどんなことをしたのか、そして、ウィン・ミン大統領やアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が今後、どのような処遇になるのかはまだ解りません。
ですが、今回のような選挙によらない方法での新政権を関係各国が歓迎することは考えにくいと言って良いでしょう。
参考資料:スー・チー拘束でも国際社会がミャンマー政変を「クーデタ」と認めたくない理由