オカルトオンラインでも何度も紹介してきた小惑星の話・・・。恐竜を絶滅させる原因になったのも小惑星の衝突だったと言われています。
「だけど、ちゃんと観測しているんでしょ?」
「いざとなったら爆破すればいいじゃない」
と思っているかもしれませんが、小惑星の衝突は今の私たちの技術では回避が難しい災害のひとつです。
そして、2020年の8月16日。日本ではお盆が過ぎた頃ですが、車サイズの小惑星が地球に接近していたのに、誰も気づいていなかったんです。
結構やばかった?車サイズの小惑星がニアミスしていた
2020年8月16日、地球から3000kmのところを通過したのは「2020QG」という小惑星です。といっても、通過してしまうまで誰もその存在に気づいていませんでした。
地球から3000kmというと、かなりの大接近・・・ソルマノ天文台というイタリアの天文台によると、これまでの小惑星追跡記録に照らし合わせると、これは最も近い距離だったというんです。
宇宙と言えば、NASAですが、NASAは一部の地球近傍天体(地球に衝突する可能性がある小惑星)を観測していますが、当然すべての地球近傍天体を把握しているというわけではありません。
ソルマノ天文台の所長は「我々はそれが来るのを知らなかった」とコメントしています。
接近したのは2020年8月16日で南半球の上空だった
3000kmという大接近をして「2020QG」ですが、接近した日時は昨年の8月16日。日本ではお盆のころですね。
確かに、去年の夏に「接近している小惑星がある」なんてニュースはありませんでした。
南半球の上空を通過したそうで、幅は2~5.5メートルだったそう。
去年の夏と言えば、私たちが、感染症に気をとられているころでした。その間にこっそり地球に接近していたのです。サイズから見て、仮に地球に衝突していたとしても、大気で燃やされさらに小さくなりますから「大きな被害は出なかっただろう」といわれています。
ですが、問題なのはそこではなくて「記録史上最も接近していても気づかなかった」というところ。
観測には穴がある・・・太陽の方向から接近されると解らない?!
「小惑星が衝突するなら迎撃すればいいじゃない」
「アルマゲドンみたいに爆破すればいい」
と簡単に考えてしまうかもしれませんが、あれは映画の話。まず、衝突する可能性がある小惑星を仮に見つけられていたとしても、その小惑星に降りたって爆破するのは技術的におそらくかなり難しいでしょう。そして、迎撃ですが、小惑星は宇宙空間をものすごい勢いで動いています。
その猛烈な勢いの天体のサイズが仮に車サイズより大きい100メートルだったとしても、宇宙空間までミサイルなどを飛ばして、高速移動している天体に衝突させて軌道を変えたり、爆破して粉々にするのは至難の業でしょう。
仮に、数ヶ月前から「ぶつかる」と解っていたとしても、迎撃したり爆破したりするのはかなり厳しいと言われています。まぁ、いわれてみればそうだよなっていう話ではあります。
それでも「やってみれば成功する」可能性はありますが、そもそも、観測できていない天体の方が多いのですから「観測すること」すら難しいというのが今の人類の現実です。
ちなみに2013年にロシアに落下した小惑星は20メートル程度のサイズでした。あまり大きく取り上げられなかったという印象ですが、20メートルの小惑星が衝突したときのエネルギーは500キロトンのTNTに相当するかなりのもの。
小惑星の衝突で6つの都市の建物の窓が割れて多くの人が怪我をしました。
他にも、観測できていなかった小惑星が「ふらりと現れた」ということは過去に何度も起こっています。たまたま、地球に衝突しなかったというだけのこと・・・ちなみに140メートルの小惑星が衝突した場合には、衝突する場所によっては数万人の命が失われる可能性もあります。
そして、140メートルを超える小惑星で地球に接近する可能性がある天体の数は25000個だと推定されていますが、発見できでいるのはその半分だけ・・・。
特に、太陽の方向から接近してきた場合は観測が難しいそうで、2020年に接近した小惑星も太陽の方向から地球に接近してきています。