香港で若者を中心としたデモが起っているというニュース・・・ご存じという方も多いと思います。
雨傘運動のリーダーとされていた、黄之鋒さんや周庭さん、そして、アップルデイリーという報道機関のリーダーも「デモを先導した」という罪で逮捕されました。
香港で若者が政治的な活動をして逮捕された・・・日本ではちょっと考えにくいことですが、現実に起っていることなのです。
周庭さんらに実刑
香港の民主化運動といえば、民主化の女神と呼ばれる周庭(アグネスチョウ)さんが有名ですよね。
TwitterやYouTubeでも活動していますし、彼女は日本語もとてもお上手で、来日されていたこともありました。
日本のアイドルが好きという彼女ですが、香港では民主化運動のリーダー。世界が注目する人物のひとりです。
周庭さんは、2020年8月10日に香港国家安全維持法(国安法)違反で逮捕されました。逮捕されて連行されるときの映像は日本のニュースでも大きく報じられました。
彼女は逮捕されたときのことをこう語っています。
10名以上の警官が同時にドアを叩き、ベルを押し、ロックを壊そうとした。あの日、9人が逮捕された後、次は私かもしれないなと少しは思った。でも、警察が本当に家の前に来た時、私は全く心の準備をできていなくて、パニックになり、震える手で友達に『police』の一文字を送った。それはあの時の私が唯一できることだった
突然、自宅に複数の警察官が訪れていきなり逮捕されたとしたら・・・その恐怖はとんでもないものだったことでしょう。
彼女にかけられた容疑は「外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた罪」で2020年6月30日に施行されたばかりの新しい法律に違反したということで逮捕されたのです。最高で無期懲役もありえる重い罪でした。
禁固10ヶ月の実刑
8月に逮捕され周庭さんは、その後保釈されました。
そして、香港の裁判所は2020年12月2日に周庭さんに禁固10ヶ月、黄之鋒さんに禁錮13月半、林朗彦さんに7ヶ月の実刑を言い渡しました。
3人はすべての罪を認めて収監・・・、舟庭さんは24時間電気がついたままの留置所に収監されているそうです。
なんでデモをしていたの?
ここで不思議に思うのが、そもそもどうして香港の若者はデモをしていたのかということです。
今回、逮捕され有罪となった3人はいずれも20代の若者です。恋愛や勉強、友達と遊ぶことが楽しい時期のはずですよね。
彼らか声を上げたのは「逃亡犯条例改正案の完全撤回」「普通選挙の実現」などの要求を香港政府にするためでした。
そもそも香港は一国二制度という制度が導入されていて、中国本土とはちょっと違う場所。特別行政府として独立が認められてきた場所だったんです。
そこに、中国政府の力が強く反映される法律ができることに若者は反対していたんです。
つまり、自分達の自由が脅かされるかもしれない・・・そういう脅威に立ち向かおうとしたのです。
ですが、結果として香港の民主化運動をしたことで実刑判決が下され、事実上、香港では民主化の声を上げることは不可能になってしまいました。
日本では、例え政権批判をしても、それだけで罪に問われることはありません。
まとめ
香港で民主化運動のリーダーが逮捕され、実刑判決が下りました民主化運動の女神と言われているアグネスチョウさんは禁固10ヶ月の実刑、彼女は24歳のバースデーを塀の中で迎えることになっていまいました。他のメンバーも実刑判決になり収監されています。
若い彼らが自分達の自由や正義を守るためにしていたことはなんだったのでしょうか。