草むらなどによくいるバッタ。
子供の頃に捕まえたことがあるという方も多いのではないでしょうか。よく見る虫のバッタですが、大量発生すると”害”になってしまいます。
トノサマバッタの大量発生で起る様々な被害のことを蝗害(読み方は”こうがい”)といいます。
この蝗害が今、発生しているのをご存じですか?
エチオピアでバッタが大量発生している
エチオピアでも今、バッタが大量発生して被害が出ています。
推定20万ヘクタールの耕地が被害を受けており、このバッタの大量発生の影響で深刻な食料危機が起る可能性があるんです。
「は?バッタの大量発生で食料危機?」
と思うかもしれませんが、バッタはめちゃくちゃよく食べるんです。もちろん、通常の数なら人間の食料がバッタのせいで足りなくなることはまずありません。ですが、大量発生すれば話は別。バッタは田畑を荒らし農産物を食べ尽くしてしまいます。
バッタの大群が食べる量は、1日に3万5千人分の食料に相当するとも言われており、被害は深刻です。バッタは1日で自分の体重と同じ位食べる・・・めちゃくちゃ大食漢なんです。
そのバッタが異常なほどに発生したら・・・作物などはひとたまりもありません。
しかも繫殖速度が速く、約5日おきに50〜100の卵を産んでものすごい勢いで増えていくんだそう。
今回の蝗害は、過去25年で最も深刻と言われており、世界中が新型コロナウイルスで混乱している中で、さらにバッタの被害を受ける国が出ているのです。
バッタの大量発生で85億ドルの被害?!
日本をはじめとする先進国が新型コロナウイルスで混乱状態だった2020年・・・実は、アフリカでクサトビバッタが大量発生し、アフリカからインドへ到達していました。
被害が予想される各国がバッタの駆除に力を入れていたわけですが、すべてのバッタを駆除することは困難です。
バッタの大量発生による被害金額は85億ドルにも登ると世界銀行は試算しており、エチオピアのバッタは年をまたいで国境を越え、ケニアに向かうのではないかと予想されています。
日本での蝗害の歴史は?
バッタの大量発生!
虫が嫌いな人にとっては食料危機だとか経済的な損失がという前に、精神的なダメージを受けそうな自然災害ですが、過去に日本でもトノサマバッタの大量発生で被害が出たことがありました。
北海道や南西諸島などで、蝗害が発生した記録があるそう・・・。
蝗害は、決して人ごとではないのです。
中国ではガチョウでバッタを迎え撃った
新型コロナウイルスのパンデミックの影で大変なことになっている蝗害・・・
アフリカからインド、そして、中国の一部にも侵入したバッタを中国は10万羽のガチョウで迎え撃ったんだとか。
数には数で対抗するというわかりやすい作戦でしたが、この作戦がどうなったのか・・・そもそも実行されたのかは解っていません。
ガチョウが効果があるのかは不明ですが、大量発生したバッタを放置すれば、さらに数が増えて被害が拡大する可能性大です。
まとめ
新型コロナウイルスのパンデミックの影で、アフリカで大量発生したバッタで食料危機に陥っている国があります。
国境など気にもしない大食漢のバッタの大群は、今、エチオピアで大きな被害を出しており、作物をはじめとする植物を食べ尽くしているそうです。
新型コロナウイルスでダメージを受けた上に、バッタの大量発生で食料危機・・・。日本ではあまり報道されていませんが、深刻な事態に陥っている国もあるのです。
ちなみに、中国に侵入したバッタをの数は4000億匹とも言われています。
草むらでぴょんぴょんしているあののどかなバッタではなく、バッタが襲来したら太陽光が遮られて薄暗くなるレベルの大群だったのです。
参考資料