日本では様々な映画が公開されており、近年ではバットマンの永遠のライバルを扱った「ジョーカー」が話題となっています。
そんな映画業界には数々の興味深い話がありますが、今回はその中から「アラン・スミシー」について紹介します。
この話は映画好きの中では非常に有名であるため、知っている人もいるかもしれません。

[amazonjs asin="B07JK3XKWG" locale="JP" title="スケッチ ホアキン・フェニックス ジョーカー"]

アメリカで活躍した謎の映画監督

1969年、アメリカで「ガンファイターの最後」という映画が公開され、批評家から評判されました。
その映画を撮影した監督はアラン・スミシー。
当時の批評家は本当にいる人物だと思っており、ニューヨーク・タイムズでもアラン・スミシーを絶賛するコメントを書いていました。
その後、「ハリー奪還」や「ハートに火をつけて」、「ヘルレイザー4」などの映画を制作。
着々と映画界に名を残す監督として成長していきました。

[amazonjs asin="B0081WAAXQ" locale="JP" title="映画パンフレット 「ハリー奪還」 監督アラン・スミジー 出演ゲイリー・ビジー"]

2000年に消えたアラン・スミシー

しかし、人気が高まるにつれて映画好きからは「存在しない人物ではないか?」という声が挙がってきました。
彼が撮影した映画はどれもトラブルが起きており、多くの映画好きは「トラブルが起きたときの責任逃れとしてとしての偽名ではないか?」と考えるように。
実際にアラン・スミシーを題材にした映画も制作されており、その結果「美しき家政婦 ウーマン・ウォンテッド」を最後に使われなくなりました。
また、アラン・スミシーという名義に関する裁判が起きてしまったことも使われなくなったきっかけとされています。

顔のない映画監督が生まれた理由

そもそも、なぜアラン・スミシーという顔のない映画監督がうまれたのでしょうか。
「ガンファイターの最後」という映画では主演と映画監督の意見が対立してしまい、撮影途中で映画監督が交代。
完成後、どちらの映画監督も責任を背負いたくなかったために、アラン・スミシーという偽名を使うことになりました。
いつの間にか映画だけではなく、本やドラマにまで使われるようになってしまいました。

偽名の由来は協会と製作者の話し合いから

アラン・スミシーという名前は、全米監督協会と製作者の話し合いによって決められました。
製作者はアル・スミスという偽名を提案したものの、実際に同じ名前の監督がいるという理由で協会が却下。
一方で協会が提案したアレン・スミスは、ありがちな名前だったが故に、今後現れる監督と名前が被る恐れがあるとしてボツに。
最終的に、ありそうでなさそうな名前であるアラン・スミシーになりました。
変に目立ちにくい名前だったため、当初は予想通り批評家やニューヨーク・タイムズを騙すことに成功。
製作者は思惑通り責任を背負わずに済んだのです。

トラブルを背負い続けた偽名が消えた今

アラン・スミシーが消えた2000年以降、映画ではアラン・スミシー以外の異なる偽名が使われるようになりました。
また、この偽名は日本のアニメに影響を及ぼしており、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」や「この素晴らしい世界に祝福を!」、「ジョーカー・ゲーム」などの様々なアニメでアラン・スミシーと思わせるような人名が登場しています。
また、2015年に日本で公開された「イニシエーション・ラブ」ではメインキャストをわざと隠す目的で名前に似た人名を使っています。

[amazonjs asin="B00XTSVNSS" locale="JP" title="ジョーカー・ゲーム(DVD 通常版)"]

アラン・スミシーが撮影した映画は駄作も?

トラブルを背負い続けたアラン・スミシーの映画には、駄作と呼ばれるものがいくつかあります。

映画史における最低の映画「アラン・スミシー・フィルム」(1997年)
「アラン・スミシー・フィルム」は、題名通りアラン・スミシーを主題とした映画。
シルヴェスター・スタローンやジャッキー・チェン、ウーピー・ゴールドバーグなどの大物が出演しているのですが、アメリカの映画史に残る最低の作品と評されています。
結果として、最低の映画に遅れるゴールデンラズベリー賞を5部門受賞。
1990年代における最低の映画という嫌な名誉を与えられてしまいました。

良作か駄作か「デューン/砂の惑星」(1984)

「デューン/砂の惑星」は、デヴィット・リンチが監督を務めたことで話題になった映画。
SF作品であり、1994年にTV版で再編集されたときにトラブルが起きてしまったため、アラン・スミシーが使われています。
この映画は、人によって評価が分かれやすく、良作と言う人もいれば、駄作と言う人もいます。

また、この映画は「エル・トポ」や「ホーリーマウンテン」といった独特な映画を生み出してきたアレハンドロ・ホドロフスキーが作れなかった映画としての一面も。
ただ、ホドロフスキー自身は「デューン/砂の惑星」に対して「あまりのひどさにうれしくなった」という発言をしています。

[amazonjs asin="B00VDUSWBA" locale="JP" title="デューン/砂の惑星 日本公開30周年記念特別版 Blu-ray BOX"]

好きな映画の監督は偽名かも?

今回は、顔のない映画監督「アラン・スミシー」について紹介しました。
現在では使われていない偽名ですが、映画やアニメ業界において強く影響を及ぼしています。

現在ではそれぞれ異なる偽名が使われているため、もしかしたらあなたの好きな映画の監督が偽名である可能性もありますよ。

参考・出典

https://twitter.com/roger_demarco/status/1170573439511359489

https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/entertainment-news/matome/a757/alan-smithee/

https://eiga.com/news/20170211/8/

https://ja.wikipedia.org/wiki/アラン・スミシー・フィルム

https://ja.wikipedia.org/wiki/アラン・スミシー