私たちが生きていく上で、楽しく充実した日々を送るためのひとつの要素として大切な家族や友人の存在がりあります。

ですが、大切な人がたくさんいればいるほど、避けては通れないのがその大切な人の死です。

自分にとって大切な家族や友人、恋人が自分より先に亡くなってしまったら…死は誰にでも必ず訪れるものだと解っていてもつらく悲しいものです。

そんな死にまつわるゾッとする習慣をご紹介します。

公開日:2019年9月30日 更新日:2020年1月14日

サティってなに?

サティとは、ヒンドゥー教の信仰されている社会で行われている葬儀の慣行です。

Sati, सतीは日本語で訳されるときは「寡婦焚死」や「寡婦殉死」と表現されるそうです。

この漢字をみて「げ…」「嫌な予感がする」と思った方!

多分正解です。

サティとは、夫が妻より先に亡くなったときに、妻が夫の遺体とともに焼身自殺をするという習慣です。

サティはヒンドゥー教を信仰するインド等で18世紀ごろまで本当に行われていました。

17世紀にインドを支配していたムガル帝国の権力者達はこのサティを「野蛮」だと言ってたそうですが、それでも禁止にはしませんでした。つまりその位、定着していた文化だということです。

もちろん、すべてのヒンドゥー教を信仰する土地で行われていたわけではなく、中には説得されてサティを思いとどまる女性もいたそうです。

ですが、中にはサティをするように説得されることもあったといわれています。

サティを望む女性は、夫の遺体とともに生きたまま焼かれるわけですが、ほとんどの女性はみずから炎の中に身を投じたとされています。

ですが、それでも火を見ると怖いと思うのが本能というもの…中には怖くなって逃げ出す女性もいたそうですが、周りを取り囲んでいるカースト上位の男性達に棒を使って火の中に押し戻された・・・とか。もし、運よく逃げきれてもあたりを捜索されてそのあとは、見世物としてサティを見ていた人たちにつかまってしまったともいわれています・・・。

どんなに仲が良い夫婦だったとしても、まだ生きているのに遺体と一緒に火で焼かれるなんて・・・考えただけでも怖すぎます。

中には10代でサティの儀式のために焼かれた少女もいたと言われています。

当時の感覚では夫をなくした妻は、サティで焼かれることが「ヒンドゥー教徒としてよいこと」という慣習があったのでしょう。

日本にも似たような習慣があって、埴輪の記事でもご紹介した殉死がありますが、いずれにしても恐ろしい儀式です。

サティは強制ではなかった…とも言われていますが、サティをしない女性はそのあと、誰からも相手にされることなく生涯を終えたそうです。

サティは今も残っている?

夫の遺体と一緒に妻を生きたまま燃やすというなんとも恐ろしいサティですが、20世紀に入ってからはほとんど行われていません。

今では法律で禁止されているサティですが、実は今から30年ほど前に「サティ復活?」と言われる事件が起こりました。

1987年9月のことです。当時18才の女性が病気で亡くなってしまった夫の遺体とともに焼かれたというのです。

そして、この女性は死後「女神」として崇拝されています

この女性は、当時は「自ら望んだ」とされていたわけですが、実際はたくさんの人が見守る中、大量に薬を飲まされていたそうです。

まわりを竹を持った男性が取り囲み、叫び声をかき消すために、打楽器まで持ち出されていました。

この少女は、何度も叫び声を上げ火から逃げようとしたそうですが、押し戻されてとうとう、火の中で息絶えてしまいます。この女性の夫は高校教師だったそうです。

今からほんの30年前…もしこの女性が生きていたらまだ32才だったはずです。

ちなみにこの夫との結婚生活は数か月だったそうです。

そして、この女性の死に対してあるヒンドゥー教の女性は「未亡人として生きていくより死んだ方が良かった」という趣旨のコメントをしたのです。

サティをしないとどうなった?

すべてのサティが強制されたわけではなかったこと、そして、周囲の説得でサティをやめた女性がいたことも事実です。

ですが、サティをしない女性は未亡人として軽蔑されながら質素な生活を送るほか選択肢が残されていませんでした。身分が低い未亡人は、サティをしなければ髪を全て反られて一生、奴隷のような生活を強いられることもあったそうです。

ヒンドゥー教では未亡人や貞操でない女性は軽蔑されて忌み嫌われる存在でもありました。

火で焼かれる地獄か、軽蔑されて奴隷のような生活を送る地獄か…どちらを選んでも地獄だったのわけです。

みじめな生活を送るくらいならいっそ焼かれしまおうと考えて自ら、夫の遺体とともに巻きの上に座った女性の心境はどのようなものであったのでしょうか。

ヒンドゥー教のサティに関するまとめ

ヒンドゥー教の慣習として行われていた殉死の儀式、サティ…。

夫の死を悲しんで自ら火の中に…と書くと聞こえだけはいいかもしれません。ですが、その実態は実に恐ろしいものでした。

今では禁止されているサティですが、ほんの30年前にはサティの儀式で18才の女性が大勢の人の前で生きたまま燃やされるという事件が起こりました。

文化や習慣は時代とともに変わるものですが、このサティは時代の違いを考慮したとしても恐ろしすぎる儀式です。

サティで夫の遺体とともに生きたまま焼かれこの世を去った女性たちが、せめて天国で幸せでいること願うばかりです

殉死という文化

今回はヒンドゥー教についての殉死を紹介してきましたが、過去には日本を含めた世界各国でも権力者などが亡くなった際には殉死させられるという文化が数多くありました。

捕虜や罪人を使ったものも多かったようですが、近親者が殉死をするという文化も存在していたと言われています。

サティもそんな近親者を悼む文化ではあったのでしょうが、インド特有のカースト制度などが相まって歪んでしまったのかも知れません。

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