マイクロソフトが”死者と会話できる”システムを開発した?

「亡くなった人と話をしたい」と思ったことはありますか?

亡くなった家族や友人、そして、歴史上の人物と会話したい。聴きたいことがある…そんな人は少なくないと思います。

死者と会話できる…といえば、イタコや霊能力者をイメージしますが、どちらも特殊な能力者ですから一般の人にはそれはできません。

それがもし可能になるとしたら…

マイクロソフトが開発した死者とコミュニケーションができるチャットボイスシステムをご存知でしょうか?

マイクロソフトが特許を取得したチャットボイスシステム

マイクロソフトが開発したチャットボイスシステムは、死者と酷似したAIと会話するというもの。亡くなった人と交信するわけではありません。

死者との会話やいわゆる天国との交信は叶いませんが、死者とそっくりのAIとの会話ならそれができるというわけです。

2017年にMicrosoftのダスティン・アブラムソン氏らによって開発・申請された新しいチャットボットシステムが2020年1月に特許を取得しました。

公開された情報によると、新しいチャットボットは特定の人物の情報を使用して、その人に成り代わってコミュニケーションをとることができます。

引用:死者とコミュニケーションできるシステムをマイクロソフト社が開発、特許を取得 – ナゾロジー

死者との会話という極めてスピリチュアルなお話しから、なんだか一気にデジタルで現実的な世界に引き戻されたような気がしてしまいますが、本人とAIが近いほど「会話したような気持ち」になれるシステムといえるでしょう。

本人ではなく別の存在ではありますが、AIに本人のデータや情報を組み込んで作られるのであれば疑似体験としてはかなり高度なものになるはず。

少なくとも「夢でも良いから会いたい」という夢の世界での再会よりはぐっと現実的になります。

霊能力などのスピリチュアルなものを、あまり信じられない人でも本人そっくりのAIなら「アリ」と考えることだってできます。

本人そっくりのAIとの会話は虚しいだけ?

なーんだ、本人じゃなくてそっくりのAIか…。

と残念に思う方も当然いらっしゃるはず。確かに亡くなった家族や友人、歴史上の人物と本当に会話ができるなら、理想的でしょう。

では、会話の相手がAIであれば、それは虚しいだけだと思いますか?

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もちろん、いろんな考え方があるとは思いますが、AIに特定の人物のデータを大量に記憶させた上で会話を繰り返せば、そのAIは亡くなった「話をしたい人」の代わりにたくさんの新しい情報をどんどん取り込んで学習していく…。

つまり、人の命はいつかみんな消えてしまいますが、AIであればデータとして何かを残していけるかもしれないのです。

生死とAIのようなデジタルな技術はどうしても正反対で相反するモノのようにも思えますが、実際はそうでもない。

不老不死は叶わなくてもAIという形でのデジタルな半永久なら、人類はいつか手に入れることができるのかもしれません。

これが、死に方としての個人の価値観と合致するのかという問題は残りますが、残された人のカウンセリング的なものとしても意義がありそうです。

死者とのチャットはデジタル版イタコ?

死者と会話ができるシステムは、AIに頼っているわけですから実際には本人ではありませんし、死者の霊や魂と会話ができるわけではありません。

もちろん、本人との会話ができればそれが一番ですが、それはかなわない。ただ、本人そっくりのAIであれば作ることは可能。いわばデジタル版のイタコのようなものといってもいいかもしれません。

スピリチュアルな世界では、死者と会話は特殊能力が要求されますがAIとのチャットなら誰でもできるというのもひとつの利点といえるでしょう。