時々「市街地にヒグマがでた!」とか「ヒグマに人がおそわれた」というニュースを耳にすることがあります。こんなハイテクでデジタルな世の中で「ヒグマって…」そう思っていませんか?

どんなに科学技術が進歩しても、ハイテクなシステムが開発されても…人間は素手でヒグマには叶いません。山に慣れた人はヒグマを見ると場合によっては下山も考えるそうです。それはヒグマにはある恐ろしい習性があるからなんです。人間を襲うヒグマの恐ろしい習性と、ヒグマの被害にあった開拓民のお話をご紹介します。

ヒグマは北海道に生息する大きな野生動物

ヒグマは世界中に生息する大型のクマで、日本では北海道に生息しています。雄の場合、体調が3メートルを越すこともある大きな動物で、栄養状態などによって大きさにかなり個体差が生じます。ヒグマといえば、よく川に入って鮭をとって食べている…ほのぼのとした光景を想像する方も多いでしょう。

ヒグマは雑食ですが、肉食よりの雑食!だから鮭も食べるし動物を捕食することもあります。

大きな身体ですが、身体能力がとても高く足が早いのも特徴です。走ると時速50キロ以上のスピードを出せますし、鋭い牙と爪を持っていて、人間が素手でかなうことはまずないといっていい危険な生き物です。

参考資料
NationalGeographic. “Brown Bear”

「腹を破かないでくれ!」開拓民の村をヒグマが襲った…三毛別村のヒグマ事件

大正4年の冬、北海道の三毛別という開拓民の村をヒグマが襲いました。

12月9日の朝、三毛別村の太田家で事件が起こります。この日、力仕事のために男立場出払っており家にいたのは6才の幹男と妻のマユでした。そこを冬眠する穴を見つけられずさまよっていた大きなヒグマが襲います。ヒグマも通常は冬眠するそうですが、身体が大きくては冬眠する穴を見つけられなかった「穴持たず」と呼ばれるヒグマが時にいるのです。そして穴持たずは食べ物への執着心が強く凶暴で危険…。

そんな穴持たずの巨大ヒグマは、6才の幹男とマユを襲います。幹男は頭から血を流した状態で家の中で息耐えていたそうですが、マユは抵抗した後だけを残して消えてしまいます。そして雪には赤い血の後が残り…その後、雪の中からマユの遺体の一部が見つかることになります。

マユの遺体は持ち帰られて葬儀が執り行われるのですが、ヒグマは再度この家を襲い、棺の中のマユの遺体を取り返すために家に侵入してきました。

悲劇はこれだけでは終わらず、同じ村の明景の家もヒグマに襲われます。ヒグマに襲われたとき明景家には子供や女性、妊婦が避難していました。このとき、ヒグマに襲われたタケは妊娠しており、ヒグマに襲われたときに「腹を破らないでくれ」「のどを食って殺して」と叫んだそう。ですが、ヒグマはタケを上半身から食べていきます。ヒグマに襲われたタケのお腹の子は引きずり出されていたそうで…助けがきたときにはまだ動いていたのですが、その後、なくなってしまいます。

こうしてヒグマは三毛別村で計8名を殺害するに至ったのです。このヒグマはこのあと、マタギによって射殺されることとなります。

参考資料
慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件 (文春文庫)
「マユ。マユはどこだ!」8人の死者を出したヒグマによる惨劇「三毛別事件」の幕明け

ヒグマの恐ろしい習性

三毛別村の事件から解ること…お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はヒグマにはある習性があるんです。その習性は「エサに対する執着」そして「同じ性別を選んで襲う」というものです。

最初に襲われてしまった女性のマユの遺体を、ヒグマは自分の食糧として雪の中に隠していました。そしてそれを捜索に来た人間が見つけて持ち帰った…その時、ヒグマは「自分の食糧を盗られた」と思ったことでしょう。そして、その自分の食糧を取り返すために再度、眉の自宅の大田家を襲ったのです。

マユの家族や村人が、亡骸を持ち帰って通夜をし埋葬しようとしたことは、同じ人間としては理解できる感情ですが、食べ物への執着心が強いヒグマにとっては許せない事だったのでしょう。

そして、ヒグマのもうひとつの習性…ちょっと考えてみてください。最初に食べられたのはマユそして、明景家で襲われて食べられたのは女性のタケでした。つまり、このヒグマは女性ばかりを食べているんです。男性は襲われはするものの、食べられることはなかったそうで…このことからヒグマは、最初に女性を食べると女性ばかり、男性を食べると男性ばかり襲うとも言われています。

他にも、ヒグマは火を怖がらないとか、走って逃げるものを追いかける習性もあるそうです。

参考資料
木村盛武 『ヒグマ そこが知りたい』 共同文化社

まとめ

大正時代の北海道の開拓民の村を襲ったヒグマ…穴持たずという危険なヒグマは計8名もの尊い命を奪い、そして、その後、ヒグマも射殺されました。今でも、ヒグマは北海道に生息しています。

 

慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件 (文春文庫)

ライター
Miiko  福岡県在住フリーライター
https://twitter.com/wakaba_2501