【現実】メジャーな妖怪の実態

我々日本人は、昔から今に至るまで「妖怪」というものに触れてきた。

本やゲーム、テレビ等のメディアで腹巻を巻いたで赤い化け猫だとか、ちゃんちゃんこを着た少年や、「あかなめ」「河童(かっぱ)」「一反木綿(いったんもめん)」「砂かけばばあ」「ぬりかべ」等を初めとした様々な妖怪に触れ、親しんできた。

今回は、そんな妖怪達の中でもメジャーだと思われる妖怪3名をピックアップし、その妖怪の容姿や行動の実態、その妖怪に関する様々な仮説を一緒に見ていきたいと思う。

是非この3名の妖怪について改めて知ったり、自分の妖怪に対する自分のイメージと実態とのギャップを楽しんだりしながら読んでいただきたい。

「河童(かっぱ)」の実態

基本的には子供のような体躯緑色の体をしており、頭頂部にのような物、背中に甲羅、口には小さな嘴(くちばし)を持つ。爬虫類のような姿をした水辺に住む妖怪だ。しかし意外なことに、中にはまるで毛むくじゃらの猿のような河童も存在するという。

そして、何故かは分かっていないがきゅうりを好んで食べる。

これに関しては「河童は元々水の神で、きゅうりは人間によるお供え物だから」「水分補給にちょうどいいから」「人間の味に似ているから」等の仮説があるが、実際に何故なのかは分かっていない。

基本的に川や沼に生息しているが、稀にに住んでいる河童も存在する。海水に浸かっても大丈夫なのだろうか。

 

行動に関しては様々なものがあり……

  • 食べ物を分けてくれた人間に魚を送った
  • 人間の仕事を手伝った
  • 自分の住処を綺麗にしてくれた人間にお礼として怪力を授けた

等の人間と共存する心温まるエピソードもあれば……

  • 水辺に通りかかる人間を襲撃し、させてしまう
  • 人間と相撲をとり、負かせた相手の尻子玉を抜き取り殺してしまう

といった恐ろしい凶暴な妖怪である一面も存在する。

どうやら「河童」と一口に言っても、人間と共存できるいい河童人間に仇なす悪い河童も存在するようだ。これらを見るに河童という妖怪は、いい面も悪い面もある、極めて人間くさい妖怪であると言えるだろう。

河童については、コチラの記事でその正体を考察している。実は水死体だという説があるのだ。

出典・引用元:Wikipedia

「砂かけ婆」の実態

森の中等の人通りの少ない道を歩いている人間に、名前の通りを被せて驚かせる妖怪。

判明している生態はこれだけである

そして、この妖怪には一つかなりおかしな所がある。なんとこの妖怪、誰も姿を見たことも、声を聞いたこともないのだ

「何がおかしいんだ?」と思われるかもしれないが、考えてみて欲しい。この妖怪の行動は「砂をかける」のみ。

それなのに何故人間の姿をしていると、「婆」とされているのだろうか

まぁ姿だけであれば人間の想像によって補完されることはそう珍しくないが、この妖怪に関しては名前まで「婆」と言い切っている。生態に老婆の姿をしていると考えられる要因がある訳でもないのに何故そこまで婆であると言い切り、強調しているのだろうか。

砂かけ婆の正体についての説は……

  • 実は婆などではなく、森にいた小動物が体に付着した砂を振り払っていた所に偶然人間が遭遇していた
  • 砂かけ婆が伝承されている奈良県で行われる雨乞いのために砂を雨に見立てたててかけあう『砂かけ祭り』が何らかの形で砂かけ婆の伝承に繋がった

などが挙げられるが、残念だがこれに関しての真実は全くの謎である。

様々な謎に包まれた妖怪、砂かけ婆。何故「砂かけ婆」と呼ばれているのだろうか、いつか彼女(かどうかも分からないが)の正体が暴かれる日が来るのだろうか。正体が隠れている、或いは隠されているこの妖怪こそ、まさに「オカルト」を体現している妖怪なのかもしれない。

出典・引用元:Wikipedia

「一反木綿」の実態

鹿児島で伝わっている妖怪で、体はひらひらと薄く全長は一反(縦10m、横34cm程)と細長く、いつも空をふわふわと舞っており、なんだか白い布がそのまま化けて出たような妖怪。基本的に夕方頃に活動を始めるようだ。

『ゲゲゲの鬼太郎』では鬼太郎をサポートする味方として登場し、なんと全キャラの中でも1位、2位を争うレベルの人気を持つキャラになっている。こちらで一反木綿という妖怪を知った人は多いのではないだろうか。

この記事を読んでくださっている方もこの妖怪に対して鬼や天狗等の妖怪のような厳格さ、恐ろしさのようなものはあまり感じていないかもしれないが、実はこの妖怪、かなり恐ろしい生態を持っているのだ。

この妖怪、なんと人を襲う。

しかもその手法は、「空から長い体で首を絞めて窒息死させる」という極めて残酷で恐ろしいものだ。

空から長い体を利用して殺しにかかってくるのだから、かなり厄介な妖怪だと言えるだろう。 夕方外を歩いているだけで空からこんな妖怪が襲いかかってきたらと考えると、たまったものでは無い。

そしてこの恐ろしい生態を利用したのか、この妖怪が出るとされている鹿児島県の町では、遅い時間まで外で遊び回る子供たちを安全のために「早く帰らないと一反木綿が出るよ」と脅し、帰宅を促す風習まであるのだ。

「夕方頃に出没する」という生態も、大人が子供を怖がらせるための創作だと考えられる。そして当の子供たちも一反木綿をかなり恐れていたようだ。

一般的には無害、むしろ有益な存在とされている妖怪が、実際に伝承されている土地では凶暴な怪物として恐れられているのだから面白い。

そしてこの妖怪の正体なのだが、「風に吹かれて飛んでいった布を人々が道の生き物だと勘違いした」という説がある。いやなんとも滑稽な話だ。

と言うのも、一反木綿が伝承されている鹿児島の町の葬儀に「土葬をした後、白い木綿の旗を立てる」という風習があったり、鹿児島に限らず神社にはおよそ長さ一反ほどののぼり旗が立ててあることもあるので、この説は十分有力であると言える。

他にも「未確認生物説」等も存在するので、是非気になった方は「一反木綿 正体」と言った風に検索してみてほしい。

出典・引用元:Wikipedia

まとめ

いかがだっただろうか。 

メジャーな妖怪を改めて再認識したり、一般的なイメージと実態のギャップを楽しんだりして頂けたならとても嬉しい。

しかし実態と言っても、そもそも妖怪とはその性質上曖昧な存在で、真偽がはっきりしていない事柄が多い。読んで全てがスッキリと納得できる記事はどうしても作れないが、是非読んでくださった方々には、この記事で紹介した妖怪の正体や不明な点について考察し、自分なりの回答を出してみて欲しい。

他にも日本の妖怪のルーツについては、コチラの記事で解説しているので、興味のある方は是非見ていただきたい。

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