【日本のポンペイ】浅間山が過去にやらかした天明大噴火の規模がものすごかった

浅間山といえば、活火山として有名ですよね。今でも火山活動が活発なランクAの活火山です。日本百名山のひとつに数えられる美しい山としても有名で、周辺には観光スポットもあります。

浅間山といえば、観光や火山、そして、中にはあさま山荘事件をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。

国内でもかなり有名な山といっていい浅間山ですが、今から147年前の1873年にとんでもない大噴火を起こして”日本のポンペイ”と呼ばれていることをご存じですか?

浅間山の高さと位置は?

浅間山は、長野県北佐久郡軽井沢町と御代田町、そして、群馬県吾妻郡嬬恋村の境目にそびえる活火山で、標高は2,568m。火山活動で形成されるカルデラも有しています。

非常に火山活動が活発で、最近では2019年8月7日に小規模な噴火が確認されました。

現在も活発な火山活動を続けている浅間山ですが、江戸時代にはとんでもない大噴火を起こして大変な被害を出しています。

浅間山周辺が日本のポンペイと呼ばれる原因を作った大噴火でした。

1873年の天明大噴火の泥流は太平洋に達した?!

活発な火山活動が観測されている浅間山ですが、周辺は観光スポットになっており、溶岩がつくった奇妙な光景が広がる鬼押し出し園など、火山活動が作った風景を楽しむこともできます。

CGのような不思議な鬼押出し園の光景を作ったのが、天明大噴火です。

天明大噴火の泥流は太平洋に到達した

鬼押し出し溶岩を作った天明大噴火は、1783年5月9日~8月5日の約90日間にわたるものでした。

7月末からの噴火が特にすさまじく、周辺の住民に大きな被害をもたらすことになります。

特に、山の北側の斜面で発生した火砕流の被害が大きく当時の鎌原村(現在は嬬恋村)では火砕流で村民477名の命が失われました。この人数は、住民の8割・・・。そして、その後、土石流が流れ下り、利根川の流域でも洪水を起こしながら太平洋へと向かいます。そして、とうとう泥流は200キロ以上流れて、太平洋に到達したのです。

この大噴火では、200キロ離れた江戸・・・現在の東京でも降灰がが確認されるなど、噴火の規模がものすごかったことが記録されています。

日本のポンペイ”鎌原観音堂”

浅間山とその周辺の地域は、火山の噴火で被害を受けた歴史があることから“日本のポンペイ”と呼ばれることがあります。ポンペイはイタリアにある都市で、ヴェスビオ火山の噴火で一夜にして都市が埋め尽くされてしまったことで有名です。

日本のポンペイと呼ばれる場所が、群馬県嬬恋村にある鎌原観音堂。ここは高台に作られたお堂です。

天明大噴火で火砕流に襲われたこの地区・・・ですが、観音堂の階段を上り切った者だけが命を落とさずに済んだのです。今は、15段ほどの階段ですが、もともとは60段の階段があるお堂でした。

つまり、45段分は天明大噴火で埋め尽くされてしまったんです。そして、お堂の階段を調査したところ、逃げ遅れて泥流に埋め尽くされてしまった女性の遺体が発見されたそうです。

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現在の嬬恋村は、キャベツなどの葉物野菜の生産地としとても有名ですし、素晴らしい景色を楽しむことがてできる観光スポットでもあります。

ですが、その土の下には天明大噴火で埋め尽くされてしまった、以前の嬬恋村が眠っています。

まとめ

日本百名山に数えられる浅間山とその周辺の地域は、浅間山が作り出した壮大な風景が広がる自然豊かな観光地です。

その一方で、浅間山は活発な火山活動が続くランクAの活火山でもあり、今でも火山活動が継続しています。

今から147年前に起こった天明大噴火では、火砕流や土石流が発生し周辺の地域に甚大な被害を与えました。鬼押し出し溶岩もこの噴火で形成されたものです。

現在の群馬県嬬恋村では、村民の8割に当たる住民が命を落とし、鎌原観音堂60段の階段を上り切った者だけが助かりました。このお堂階段は今は15段・・・。つまり45段分は埋め尽くされてしまったのです。今でも、土の中で以前の嬬恋村が眠っている・・・この地域は日本のポンペイとも呼ばれています。

今は、穏やかな景色が広がる浅間山の周辺ですが、ほんの147年前にものすごい大噴火を起こしました。

参考資料:浅間山のプロフィール : 江戸期の大噴火、火砕泥流は利根川を下り太平洋へ

信州 STYLE 鎌原観音堂

Wikipedia 浅間山

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