人が動物に育てられる・・・。アニメで似たような設定はありましたが、現実にそんなことが起こると思いますか?
実は1920年にインドで「オオカミに育てられた少女」が発見されたというニュースがありました。本当にオオカミに育てられたのか・・・それとも事実は違うところにあったのでしょうか。
オオカミに育てられた少女がいる・・・今の西ベンガル州ミドナプールに位置するインドのキリスト教伝道師のシングはそう主張しました。
発見された少女は2人、アマラとカマラでした。
シングは自らが保護した二人の少女を「オオカミに育てられた少女」と主張し、オオカミから育てられた野生の少女だ!と話題になりました。
死んだ動物の肉を食べる・・・四つ足で走る・・・。人もオオカミに育てられるとこうなるのか・・・と衝撃を受けた人多かったようです。もちろん、言葉は話せません。
オオカミに育てられた少女・・・四つ足で走るとか死んだ動物の肉を食べると言われたら「そんなこともあるのか」と信じてしまいそうになりますが、これ、事実はかなりちがっているとも言われています。
まず、冷静に考えてオオカミが子供を育てることなどありえないでしょう。オオカミは野生動物。もし、無防備な人間の赤子がいたら、捕食してしまうか、警戒して近づかないかのどちらかでしょう。
アマラとカマラを保護したキリスト教伝道師のシングは「2人はオオカミに育てられた」と主張はしたものの、アマラとカマラがそう言ったわけではありませんし、人とオオカミの生態を考えたときに「オオカミが人を育てるのは困難」だと研究者に位置づけています。
多かったようです。に育てられた少女!と話題の人になったアマラとカマラは、オオカミに育てられたわけではなく自閉症などの障害を持っていたか、もしくは精神病を患っていたのではないかと言われています。
つまり、2人を保護したキリスト教伝道師のシングの話しは事実とは異なるだろうという見方がされています。
シングが何かの理由があって嘘を言ったのか、それともそう信じてしまっていたのかは解りませんが、アマラとカマラがオオカミに育てられたという事実はないと考えるのが自然です。
仮にオオカミが人の子を育てようとしたところで自然の中で無事に成長するのは難しいでしょう。
オオカミに育てられたというのは、事実ではないとしてもアマラとカマラという少女が保護されたのは事実です。
アマラは、保護された翌年の1921年に腎臓病で息を引き取りました。2人とも病気だったのですが、カマラは回復し、その後、二足歩行の訓練を受け、簡単な言葉も話すようになったそうです。
ですが、1928年に体調が悪化・・・尿毒症でそのまま帰らぬ人となりました。
アマラとカマラがオオカミに育てられたと主張したのは、シングのみ・・・。実は生肉を食べいるところを見た人は誰もいないのです。
オオカミの母乳に成分を人は分解できないこと、そして、サンタル族という部族がアマラとカマラを保護してシングに預けたという証言も飛び出しました。つまり、仮にどんなに心優しい乳母オオカミがいたとしても、人の子を育てあげることはできないのです。
実際にアマラとカマラを診察した医師も、シングが主張していた鋭い歯などは見受けられなかったといいます。
どうしてシングがこんなに無理がある嘘をついてしまったのか・・・それは、金銭が目的だったのではないかとも言われています。世界的に話題になったオオカミに育てられた少女・・・。
言われた通りにするようにと指示を出して写真を撮影していたという話しもあって、やはり、お金が目的の盛大な嘘だった可能性が高いんです。
1920年に保護された二人の少女アマラとカマラは、オオカミに育てられた少女だと言われ世界中の注目を浴びました。
ですが、この証言は2人を保護したシングによるもので、現実的にオオカミが人を育てるのは生態上ほぼ不可能であること、そして、シングの証言に矛盾があることなどから「お金が目的のでっちあげだった」という説が有力です。
何らかの障害か精神病を患っていたのではないかと言われているアマラとカマラ・・・。それを利用して金銭を得ようとしたのが事実ならとんでもない話しです。
参考資料:Wikipedia アマラとカマラ
世界中で研究“オオカミに育てられた子”の実記は嘘だった…(その1)