最近YouTubeを中心に話題になっている都市伝説に、「ニセモノ家族」があります。
「偽物家族」とか、「ニセ家族」、「異世界偽家族」とも呼ばれ、怖い話として紹介されることも。
これらの都市伝説の元ネタは、2011年に匿名掲示板2ちゃんねるに投稿された「俺の弟が小三の時に体験した話」という怖い話(体験談)です。
今回はYouTubeで話題のニセモノ家族や、その元ネタである「異世界偽家族」について紹介します。
「ニセモノ家族」とは、最近YouTubeで話題の都市伝説です。
「偽物家族」とか、「ニセ家族」、「異世界偽家族」とも呼ばれ、怖い話として紹介されることもありますが、話の基本的な流れは同じです。
子どもが1人で遊んでいる(もしくは一人暮らしをしている)と、目の前に家族が現れます。そして家族に誘われて子どもは家に帰るのですが、家族が皆、妙に優しいのです。
母親は豪華な料理をふるまい、父親はプレゼントをくれたり、兄弟もゲームをゆずってくれたりと……不気味なほどに優しいのです。まるで、家から出さないように。
しかしそれもそのはず、彼らは本物の家族ではなかったのです……。
以上がニセモノ家族のベースラインですが、後半の展開はオチは話によって異なります。
そしてここからが本題なのですが、都市伝説といえばその名の通り、街に住む大衆の間で流行っている怪しい噂のことです。口裂け女のような怪異エピソードから、ミミズ肉バーガーといった怪しい噂まで幅は広いのですが、共通しているのは、事実のようなかたちで噂され、増殖していくことにあります。
ですがニセモノ家族に関しては、このような都市伝説は実はどこにも出回っていないのです。都市伝説の一覧本なんかを見ても載っていません(2020年7月現在)。
あくまでもYouTubeの、それも漫画動画や短編アニメーションといったジャンルでのみ話題になっているのがニセモノ家族の特徴です。
そこで今回はニセモノ家族の元ネタを調べてみました。
ニセモノ家族の元ネタは、ズバリ2011年3月1日に匿名掲示板2ちゃんねるに投稿された怖い話(体験談)「俺の弟が小三の時に体験した話」です。
以下にニセモノ家族の元ネタである「俺の弟が小三の時に体験した話」の内容を要約します。
弟が公園で友達と遊んでいると、父、母、兄の家族全員がそろって公園まで迎えに来た。
弟は家族に連れられて家に帰ったのだが、兄は宿題を手伝ってくれ、母はケーキを用意してくれ、父からは一緒に風呂に入ろうと誘され、なぜかみんな妙に優しい。
優しくされてイタズラ心がわいた弟は、トイレに入ったフリをして(外からトイレの鍵をかけて)、トイレ近くの倉庫の影から家族の様子をうかがっていた。
すると家族はトイレの前にやってきて、皆が甘い言葉で弟を誘う。しかしトイレから反応がないと、家族はノブをガチャガチャと鳴らし、さらにドアを叩き壊そうとするではないか。
不気味に思った弟は倉庫から出て、家を離れた。
すると、サイレンで自分を探す放送が流れているではないか。
いつまで経っても帰ってこない弟を心配した(本物の)家族が捜索願いを出していたのだ。弟は本当の家族と再会し、さっきまで一緒にいたのは、ニセモノだったと確信した。
公園で一緒に遊んでいた友達によると、弟は独り言を言いながら一人で突然帰ったという。
以上がニセモノ家族の元ネタである「俺の弟が小三の時に体験した話」の内容です。
しかしこれは都市伝説ではなく、あくまでも「怖い話」として、「異世界偽家族」というタイトルでまとめサイトなどでまとめられました。
それから10年近くが経った2019年4月、怖い話や都市伝説を中心にした短編アニメを配信している「クロネコの部屋」というYouTubeチャンネルで、「身の毛もよだつ怖い話【ニセ家族】」としてニセモノ家族の動画が公開されました。
この動画が多くの再生回数を稼いだからか、その後、YouTubeの漫画動画や短編アニメチャンネルで同じ題材が取り上げられ、いつの間にか「ニセモノ家族」という都市伝説が誕生したのです。
その後ニセモノ家族は、チャンネルのキャラクターや世界観に合わせて様々なかたちに派生します。
たとえば短編アニメチャンネル「うかおさ ‐うっかり幼馴染と結婚の約束をしてしまってた結果‐」では、古い妖怪ネタと組み合わせて、かなりゾッとする話に変わっていますし……。
同じく短編アニメチャンネル「混血のカレコレ」では、イヤミスのような人間ドラマが展開されています。
今後はYouTubeから生まれる都市伝説がもっと増えていくのかもしれませんね。
ニセモノ家族のように、2ちゃんねるで話題になった都市伝説、怖い話は他にもたくさんあります。コチラにまとめてありますので、ぜひチェックしてください!