不死身の怪僧ラスプーチンは巨根だった!?

ロシアの怪僧ラスプーチン……そんな名前を聞いたことはあるでしょう。

ラスプーチンは20世紀初頭のロシア帝国の宗教家です。魔術といった「オカルト」が迷信として追いやられていった近現代における、ヨーロッパ最後の魔術師といってもいいでしょう。

ラスプーチンは怪僧と呼ばれるにふさわしい多くの伝説を持っています。魔術伝説、不死身伝説、そして巨根伝説です。

今回は不死身の怪僧ラスプーチンの伝説や死因を紹介し、実際に巨根だったのか、徹底追及したいと思います。

不死身の怪僧ラスプーチンの魔術とは?

ラスプーチン(1916)

グリゴリー・ラスプーチンは1871年にシベリアの寒村で産まれ、農民としての10代を過ごしました。その後結婚までしたものの、突然の家出

それから彼はシベリア各地の修道院を回ったとも言われていますが、はっきりしていません。とにかく、1904年に首都サンクトペテルブルクに帰ってきたとき、ラスプーチンは様々な魔術を手にしていました

ラスプーチンの魔術は、祈祷(きとう)――神や精霊に祈ることです。

彼の祈祷術は、病気の治癒、幻視、占いをも可能にしました。また催眠能力もあり、ラスプーチンと目を合わせただけで全身の力が抜けたといいます。

大柄で力が強く、それでいて話術も巧みで老若男女問わずを引き寄せ、多くの人々から崇拝されました。馬やトナカイといった動物を慣らすのも上手かったといいます。

血友病という重い病気で死にかけていた帝政ロシアの皇太子、アレクセイを治したことで、ラスプーチンは宮廷に取り入りますアレクサンドラ皇后をはじめとした皇族から寵愛と絶大な信頼を受け、ラスプーチンは宮廷での影響力を次第に高め、政治をすっかり牛耳ってしまいました

貴族や軍人たちはそんなラスプーチンが許せず、彼の暗殺を決行することにします。

しかしこの暗殺が、まったく成功しなかったのです。これが有名な、ラスプーチンの不死身伝説です。

不死身のラスプーチンの死因

まずラスプーチンは、猛毒である青酸カリが盛られたご飯やケーキをすべて食べます。致死量の十数倍を超えていましたが、ラスプーチンは死にません。

そこで軍人は背後からラスプーチンを殴りました。頭蓋骨が砕けるまで殴られたものの、まだ死なず、それどころか反撃しようとしました。

大型拳銃計4発撃ちこみ、やっと倒れたところを大勢で殴り蹴り、窓から下の道路に放り投げます。しかしそれでもまだ息があり、じゅうたんで巻いて、冬の川に落としました

こうしてついに、暗殺は叶いました。もはや暗殺でもなんでもありませんが、不死身のラスプーチンの死因は、溺死でした

ラスプーチンの死後、彼の支配によって腐敗していた帝国ロシアはすぐに崩壊してしまいます。これが1917年のロシア革命(十月革命)です。

ラスプーチンの巨根伝説

ラスプーチンと信者の女たち(1914)

魔術不死身と、ここまででも十分な怪僧っぷりなのですが、ラスプーチンには欠かせないもう1つの伝説があります。

それが、ラスプーチンの巨根伝説と絶倫伝説です。

ラスプーチンは皇族だけでなく、宮中の貴婦人からの人気も絶大でした。あたかも教祖と信者たちといった群がりが宮廷にできたといいます。しかし彼女たちはなにも、ラスプーチンの魔術や祈祷だけを目当てに集まったわけではないようです。

それが、ラスプーチンの圧倒的な巨根精力です。実際にラスプーチンを調べた秘密警察官の報告書には、「醜態の限りをきわめた、淫乱な生活」と書かれていましたから、彼が宮廷でどんな日々を送っていたかが想像できますよね。

当時のロシアは日露戦争に(少なくとも形の上では)敗北し、農民の反乱も毎日のように起こっていました。そんな中で好き放題の毎日を送っていたラスプーチンが、軍人や貴族の恨みを集めたのは当然といえるでしょう。

そして実際に、ラスプーチンのをきっかけにロシア革命が起こり、帝国は崩壊してしまいましたロシア帝国に引導を渡し、史上初の社会主義国家を誕生させたのは、ラスプーチンの巨根だったといっても過言ではないのです。

ラスプーチンの巨根は33センチ!?

……と、ここまでの大騒動を起こしたラスプーチンの巨根、いったいどれほどのものか気になりますよね。

実はラスプーチンの性器は、現在もサンクトペテルブルグの「エロチカミュージアム」に展示されています。ラスプーチンの巨根はアルコール漬けにされ、堂々とした姿で来館者たちを楽しませています。

ここに展示されているものは、約28センチ。たしかに巨根です。しかもこれで平常時です。

しかしラスプーチンの娘マリヤは、これはニセモノだといっています。なぜなら、「父の性器は33センチだから」です!

なぜ実の娘がそんなことを知っているのか、悩みは尽きないところですが……実際に、専門家によればこの展示物はのものと思われるということです。

今回は、不死身の怪僧ラスプーチンの歴史と伝説を紹介し、実際に巨根だったのかを徹底追及しました。

その怪しげな伝説から、ラスプーチンは漫画『ドリフターズ』や、アニメ映画『名探偵コナン 世紀末の魔術師』、ゲーム『Fate/Grand Order』などなど様々な作品に登場しています。

余談ですが、2020年5月現在における世界最長の巨根記録は48センチだそうです。ラスプーチンの1.5倍とは、恐れ入ります……。

夏藤涼太

神話に魔法、UMAにUFO、超能力に超古代史、最新科学に都市伝説まで、オカルトならなんでもござれのWebライター。「日々にロマンを。毎日を豊かに。日常を非日常に」をテーマに書いています。学生時代の専攻は民俗学。