2人とも首や胸などを数回刺されていたが、特に茂義さんはお腹から背中に突き抜けるほど深い傷が致命傷になったとされる。凶器は、片刃で先が鋭利な20センチ近いものと推定されたが、いまだ発見されていない。 なお、室内からはたけ子さんがいつも貴重品を入れて持ち歩いていた手提げ袋のみがなくなっていたことがわかっている。 佐藤さん宅は7年前に夫婦が新築したもので、周辺の民家より大きくて目立っていた。南東向きの一部を除き、家の周りはコンクリート製の塀や垣根に囲まれていて、外部からだと1階はほとんど見えない造りになっていた。行政区の境に位置していたため、近所でも他の区の家との交流がな意ことに加え、当時は田植え時期で周辺住民が午後8時過ぎに寝てしまっていたため、目撃情報は少なかった。犯人は塀や垣根で外部からは死角となっている1階北西部の納戸、高さ1.5メートルにある高窓のガラスを普段からたけ子さんが使っている草刈り鎌を使用して割った後、侵入したものとさられている。 犯人が破った窓がある部屋は居間から最も離れたところにあり、当時ほとんど使われていなかったことから、家の中の事情にも詳しいものの犯行ではないかとされている。 この事件の犯人についてはいまだ逮捕されておらず、これまでに捜査対象として浮上した人物は数百人にものぼるが、直接犯人に結びつく有力な情報は得られていない。