東京都と埼玉県の県境にある「都立狭山公園」には、昔から有名な心霊スポットがあります。
それが公園内にある「たっちゃん池」です。本当は「宅部池(やけべいけ)」という名前なのですが、こう呼ばれるのには悲しい由来があります。
大正時代、「たっちゃん」と呼ばれていた少年と、たっちゃんを助けようとした青年2人が溺れ死んでしまったというのです。
それ以来、たっちゃん池は東京都の有名な心霊スポットになりました。今回は、東京都の心霊スポット「たっちゃん池(宅部池)」の心霊現象とその由来を紹介します。
東京都の心霊スポット「たっちゃん池(宅部池)」は、大和市の多摩湖近く、都立狭山公園の園内にあります。
あまり大きな池ではありませんが、静かでいい場所です。昔はモツゴやタナゴ、ザリガニなどの釣りが楽しめましたが、現在釣りは禁止されています。
今でもその静かなたっちゃん池は地元民に愛され、とくに秋になると美しい紅葉が穏やかな湖面に映し出されます。
しかし……静かということは、それだけ寂しい場所でもあるということです。とくに夜は、霊感がない人でも不気味な静けさを感じるといい、近寄る人は肝試しに来る人くらいのものです。
たっちゃん池(宅部池)は、東京都の有名な心霊スポットです。その端緒は、たっちゃん池という通称の由来となった、大正時代の悲しい事件にあります。
1982年に出版された郷土史『東大和のよもやまばなし』に載っている、たっちゃん池の伝承を紹介します。
たっちゃん池は昔、「宅部(やけべ)の貯水池」を略して、「ヤケチョ」と呼ばれていました。
明治~大正時代には広さ3300㎡、水深7メートルほどの大きさで、夏になると近くの子どもたちは毎日泳ぎにきたといいます。
しかし大正14年(1925年)8月、事件は起こりました。やけつくような真夏の昼下り、10歳の少年がおぼれてしまったのです。少年は「たっちゃん」と呼ばれていました。
「たっちゃんが溺れた!」という叫び声に、近くの青年2人が救助のために池の中に飛び込みました。
当時はちょうど貯水池工事の真っ最中で、大勢の作業員たちが公園にいたのです。彼らはいわば、池のプロです。
しかし、たっちゃんはおろか、2人の青年も池の中に沈んでしまったというのです。
あたりの人々はびっくり仰天。他の作業員が小舟に乗り、井戸の「いかり」を手に、広い池の中を捜索しました。30分ほど探し回ったあげく、ぐったりとした3人の死体が水底から引き上げられました。
人工呼吸をするも息を吹き返すことはなく、3人は帰らぬ人となったといいます。
たっちゃんの母親はすでに亡くなっており、父親の手一つで育てられていた、3人兄弟の末っ子でした。家族もご近所さんも皆ひどく悲しんで、幼くして死んだたっちゃんをあわれんで、ヤケチョ(宅部池)はその後、「たっちゃん池」と呼ばれるようになりました。
そういった悲しい事件が尾を引いているのか、たっちゃん池(宅部池)は現在、東京都の有名な心霊スポットになりました。
たっちゃん池がある狭山公園は広く、昼間は散歩や観光で訪れる人が多いのですが、夜になると一気に雰囲気が変わります。人通りは少なく、自然の中に取り残されたような感覚を味わうでしょう。
そしてたっちゃん池に夜に行くと、男の子のうめき声が聞こえるとか、自転車で池の前を通ると誰かが後ろに乗ったように急にペダルが重くなるなどの、心霊現象に遭うといいます。
他にも岸から白い手が出てきて足首を掴むとか、心霊写真が撮れるとか、様々な心霊体験が語られています。
普通に考えれば、その正体はたっちゃんたち、溺れ死んでしまった3人の霊だと考えるのですが……。
1つ奇妙な疑問として、10歳のたっちゃんはともかく、なぜ治水のプロであった青年2人まで溺れてしまったのか、という問題があります。
たしかに当時の宅部池は現在と比べて水深が深かったようですが、別に荒れた海でもなければ、底なし沼でもありません。
もしかしたらたっちゃんも、青年2人も、白い手に引きずり込まれたのかもしれません。3人が事故に遭う前から、この池は呪われていた……ということです。
今回は東京都の心霊スポット、たっちゃん池(宅部池)の心霊現象とその由来を紹介しました。
東京都には他にも様々な心霊スポットがあります。
歴史的な大火災が起こった「プルデンシャルタワー」や、宮崎勤事件の被害者の霊が出るという「旧小峰トンネル」、殺人事件があった「上野恩賜公園」、お墓の下に作られた「千駄ヶ谷トンネル」、隠れ心霊スポットである「六本木ヒルズ」などなど……どれもオカルトオンラインでくわしく紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
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