長崎県の海上に浮かぶ無人島「軍艦島」は、日本最大の廃墟として有名です。現在は無人で、その圧倒的な廃墟郡は世界遺産にも登録されています。
勝手な立ち入りは禁じられているものの、ツアーで観光に行くことは可能です。しかしこの軍艦島、心霊スポットとしても有名なんです。
数々の心霊現象の裏には、軍艦島のすさまじい歴史が隠されていました……。
今回は心霊スポットとしての軍艦島に注目し、軍艦島に伝わる怖い話や都市伝説を厳選して10個紹介します。
心霊体験や強制労働は真実だったのか? それともデマだったのでしょうか?
そもそも軍艦島とは通称で、正しい名前は「端島(はしま)」といいます。また自然の島ではありません。
1800年代に石炭が海底から発見され、その発掘のために埋め立てで作られた人工島です。横から見たかたちが軍艦の「土佐」に似ていたため、軍艦島と呼ばれるようになりました。
その後労働者が移住したのを皮切りに、炭鉱のバブルもあり、軍艦島はかなり裕福な先端都市へと変貌します。学校から病院に市場、神社仏閣や娯楽施設、遊郭に理髪店まで、生活に必要なものはすべて島内にそろっていました。
最盛期の1960年代の人口密度は、なんと東京の約9倍にも達するほどのにぎわいでした。今の廃墟郡からは想像もできませんね。
しかし石炭から石油へエネルギーが移行するにつれ、島民は減っていき、1974年についに閉山。軍艦島は無人島となり、巨大な廃墟だけが取り残されることになりました。
しかしその圧倒的な廃墟郡が2015年に世界遺産に登録。現在も勝手な立ち入りは禁じられているものの、ツアーなどで観光に訪れることが可能です。
そんな軍艦島、日本最大の廃墟であると同時に、日本最大の心霊スポットとしても有名なんです。
ツアーでしか訪れることができないのに、不気味な心霊体験や心霊写真が後を絶ちません。また裕福な島の裏にあったとされる、恐ろしい都市伝説がいくつか語られています。
今回は心霊スポットとしての軍艦島に注目し、軍艦島に伝わる怖い話や都市伝説を厳選して10個紹介しましょう。
軍艦島では、どこからともなく人の声が聞こえるといいます。しかも多いが、子どもの声です。
子どもの霊を見たという人もいます。これらは後で説明する、強制労働によって死亡した霊だと語られています。
無人島ですから、他の心霊スポットのように、ホームレスやイタズラでは絶対にありません。だから怖いのです。
他の心霊スポットと同様、軍艦島ではとにかく心霊写真が撮れるといいます。
ビルを撮れば人影が写り、近景を撮れば子どもの手が写り込むとか。子どもというのは、先ほどの霊と同じなのかもしれません。
無人島の軍艦島でキャンプをしたら、1人が消えてしまったという話があります。昔から語られている有名な話です。
この小さな島でどうやって人が消えるのでしょうか。不思議は尽きませんね。
もちろん現在は立ち入りが厳格に禁じられているので不可能でしょうが、昔はこっそり忍び込めたたのかもしれません。
軍艦島はグーグルマップのストリートビューが充実しており、家にいながら無人島の心霊スポット探検をすることができます。
しかし2013年、手が写り込んだ心霊写真のようなものが発見され、ネットを中心に騒がれました。現在は修正されているので見ることはできませんが……。
もちろん撮影スタッフの手が写り込んだと解釈することもできますが、もともと子どもの手が写るという心霊写真の多い軍艦島ですから、不気味なところがあります。
なぜ軍艦島が心霊スポットとなってしまったのか、その原因として語られるのが、「強制労働」という軍艦島の都市伝説です。
貧しい子どもや外国人労働者が連れてこられ、過酷な労働により死亡したというのです。ただしそのような証拠は今のところ見つかっておらず、元島民もそのような事実はなかったと話しています。
子どもの過労死などの記録も残されてはいませんが、なにしろ時代が古いですから。真相は闇の中……。
過酷な労働に耐えれらず、自殺した者もいたといいます。その自殺者の霊が今もさまよっているというのですね。
労働者の自殺は現代でも往々にしてあることですから、これはあったのかもしれません。
過酷な仕事や強制労働に耐えかねた労働者が島外へ脱出したという都市伝説があります。
上記の強制労働自体が事実かどうかわからないので、脱出も眉唾といえば眉唾なのですが、2017年に韓国で公開された『軍艦島』という韓国映画(監督:リュ・スンワン)があります。
軍艦島で強制労働させられた韓国人400人の脱出劇を描いた映画となっています。ただし日本人はもちろん、抗日思想を持つ韓国人からも叩かれたという奇妙な映画でもあります。
興味のある方は1度見てみると面白いかもしれません。
上記の脱出の話の続きで、一部は捕まって連れ戻され、拷問や虐殺に遭ったという都市伝説もあります。ゴムチューブのようなもので何度も打たれたとか。
こちらも脱出同様、事実なのかはわかりませんが、本当なら、その魂が成仏できずにうらめしそうに漂っているのもうなずけますよね……。
軍艦島は労働者の島でしたから、遊郭(性風俗店)もいくつかありました。
1957年には売春防止法が施行され、次第に下火になってしまったのですが、南部商店街の遊郭には毎日行列ができるほど栄えていたといいます。
その中には、外国人専用の遊郭もありました。最初に書いたように、そもそも軍艦島は裕福な島で、島民(労働者)もお金を持っていたのです。
強制労働がなかったとされる根拠のひとつに、この遊郭があります。外国人労働者も日本人と親しんで、人生を謳歌していたのではないか……ということですね。
軍艦島は主要エネルギーの移行により島民が減り、やがて無人島となってしまったのですが……廃墟には、家具や家電などの生活環境がすっかり丸々残されていました。
移住するのなら、部屋を片付けるなり、家財を持っていくはずですから、軍艦島の島民は一夜にして消えてしまったのではないかという都市伝説が語られました。
しかしこの謎は明かされています。
炭鉱の所有者であった三菱は、島民全員に新しい住居や仕事先を斡旋しました。新居には家具や家電も丁寧に用意されていたので、家財を持っていく必要がなかったのですね。
こういった太っ腹な話を聞く限りでも、やはり強制労働という噂は単なる都市伝説なのではないかと思えてしまいます。
今回は心霊スポットとしての軍艦島に注目し、軍艦島に伝わる怖い話や都市伝説を紹介しました。
軍艦島はその圧倒的な廃墟郡のビジュアルから、映画や小説、ゲームといったさまざまな作品のモデルや舞台になっています。
その中から、筆者が実際に視聴して面白かった作品を厳選して5つ紹介しますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。