死海文書・・・聞き慣れない言葉ですが、これは2000年前に書かれた聖書の原型とも言われている文書のことです。
歴史的にとても価値のあるものなのですが、死海文章が65年ぶりに発見されました。
死海文書とは、別名を死海写本ともいいます。
これは、1947年以降死海のヨルダン川西岸地区にある、クムラン洞窟という洞窟内で発見された写本の数々で、972発見されています。
この洞窟の通称は「恐怖の洞窟」。ロープをつけて崖を登るようにしながら発掘調査が行われてきました。聖書の原型とも言われているとても貴重なものなのですが、65年ぶりに約2000年前の巻物などが発見されました。
歴史的な発見があったのは、中東の死海のほとりに広がるユダヤ砂漠で、調査隊はロープを付けて崖を降りなければたどりつけない横穴、通称「恐怖の洞窟」で発掘を続けてきました。
イスラエル考古学庁によりますと、発見されたのは約2000年前に書かれた巻物の断片20個ほどで、ギリシャ語で旧約聖書にある「ゼカリヤ書」の一節などが書かれていました。
神の名前だけがヘブライ語で書かれていたということです。
このほか、約1万年前に作られた世界最古とみられる編みかごや、自然にミイラ化した6000年前の子どもの遺体も発見されたということです。
死海文書が最初に発見されたのは1947年で、これ以降にも数々の発見がありましたが、発掘調査を行っている洞窟内の発掘調査の難しさなどもあって、65年ぶりの発見となりました。
ロープを使って命がけで発見された今回のとりかごは、推定で1万年前のもの・・・現時点では世界最古だと言われています。
今回、65年ぶりの大発見となった死海文書ですが、その数は約80の断片でした。使用されていた言語はヘブライ語で、神の名前が書かれていたといいます。そして、旧約聖書にある「ゼカリヤ書」がギリシャ語で書かれていそう。
聖書はギリシャ語で神の名前だけがヘブライ語で書かれていたのに何か理由があるのでしょうか。
調査をしていたイスラエルのチームは4年にわたる命がけの発掘調査でこの貴重な死海文書を発見しました。
ちなみに書かれていたのは、紙ではなく羊の皮でできた巻物だったそう。断片になってはいるものの文字が読み取れるようです。
今回、発見された死海文書には神の名前がヘブライ語で記載されていたそうですが、今まで見つかった写本の多くは、神の名前が書かれておらず、主と記載されているもの。または、写本から神の名前の部分だけが切り取られているものもあったそうです。
この文章が発見されたことで、太古の昔の人々が名前のある神に対して信仰を持っていたことをうかがい知ることができます。
また、聖書の原型と言われる文書にヘブライ語で神の名前が記載されているということは、聖書にもともと神の名前があったということ。その後、神を主と読み替えていたということになります。これは、信仰の対象であった神の名前を呼ぶことから恐れ多いだという信仰心の表れだったのかもしれません。
参考資料:80個の断片…60年ぶり「死海文書」発見-ABS朝日放送
65年ぶりに“聖書の原型”「死海文書」発見される-Yahoo!ニュース
“世界最古の旧約聖書の写本”「死海文書」の断片見つかる …-NHKニュース