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300億年で1秒しかズレない時計【光格子時計】で行った実験とは

一昔前までは「うちの時計ズレてて~」なんて会話もあったのですが、電波時計が当たり前になり、インターネット接続しているスマホを時計代わりにする用になった今、そんな会話はなくなっていきました。

電波時計のメリットといえば、正確な時間がいつでも解ることです。時計を合せる手間も必要なくいつでも正しい時間を教えてくれす。電波時計のズレは10万年に1秒程度。私たちが日常で生活している分には電波時計で十分正確なのですが、もっとスゴイ時計があるんです。

光格子時計ってなに?

電波時計よりもってスゴイ時計・・・それは“光格子時計”という時計です。

光格子時計は恐ろしいほどの正確性を持った時計です。スーパークロックとも言われている光格子時計は、原子や分子のスペクトル線を利用して狂いがない時間を刻んでいる時計・・・。非常に高精度な周波数標準で作られており、制度が高いものだとは300億年時を刻んでも1秒程度しか狂わないのです。

300億年に1秒!脅威の正確性

光格子時計の脅威の正確性・・・300億年に1秒と言われても、あまりピンと来ませんよね。

宇宙が誕生したのが137億年前と言われていますから、300億年で1秒というのは恐ろしいほど狂いがない時計なのです。もちろん、私たちが普段生活する中ではこんなに正確な時計じゃなくても問題ありません。電波時計でも、日常生活においては、ハイスペックな正確性を持っています。

 

ではどうして光格子時計を作ったのか・・・もちろん理由はたくさんあるんですが狂いがない時計だからこぞできる面白い実験が行われていたのです。

参考資料:時計の概念を巻き直す「光格子時計」 | 東京大学

東京スカイツリーで行われた実験とは

 

300億年で1秒程度しか狂わない脅威の正確性を持った時計です。光格子時計ですが、この時計を使ったある実験が行われました。それが、

 

スカイツリーの1階と最上階にそれぞれ光格子時計を置いてその時間の進み方を比較するというものです。

「そんなのいみないよ~だって、時間は同じに決まってるでしょ。どっちも日本だし」と思ってしまいますよね。そう、どっちも日本です。ですが、この実験で測る時間差は、国や地域ごとに時間が異なるあの時差とはべつのものです。つまり時間が絶対に何にも影響されないのであれば、寸分の狂いもなく同じではないとおかしい・・・。ですが、そうでもないんです。

実は、アインシュタインが提唱した相対性理論によれば、時間の進み方は重力と関係していて、重量が強い方が時間が遅く進むハズなのです。

 

そして、実験結果は・・・地上450メートルの展望台に置かれた光格子時計の方が地上の光格子時計より4ナノ秒早く時間が進んでいたそうです。

つまり、重力の影響が地上よりわずかに少ない地上450メートル地点の方が時間がわずかに早く進んだのです。

もちろん、普通に生活していてスカイツリーに登って降りてきてもこの時間差を感じることはありません。ですが、スカイツリーよりもっと高いところを飛んでいる人工衛星などにとって、この時間差は無視できないものになるそう。

300億年に1秒程度しかずれないという恐ろしいほどの正確性を持った光格子時計はだからできる実験でした。

参考資料:スカイツリー展望台、時間はやく進む 光格子時計で確認

重力で時間がゆがむ

なぜスカイツリーの展望台に置いた光格子時計の方がほんのわずかでも時間が早く進んだのか・・・それは重力が時間をゆがめているからです。

時間がゆがむなんてなんだか、SF映画みたいですが、これは現実に起こること・・・私たちは感じていませんが、重力や質量は空間や時間をゆがめているんです。

この時間の歪みを計測したのが今回、スカイツリーで行われた光格子時計を使った実験だったということです。

時間はどこに行っても変わらない・・・1秒は1秒だと思い込んでしまいますが、宇宙というレベルで見ると時間はゆがむものなのです。

まとめ

300億年に1秒程度しか狂わないという脅威の正確性を持った光格子時計・・・その正確性を使って東京スカイツリーで行われた実験では、地上450メートルの位置では時間がわずかに早く進むことが証明されました。

時間が重力を影響を受けているから、地上より重力の影響が少ないスカイツリーの展望台では時間の進みがごくわずかですが早くなったのです。

もちろん、私たちが日常生活を送る上でこの時間の進み方の違いが影響することはありませんので安心してくださいね。

Miiko

ライター歴約10年 法学系院卒 得意記事は、歴史・スピリチュアル・法律等々 福岡の隅っこでコーヒー片手に執筆中