仮に魔女や魔法使いと出会い、どんな願い事でも叶えて貰えるのであれば、どんな願い事をするでしょうか?
恐らく多くの人がそんな事を想像して楽しんだことがあるのではないでしょうか?
ただし、現実はそう甘くはありません。
買い物をするにせよ、レジャー施設に遊びに行くにせよ、どんな願い事にも必ずと言っていい程に何かしらの対価が必要になります。
本日は、自分の夢の対価として、自らの寿命を売り渡したと言われる一人のミュージシャンのお話をしたいと思います。
公開日:2019年10月22日 更新日:2020年2月18日
マーク=フェルドは第二次大戦の約2年後の1947年9月30日にイギリスにて生まれました。
彼は幼少より音楽に親しみ、いつの日か音楽で世界に羽ばたく事を夢見る典型的なギター少年でした。
毎日ひたすら練習や作曲の勉強に励み、18歳の頃にはソロデビューを果たし、20歳でバンドに加入します。
しかし現実は厳しく、バンドも僅か3か月で脱退、その後も中々評価されずに非情に苦しい生活を余儀なくされます。
同時に現実から逃れるかの様にヘロインにも手を出し始め、心身共に疲弊しきっていきます。
そして、薬だけではなく、彼は“あるモノ“にもかなり凝り始めます。
それは“オカルト“です。
魔術書や伝承、黒魔術、様々な占いにも興味を持ち始め、薬の影響もあってか思考もより現実から離れていきました。
「困った時の神頼み」という諺がありますが、厳しい現実の中彼が頼ったのは黒魔術やオカルトだった様です。
誰だって何かに縋りたい、助かりたいと思う事はあると思います。
ある人は教会や神社でお参りをしたり、又ある人は目指したい道のプロに教えを乞う。
ただ、マーク青年の場合は頼る相手がたまたま魔術だった、という事です。
アコースティックユニットとして結成されたティラノサウルスレックスというバンドがかつて存在しました。
そのバンドは狂信的かつカルトな人気を誇り、後にエレクトリックを導入し、本格的なグラムロックを開拓すると瞬く間に全世界で脚光を浴び、名声を欲しいままにしました。
そう、そのバンドこそ伝説として語り継がれるグラムロックの開拓者『T. Rex(ティーレックス)』
そしてT. Rexのギターヴォーカルを務める男こそ、イギリスの片隅で苦難の日々を送っていたマーク=フェルド本人だったのです。
彼はこの当時、ステージネームを「マーク=ボラン」と名乗り、CMからイベントまで毎日毎日大盛況の、まさに絵に描いたようなスーパースター!
人生の最盛期を迎えていました。
これだけの話ならば良くある感動サクセスストーリーですが、このサイトに掲載されている時点でここで終わらない事は想像が付くと思います。
そう、ここからは一気に話がオカルトチックになります!
成功を掴んだマークでしたが、当時、仲間や親交のあったミュージシャン達に度々不気味な事を語っていたそうです。
その内容は
「俺、昔魔女と一緒に暮らしてたんだよねー」
という中々にぶっ飛んだ物でした。
彼の話によると、昔パリの田舎に行った時に、隠れ家に潜んでいた魔女と出会い、仲良くなってしばらくの間、一緒に住んでいたと言うのです。
そしてそこで彼は魔女にある願い事を語ります。
「30歳過ぎた後の人生はいらない。代わりに俺をものすごいスーパースターにしてくれ。」
そして魔女はそれを承諾したらしいのです。
この話を頻繁に語っていた当時もマークは相変わらずのヘロイン中毒で、周りは薬の影響で変な事言いだした程度にしか気にしていなかったようですが(むしろ薬中であることを心配すべきだと執筆者は思いますが・・・)
彼の薬まじりのうわ言は現実の物となります。
1977年9月16日
マークは愛人の運転する車の助手席に座っていた所、車は事故に遇い大破、マークは帰らぬ人となります。
そして彼の命日はちょうど彼の誕生日の2週間前だったそうです。
芸能や芸術、人生を掛けた夢や野望を志す人々の中には、命よりも名声や成功を目指す人が確実に存在するのも事実です。
もしアナタの目の前に魔女が現れ、寿命と引き換えに願いを叶えてくれるなら
アナタはどんな事を願いますか?
注釈:こちらの記事はオカルトマト副編集長が校正、編集させて頂きました。