これは南アメリカに位置するベネズエラとコロンビアに伝わる怖い都市伝説です。
ベネズエラで生まれたエル・シルボンという男は、昔から両親に甘やかされて育ったため、傲慢でわがままな性格に育ってしまいました。
そればかりではなく、彼は人とは違ったサイコパス的な一面を見せることがあったそうです。
ある日、エル・シルボンは鹿肉が食べたいと両親に言い出しました。
両親が鹿肉など用意できないとエル・シルボンに告げると、エル・シルボンは怒り狂い、父親と激しい口論となり詰め寄りました。怒りの収まらない彼は、ナイフのような鋭い刃物で父親の腹を複数回突き刺し殺してしてしまいます。
鹿肉が食べたい衝動が抑えきれないエル・シルボンは驚きの行動をしたのです。
殺した父親の死体を自ら解体し、それを母親に渡して調理をさせたのでした。
その際母親は、自分の夫の肉を調理しているとは知らなかったのです。
はじめは何も異変を感じずに息子のために調理をしていた母親ですが、さすがに見たことのない肉を調理していることに異変を感じて、エル・シルボンが持ってきた時についていた血の跡を追ってみると、変わり果てた姿で横たわっている夫の姿を発見したのでした。
もちろん母親は自分の夫を殺されたことに悲しみを感じましたが、それよりも息子の異常な行動と狂気の恐ろしさに震えました。
エル・シルボンを「悪魔の子」だと、母親は考え、母親は祖父にエル・シルボン「悪魔の子」を退治してほしいと頼み込みます。
その後祖父は父親殺しの罰を与えるためエル・シルボンを拘束したのです。
拘束されたエル・シルボンは、祖父に鞭で何度も打たれ、気絶寸前になると傷口に唐辛子やレモン汁を塗られ悶絶します。それが何日も続きやっと解放されるとエル・シルボンは祖父から父親の骨の入った袋を持たされ外へ放り出されます。
その瞬間、外にいる野良犬がエル・シルボンの姿をとらえます。
袋の中には腐った父親の人骨が入っていて、飢えている野良犬たちはそれを狙ってエル・シルボンに襲いかかります。
逃げることができずに野良犬たちにかみ殺されそうになる彼に、祖父はある呪文を唱えるのでした。
その呪文は不死の呪文と永遠にこの世を彷徨い続ける呪文でした。
その後、彼は父親の骨が入った袋を持ち、骨を数えながらこの世を彷徨い続けているそうです。
夜になると目についた家に入り、袋の中の骨を取り出して数え始めます。
エル・シルボンが骨を数え終わるまでに、彼を家から追い出すことができればその家族には幸せが訪れるといわれています。
数え終わるまでに家から追い出すことができなければ、その家の全員が彼に殺されてしまうといわれています。
これがベネズエラとコロンビアで現在も語り継がれている都市伝説「エル・シルボン」についてでした。
ベネズエラとコロンビアでは人殺しの末路について教える話としても使われているそうです!
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