宇宙には、超新星爆発寸前の巨大な恒星やブラックホールなど、人間の常識では考えれないようなものがたくさんあります。広大な宇宙には、太陽の何百倍も大きな恒星もあるし、めちゃめちゃ明るい恒星もある・・・。もしかすると地球のような惑星もあるかもしれません。
そして、宇宙には、隣の恒星を吸い取ってしまう吸血鬼みたいな星があるんです。
隣の星の水素を吸い取ってしまう・・・宇宙にはそんな星があります。
ヴァンパイア・スターという星そのものはとても質量が小さい星です。この星は自らが長く輝くために、近くの恒星の水素を吸い取って若返るそう。
ちなみに、恒星にとって水素は光り続けるための燃料のようなものです。つまり水素を吸い取ると質量が増えるんです。よその星から水素を吸い取ったヴァンパイア・スターは質量が増えるため、また青く輝き出すのだとか・・・。表面温度も上昇して、まるで本当に若くなったように輝きを取り戻すそうです。
恒星が水素をとるのは、私たちに人間に例えるなら本当に血を採られているようなものかもしれません。
ヴァンパイア・スターは低質量の恒星ですが、水素を奪うためには近くに恒星が必要です。
まだ、ヴァンパイア・スターのことはすべてが解明されているワケではないのですが、ヴァンパイア・スターは連星系の星であると言われています。
連星系とは、2つの恒星がお互いに公転し合っている軌道運動をしている星のことです。別名でふたごぼしということもあります。ちなみに太陽系のボスの太陽は連星系ではありません。太陽は水星や木星、地球などの惑星は持っていますが、連星と呼ぶためには恒星が近くにあって、恒星同士がお互いの周囲を回っている必要があります。
つまり太陽は独身の星、連星系の星は夫婦のようなものですね。
別の星の水素や表層を剥がしてしまうヴァンパイア・スター・・・これを見ても解るように、連星の星は仲良くお互いの周りを公転し合ってるというわけではありません。
近いところを公転していると、衝突してひとつの星になってしまうこともありますし、質量が少ない星”ヴァンパイア・スター”がもう一方の星の表層を剥がして自分のエネルギーにすることで、どちらの星も青く輝いているということもあります。
先ほど太陽は連星ではないといいましたが、連星は別に珍しいものではなく太陽系の近くにも連星系の星は何個も観測されています。
その中でも質量が重く明るい星に分類されるO型の星の約7割が連星系の星であるという観測結果も出でいます。そして、その中で質量の小さな星がとなりの連星の相方の水素を吸い取るヴァンパイア・スターであると予想されているのはなんと40%~50%もあるそうです。
出典 アストロアーツ 明るく重い星は連星系が主
水素を吸い取った星は若返ったかののように輝くわけですが、とられてしまった星はどうなるのでしょうか。
じつは、ヴァンパイア・スターに水素を撮られてしまった恒星はコアがむき出しになってしまうんだとか・・・コアはとても高温なので青く見える・・・。通常、恒星は晩年になると膨張して表面温度がさがり、質量が重い星は超新星爆発を起こして中性子星かブラックホールになります。
でも、水素を剥がされてコアがむき出しになると、晩年になっても高温のコアが見えているから青く光る・・・つまり、パートナーの星からエネルギーを吸い取られているせいで、まるて
ということです。出典 アストロアーツ 明るく重い星は連星系が主
恒星が2つ連星になっているなら・・・ブラックホールの連星もあるんじゃないか思った方もいらっしゃるかもしれません。
ブラックホールは質量が大きな星が超新星爆発を起こした後に残るものですから、連星のブラックホールもあり得ないものではありません。
実は、タランチュラ星雲にある連星系VFTS 352は2つの質量が大きな星がたった1日でお互いの周りを回っています。めちゃめちゃ近い!
そして、この2つの星の表面はつながっているそうです。中心は離れているんですが、表面の一部がくっついてしまっているんです。もしかすると、この2つの星が超新星爆発を起こしてブラックホールになったら、とても珍しい“ブラックホール連星”になるかもしれないそうです。
宇宙には恒星がお互いの周りを回っている連星という星があります。
そして、その連星の中には、質量が小さい方の恒星が、パートナーの星の水素を吸い取って長生きしているというヴァンパイア・スターという星があります。
ヴァンパイア・スターから水素を取られた星は晩年になってもコアがむき出しになるため、青く輝いているそうです・・・。
参考資料:明るく重い星は連星系が主流