「世界一有名な絵画といえば?」
と世界中の人に質問したら、おそらく返ってくる答えは『モナ・リザ』でしょう。
なんせ「世界でもっとも知られた、もっとも見られた、もっとも書かれた、もっとも歌われた、もっともパロディ作品が作られた美術作品」といわれているくらいですから、現物を見たことがなくても、
などなどで、必ず一度は彼女を目撃していることと思います。
そんな世界一知られている絵画なのに、まだ謎なんてあるのか?どれほどの謎なのか?なんで未だに解明されていないのか?
歴史ミステリー好きとしては、ひじょ~に気になるところ。
特に、誰もが『モナ・リザ』を知っているのに、
「そもそも、モナ・リザのモデルって誰?」
という何よりも重要な謎がこの絵画にはあるのです。
未だ唱えられているモナ・リザの正体に関する説について、いくつか紹介・解説して参ります。
モナ・リザの正体は「リザ・デル・ジョコンド」というイタリア人女性といわれています。
イタリア語で”私の貴婦人”を表す「ma donna(マドンナ)」の短縮形が、「mona(モナ)」。
つまりモナ・リザは、”私の貴婦人(mona)、リザ(Lisa)”という意味になります。
モナ・リザ制作はリザの夫がレオナルド・ダ・ヴィンチに妻の肖像画制作を依頼したことがきっかけであり、夫目線で付けられた作品名ということになりますね。
ただ、謎を愛してやまない人たちは、モナ・リザの正体に様々な人物を挙げています。
その数、なんと10人以上。しかも、どの人物もそれっぽい理由付き…。
このうち代表的な5人について紹介していきます。
イザベラ・デステは、ダ・ヴィンチが生きたルネサンス期の文芸・政治を代表する人物。
芸術をこよなく愛していたとされるイザベラは、当時大人気の芸術家だったダ・ヴィンチに自身の肖像画制作を依頼します。
このことから「イザベラ・デステがモナ・リザのモデルではないか?」とする説が唱えられています。
しかし実際には、ダ・ヴィンチが彼女のために描いた作品は、下の素描(ドローイング)一枚だけ。
遅筆なうえ興味の無いものに対し一向に手がつかないダ・ヴィンチの性格が災いして、この素描以外にイザベラ・デステを描いた作品は無し。
彼女は辛抱強くダ・ヴィンチに何度も肖像画を催促したそうですが、ダ・ヴィンチはこれをスルーし続ける始末。
イタリアを代表する貴族に対しても、この塩対応。さすがダ・ヴィンチです…。
イタリアの歴史を知る上で欠かせない人物が、ジュリアーノ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチ。
フィレンツェの僭主(君主)であり、またレオナルド・ダ・ヴィンチの友人でもありました。
このことから、「モナ・リザはジュリアーノ・デ・メディチが彼の愛人の為に依頼した」とする説もあります。
この説は一時期話題になりましたが、現在はリザ・デル・ジョコンド説が有力視されており、今は下火の説となっています。
当時を代表する女傑「カテリーナ・スフォルツァ」も、モナ・リザのモデルかも?とされる人物の一人。
イタリア・ロマーニャ州フォルリの領主であり、フォルリ独立時代の最後を象徴する人物でもあります。
ダ・ヴィンチがモナ・リザを制作し始めたのが1503年~1504年頃であり、カテリーナがメディチ家の従弟と結婚した時期と重なることから、
という点が関連付けられ、モナ・リザのモデルとして名前が挙がっています。
レオナルドは5歳まで母親と暮らし、その後父親が再婚したことで義母と暮らしましたが、その義母も16歳の頃に亡くしています。
ダ・ヴィンチは、実の母親も母親の愛情もよく知らず、また生涯母親の愛情に憧れ続けていたとされています。
どんな姿か覚えてすらいない母親を想い、その想いが結実した作品が『モナ・リザ』であるとも言われています。
堅物おじいさんのイメージを感じるダ・ヴィンチですが、実は容姿端麗で機知に富み、ユーモアのセンスも抜群で誰からも慕われていたパーフェクト・ヒューマンだったとされています。
そう、まさに「肖像画のモデルとしてこれ以上の人物はいない」と思えるほどに…。
そんな彼が、理想的な女性を描くため自身をモデルにしたという説も、あながち間違いではないのかもしれません。
最有力の人物は、リザ・デル・ジョコンド。
その他の説として、
ほか様々な人物が挙げられている。
「モナ・リザの正体は”リザ・デル・ジョコンド”で決まり!」
と言われちゃうと、歴史の謎がまた1個消えた気がして、ワクワクが無くなっちゃいますよね。
歴史ミステリーを楽しむなら、謎は謎のままいろんな説を「あ~でもない、こ~でもない」と想像するほうが面白かったりもします。
どの説を信じるかは、あなた次第です!
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