ブエノスアイレスで撮影されたある動画が今、話題になっています。
ぱっと見ると黒い柱・・・もちろん”柱と言っても鬼滅の刃の柱ではなく(笑) 本当に柱のような円柱状の黒い物体が映り込んでいるのです。最初に何も知らないでこの動画を見たら多くの人が「巨大竜巻じゃないの?」と思う事でしょう。
ですが、これ、実は大量の蚊の集団。つまり”蚊柱”です。
ブエノスアイレスで2月23日に撮影された動画・・・。
遠くに黒い円柱状の柱が見えています。どう見ても「巨大竜巻だ」としか思えないこの映像・・・。もちろん、巨大竜巻もかなり危険なんですが、柱の正体は蚊の集団です。
アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスで2月23日に撮影された、竜巻のように見える映像。実は巨大な「蚊柱」だ。
蚊柱とは大量の蚊が、大きな塊となって飛んでいるため、柱のように見える現象で、同国の大西洋岸の高温と、継続的な雨によって、蚊が大量発生したために出現したという。引用:【映像】巨大蚊柱が発生 アルゼンチンのブエノスアイレス(アフロ) – Yahoo!ニュース
Twitterに投稿された動画がこちらです。
いやもう、ものすごい数ですよね。蚊が数の力で押してきている!というわけ。
このよう蚊の柱をそのまま蚊柱(かばしら)と呼ぶそうですが、蚊か大量に発生すると柱のような形状になることがあるそうです。
YouTubeにロシアで撮影された蚊柱の動画があります。
これ、この黒いのがすべて蚊です。
見ているだけで痒くなってきそうですね・・・汗
見ているだけで痒くなってしまいそうな蚊柱ですが、蚊柱を作っているのはものすごい数のユスリカだそうです。ちなみに・・・ですが、ユスリカは刺しません。
とんでもない数のユスリカの集団ですが、実は蚊柱をつくるのはほとんどが雄で、雌の蚊はあまりいないんだとか。人を刺すのは原則、雌の蚊ですからもし刺すタイプの蚊が柱をつくっていたとして、その蚊柱の中に入っても「たくさん刺されて身体中に水玉模様ができる・・・」ということはなさそうです。
そして、どうしてこんなに群れるのかですが、蚊の雄が羽音をならして雌を呼んでいるからだそう。つまり求愛行動なんですね。
そして、雌はこのとんでもない数の雄の集団の中から雄を選んで交尾をして子孫を残すということになります。
つまり、蚊のお見合いパーティーが蚊柱なんですね。ただ、数は圧倒的に雌に有利ですから雌の蚊は蚊柱を見つけさすれば、雄と交尾ができて子孫を残せるということになります。
一方の雄は、単独行動している雌を呼ぶために群れて羽音を鳴らしているのに、それが仇となってライバルが多くなってしまうというなんとも不器用な話です。
もちろん、ブエノスアイレスで撮影された動画やロシアで撮影された動画のような巨大蚊柱は珍しいのですが、日本でも行けや湖などの近くで蚊が人の頭の高さくらいの位置で群れていることがありますよね。あれも蚊柱です。
日本ではびわこのびわこ虫が大量発生することでも有名。ちなみにこのびわこ虫もユスリカです。
参考資料:アース製薬 蚊柱(かばしら)を作るユスリカってどんな虫?蚊ではないって本当?