神の住む場所でありながら心霊スポットになった神居古潭!

北海道の心霊スポットを聞くと、必ずといっていいほど札幌にある平和の滝とならんでその名が出てくる「神居古潭(かむいこたん)」。

北海道の先住民・アイヌの人々の間では「神が住む場所」とされている場所なのですが、なぜ心霊スポットになったのでしょうか?

今回は筆者が過去に実際に行ったことのある心霊スポットのひとつでもある北海道旭川市の有名心霊スポット、神居古潭をご紹介!

神居古潭はもともとアイヌの人々にとって大切な場所だった

心霊スポットして有名になってしまったために、この場所がもともとどういう場所なのかというのを知らない人も多いのではないでしょうか。

神居古潭をアイヌの言葉にすると「神のいる場所」という意味を持つのですが、アイヌの人々は神様に関わりの深い場所などを「カムイ」と呼んでいたんですよ。

道路がきちんと整地されておらず、鉄道もなかった時代にはこの神居古潭の川を利用して物を運んだり移動していたそうです。この場所は石狩川の中でも川幅が急激に細くなる「渓谷」という難所。

川底も凹凸があって一番深い場所は約70mにもなるところがあり、よく事故が起こっていたため魔神という悪い神様が事故を起こしていると恐れていたんです。

アイヌ民族と隠された財宝をテーマにしたマンガ「ゴールデンカムイ」では、アイヌ民族の生活についてかなり細かく描写されてますね。

心霊スポットでありながら旭川の天然記念物・景勝地でもある!

意外だと思う人が多いと思いますが、実はこの神居古潭は地形が珍しく旭川市が指定する天然記念物にもなっているんですが、旭川市民に実はあまりしられていなかったりもするんですよ。

川底や川岸に固い岩がたくさんあるのですが、川の水に浸食されることで楕円形~円形の「かめ穴(ポットホール)」といいます。

神居古潭には上流~下流に7個あり、宮崎県の「関の尾のおう穴」や新潟県の「平根崎の波蝕おう穴群」などと同じように、とても貴重かつ重要なものなんです。

アイヌ民族の伝説にも登場し「鬼の足跡」として有名な2つの足跡は深さ約5m、直径が約2mと約1.5mの巨大なものも存在します。

神居古潭が心霊スポットになる要因とは?

神居古潭は旭川市の指定天然記念物であり、自然豊かな景勝地でもありますが、そんな場所がどうして心霊スポットと呼ばれるようになったのでしょうか?

やはり流れが複雑で事故が多かったことも要因のひとつですが、鉄道が走るようになってから起きた事故も原因と考えられます。

1901(明治34)年に「神居古潭簡易停車場」が作られ、鉄道が走るようになり今の閑散とした状況が嘘のように渓谷を見るために観光客が訪れていたんです。

しかし神居古潭は渓谷付近に鉄道を通すのも難しい場所で、落石や雪崩、土砂崩れなども起こっていました。

1932(昭和7)年に、8両編成の貨物列車ががけ崩れに巻き込まれた勢いで石狩川に転落してしまい、乗務員が亡くなるという事故が起こっているのですが、車輛はいまだに河川の中にあるという話もあるんです。

この事故以降、伊納~納内の間にトンネルが作られ、神居古潭を走っていた函館本線が付け変わることにより神居古潭駅は廃止されてしまいましたが、現在はサイクリングロードとして再活、神居古潭駅舎は復元されて休憩スポットになり、実際に使用されていた列車が展示されています。

神居古潭は遺体が上がらない?

神居古潭を流れる石狩川を神居大橋から見下ろすと、流れが急になっているところは渦を巻いているんですよね。

筆者はこの記事を書いている現在は関東に住んでいるのですが、生まれも育ちも旭川で10年前まで旭川に住んでいました。

中学時代、学校の先生に神居古潭の深いところに人や遺体が落ちてしまうと、上層と下層の流れの速さが異なるため、上がりにくいという話を聞いたことがあります。

実際にこの神居古潭で自ら命を絶つという悲しい選択をされた方もいたそうで、人によっては川を覗き込むと引き込まれそうになる・落ちそうになるということもあるようです。

また河川側を国道12号線が走っているのですが、河川付近ということと交通量が多いこともあって冬場は路面がブラックアイスバーンになりやすく、トラックなどの横転事故などもよく起きている場所です。

こういった背景もあることから、神居古潭は心霊スポットと呼ばれるようになってしまったのでしょう。

神居古潭の危険スポットは3か所!

神居古潭で幽霊に遭遇しやすかったり、急に空気が変わるといったことを体感することのできるポイントは3つあります。

しかも昼間はそこまで強く感じなくても、夜になるとがらりと雰囲気が変わり不気味な雰囲気が漂います。

女性の霊が出る?電話ボックス

国道側から神居大橋を渡ってすぐのところに電話ボックスがあるのですが、夜になると電話ボックスの中に女性の霊が出るという話があります。

自殺された方かもしくは付近を漂っている浮遊霊、国道の事故で亡くなったなどいくつか憶測を立てることはできますが、この女性の霊の正体については不明です。

実際知り合いから夜中にこの電話ボックスから電話をかけたところ、繋がりはするものの「ザー」ッという雑音しか聞こえず、相手と会話ができなかったという話もあります。

 運転手の幽霊が出ると言われている SL

神居古潭のサイクリングロードにある旧駅舎の近くに、廃線前に使用されていたSLが展示されているのですが、ここで運転手の幽霊が出るという話があります。

確実に出現するかはわかりませんが、霊感の強い人が行くと何か感じるものがあるようです。

近くにある神居古潭駅舎も誰もいないのに人の気配を感じる・視線を感じるという人も多いですよ。

実は一番ヤバイ?神居古潭トンネル

神居古潭の中でも一番ヤバイと思われるのがこの「神居古潭トンネル」。

学生時代に心霊スポット探索ではなく、サイクリングロードでサイクリングを楽しみに行ったことがあるんです。

このトンネルだけは、昼間でも異様な雰囲気が漂っていてここだけは通るの躊躇した……というより、なぜか足が棒のようになって動かなかった記憶があります。

夜のトンネルの様子は北海道の心霊系YouTuber・鳥肌チャンネルさんが実際に2019年に神居古潭に行った動画がUPされているので、そちらを見るとその怖さがわかるのではないでしょうか。

神居古潭は幽霊も怖いけど「クマ注意!」な心霊スポット!

いかがだったでしょうか。

神居古潭は旭川市の天然記念物に指定されていて景勝地としても素敵な場所ですが、過去に水難事故や列車事故が起こったこと、そして自ら命を絶ってしまった方がいることから、心霊スポットとなってしまったようです。

また水場は霊が集まりやすいという点もポイントになっているんでしょうね。

旭川市郊外なので車やバイク、自転車などの移動手段がないと行きにくいところですし、「クマ注意!」の看板もあったりしますし、スズメバチが巣を作っていることもあります。

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ある意味幽霊よりリアルの方が怖い場所でもありますよ

余談ですが昔札幌のライブ会場から旭川に帰る途中に自分で車を運転していて深夜に神居古潭を通りかかったとき、照明もない真っ暗な中で某格闘ゲームの女性キャラのコスプレで写真撮影していたお姉さん見てそっちの方がビックリでした。

北海道という少し特殊な地域

現在では日本屈指の観光地域でもあり、おいしい食べ物や広大な自然のイメージが強い北海道ですが、歴史的に見ると江戸幕府が終わる明治維新が起こっていた時代には、まだあまり開拓の進んでいない場所でもありました。

あの新選組の鬼の副長、土方歳三が命を落としたのも函館の五稜郭ですし、第二次大戦後の現在では北方領土問題や中国による土地の買収なんて言う噂も多いですね。

北海道はたしかに心霊スポットなども多く語られる場所なのですが、ヒグマによる人間への事件でも有名です。

心霊スポットなどは基本的に山奥や過疎地になった場所にあるものですから、幽霊に出会う前にヒグマにばったり・・・なんて笑えないですね・・・。

北海道でキャンプをする人や山に入る人はほぼ必ずクマについての知識を持っていますし、熊よけスプレーは必需品だそうです。