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油断対敵の語原になった「比叡山」の灯

「油断大敵」という言葉をみなさんもご存知かと思います。よく耳にする四文字熟語ですし、会話の中で使ってるって方も少なくないでしょう。

油断大敵の意味をかみ砕くと「少しの油断が失敗につながるよ」って感じでしょう。

日常的に使われるこの言葉…よく見るとなぜ「油断」なのでしょう。油を断つで油断。この語源に迫ってみましょう。

油断大敵の油断は「油を切らすこと」だった

油断大敵の油断…これは、本当に「油を切らすな」という意味。と言われてもあまりピンとこないかもしれません。

油断大敵の油断…この語源は比叡山延暦寺にあるとされています。

比叡山延暦寺とは

比叡山延暦寺は滋賀県にある寺院で、標高848メートルの比叡山全体が寺院の境内になっています。

比叡山延暦寺は、平安時代の僧侶「最澄」が開いた天台宗の総本山として有名。教科書にも出てくるとても歴史あるお寺です。

この比叡山延暦寺と油断大敵…一見、何の関係もなさそうに思えますが実は比叡山延暦寺に油断大敵の語源があるんです。

最澄が1200年前に灯した火が今も燃えている

比叡山延暦寺を作ったのは最澄というのはみなさんもご存じかと思います、それは、今から1200年前のことでした。

そして、最澄は自ら薬師如来を作り灯火を自ら灯しました。そして、この最澄が灯した火・・・実は1200年経った今も絶えることなく燃え続けているのです。

“不滅の法灯”と呼ばれるこの灯りを守るために比叡山延暦寺の僧侶はいつも「油が切れないように」してきたのです。

ですが、決して火に油を足す役目を背負った僧侶がいるわけではなく、みんなで注意してこの大切な灯火を守ってきたのです。

気を抜いたら最澄の時代から守られてきた炎灯が消えてしまう…。まさに油断大敵なのです。最澄が灯した大切な炎灯が少しの油断で消えてしまったら…そんなことになったら取り返しがつきません。

そうならないように、比叡山延暦寺の僧侶達は常に油断することなく時間を過ごし、修行に励んできたのです。

ちなみに、この火に使われているのは菜種油。

これを朝晩継ぎ足して経過した時間は1200年…火が絶対に耐えないようにみんなで守ってきたのです。

これが油断大敵という言葉の語源だと言われています。

1200年前に灯した灯りが今もまだ燃え続けている…。文章にするといかにもシンプルな響きですが、歴史上の人物がつけた火がまだ燃えてる!わけですから、こればとんでもなくスゴいことですよね。

焼き討ちの時には不滅の炎灯はどうなった?

比叡山延暦寺といえば、焼き討ち!をイメージする方も多いことでしょう。長い歴史の中で比叡山延暦寺は焼き討ちにあったことがありました。

織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ちにしたさいには、この不滅の炎灯が消えてしまったそう。ですが、この貴重な炎灯は長い歴史の中で分火されていたのです。

つまり、焼き討ちで比叡山延暦寺の不滅の炎灯は消えたものの、別のお寺で分火していたのでセーフ!分火した炎を分けて貰い、比叡山延暦寺にまた不滅の炎灯が戻ってきたのです。

ふーっと吹けば消えてしまう炎を1200年もの間、守り続けてきた比叡山延暦寺。

油断大敵という何気ない言葉の裏には数多くの僧侶が築き上げてきた、油断せず火を守る歴史があったんです。

まとめ

油断大敵という言葉の語源は、滋賀県の比叡山延暦寺にある「不滅の炎灯」から来ていると言われています。

最澄が比叡山に延暦寺を開いたのは今からおよそ1200年前のことです。この時、最澄が灯したのが不滅と炎灯…。それから1200年もの長い不滅の炎灯はずっと守られて、燃え続けています。

火を1200年守り抜く…並大抵のことではないたくさんの人の努力がそこにあったことは想像に難くありません。

気を許して油断すると大きなミスにつながる…油断はまさに大敵です。

参考資料: 油断大敵の語源って?? | 長秋山 慶国寺 – 日蓮宗 慶国寺

油断大敵の語源は、1200年間 燃え続ける不滅の法灯

 

Miiko

ライター歴約10年 法学系院卒 得意記事は、歴史・スピリチュアル・法律等々 福岡の隅っこでコーヒー片手に執筆中