映画「リング」のモデルとなった千里眼事件とは?

日本で最も有名なホラー映画と言えば「リング」とほとんどの人が思い浮かべると思います。

実はこの映画のモデルとなった事件が本当に実在したといわれているのです。

今回はそんな、映画「リング」のモデルとなった事件について紹介していきたいと思います。

事の発端

明治19年に熊本で御船千鶴子(みふねちずこ)が生まれます。

この方は千里眼という超能力をつかえるといわれていました。

千鶴子が22歳の時に当時結婚していた夫の財布から50円(現在約18万円ほど)がなくなります。

すると、千鶴子が夫の母親が犯人だと言い出し、彼女の仏壇を見ればそこに50円があるといわれ、実際に探してみると見事にそこに50円があったのです。

そのことが発端で母親は自殺未遂を図ってしまい、そのこともあり夫婦仲は悪くなり、二人は離婚をしてしまいます。

離婚後は、千鶴子は実家に帰省することになったのです。

御船千鶴子は千里眼が使えた?

千鶴子が実家に帰省後に義理の兄清原猛雄に「千里眼が使える」といった催眠をかけられたことがきっかけで、この能力に目覚めました。

今までの千鶴子は、この能力を本能的に使っていたのですが、この義理の兄清原の催眠によって意識的に使えるようになったといわれているのです。

義理の兄が経営していた病院で患者に対して体内透視を行い治療をしていたといわれています。

大学教授のもとで実験が行われた

企業の依頼で炭鉱を透視で見つけたという話もあり、新聞社などに多く取り上げられ千鶴子はかなり世間で有名になり始めます。

「千里眼」を持つ女としてたちまち有名になった千鶴子ですが、その能力を大学教授が興味を持ち、本物なのかと調査をすべく、千鶴子を使って実験することが決まったのです。

恐らく、これは日本で初めて超能力に対して科学的な実験をした瞬間でした。

大学教授は東京帝国大学文科大学の福来友吉准教授(心理学)と京都帝国医科大学の今村新吉教授(医学)といった人たちと実験が始まったのです。

実験は、清原立会いのもとに行われました。

実験内容は、背を向けて対象物に触れないで透視するというものでした。しかし、緊張のせいか失敗してしまいます。

次に、清原が用意した名刺をツボの中に入れ、ツボの中に入れた名刺を手で触れながら透視を行ったのです。

その結果はなんと見事に成功したのです。

この結果を見て二人の大学教授は「この能力は本物だ」と心理学界には発表します。

科学者が「本物」と認めたことにより、千鶴子はさらに有名になり、新聞などで大きく取り上げられるようになりました。

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そして千里眼事件へ

千鶴子の能力に関して、「本物派」「偽物派」と大きく分かれていて、その中で大論争が繰り広げられていました。

この大論争に終止符を打つために行われた実験での出来事が「千里眼事件」なのです。

1910年(明治43年)東京帝国大学の物理学の権威山川健次郎が立会い、多くの新聞記者などが参加する大規模実験が開催されました。

実験内容は複数の鉛のカンの中に丸めた紙を入れ、ハンダ付けし、ランダムに選んだカンの中の紙に書かれていることを読み当てるという実験でした。

この透視を千鶴子は別室で行うことになりました。

そして、千鶴子は一つのカンを選びその中の文字を回答しました。

「盗丸射」

なんと、見事に言い当ててしまったのです。

このような結果により、千鶴子の能力は「本物」という結論に至ったのでした。

しかし、その後「最初からあんな文字の紙は入っていなかった」ということが判明したのです。

あの紙は、前日に清原と千鶴子が練習用に使ってもので、千鶴子はお守りとして持っていました。そのお守りとして持っていたものをすり替えたのではないかという疑問が生まれたのです。

すると、千鶴子は「練習用と実験用をすり替えた」と答えたそうです。

このことがあり、世間は千鶴子に大バッシングを与えます。

そして終わり

彼女に対する実験はこの時まで行われました。

前回のようなこともあり、いくら成功しても世間からは認められることはなかったそうです。

明治44年に染料の「重クロム酸」服毒し自殺を試みます。

急いで駆け付けた遺族が「何か言い残すことは?」と聞くと、千鶴子は「いえ、何も言い残すことはございません」

と言い残し息をふき取ったそうです。

まとめ

千鶴子が亡くなった後に千鶴子と同じで、透視で名を挙げていた長尾郁子も病死しています。

このようなこともあり、日本では超能力に関する実験がタブー化されました。

諦めきれない福来友吉准教授は「高橋貞子」に出合います。

高橋貞子に対して実験を行おうとしますが、世間が超能力に関して否定的な意見が多かったため、実験は行われなかったのです。

その後、高橋貞子の行方は消息不明となっています。

もしかしたら、本当に透視という能力が存在していたのかもしれませんね。

透視ができることで、不都合になる人間もいたとされているため、もしかしたら何かの力によって消されたということも考えられますね。

以上が映画「リング」のモデルとなった事件でした。

映画ともかなり共通点があるそうです。興味のある方は是非「リング」を見直してみてはいかがでしょうか?

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Nakanohito

オカルト系では「未解決事件」「殺人事件」「猟奇的事件」などの事件系を得意としています。