ロヒンギャや東ティモール、カンボジアやインドシアなど世界中で戦争や弾圧が起こるとその場所から逃げて来る人たちがいます。いわゆる「難民」です。
弾圧や戦火から逃れるために、家や住み慣れた土地を捨てて逃げてくる人は国境を超えて他国に避難することも珍しくありません。
ニュースでもよく耳にする「難民」という言葉…難民とはどんな人たちの事なのか、そして、日本は難難民申請を受け入れにくいと言われていますがそれは事実なのでしょうか。
[amazonjs asin=”4772613536″ locale=”JP” title=”世界の難民をたすける30の方法”]画像:Pixabay
難民については「難民の地位に関する条約」で次のように定義されています。
「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」
人達の事。つまり、弾圧や戦争などの命の危機から逃げて、国境を超えて他国に入った人のことです。
もちろん、難民の多くはパスポートを持っていませんし正規のルートで正当に外国に入国ることは難しくなります。命からがら逃げてくるわけですから、それはした方のないことです。もちろんこれは、平常時なら不法入国となりますが、命からがら逃げてくる武器を持たない一般の人たちを追い返すことはできません。
ちなみに、国境を超えてはいないものの同じように避難してきた人のことは「国内避難民」と呼ばれています。
難民の多くは「難民キャンプ」などで生活をしてその後、様々な支援を受けて近隣の国家に難民として正式に受け入れてもらうか、情勢が安定して命の危機が去った場合は自国に戻ったりします。
参考資料: UNHCR
難民と移民の定義 | 国連広報センター
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難民は戦争や弾圧で自国を離れて避難してきた人の事ですが、 難民条約(1951年の難民の地位に関する条約)という条約でルールが定められています。
難民として認定されるためには
(a)人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に,迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有すること
(b)国籍国の外にいる者であること
(c)その国籍国の保護を受けることができない,又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者であること
(引用:外務省ホームページ https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/nanmin/main3.html)
つまり、
が、外国に逃げた場合が難民ということです。
日本はこの難民条約に加入していますので、難民の定義に当てはまる人が逃げてきた場合には、不法侵入や不法滞在者として処罰したり、送還することはできません。
難民とよく似ているのが、移民です。
移民については経済協力開発機構は「国内に1年以上滞在する外国人」としています。移民の場合は自国を出国した理由は特に限定されていません。ですが、難民は命の危険があって逃げて来た人のことですから、外国にやってきた理由が大きく違います。
ですが、移民の場合は何かトラブルに巻き込まれた時には自国に助けてもらえますが、難民はそれができません。なので、難民を保護する為に、条約でルールがつくられているのです。
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日本は難民条約に加入している国ですが、難民の受け入れに関してはかなりシビアな国といっていいでしょう。
法務省が発表している「平成30年における難民認定者数等について」という資料では、平成30年の難民認定申請者数は10,493人ですが実際に難民申請を受け入れられた人は42人…つまり0.2%以下です。2017年度は19,629人に対して申請が認められたのは20人ですので、日本で難民申請してもほぼ受け入れられないといっていい数字です。
これは、アメリカやヨーロッパと比較しても極端に低い認定率です。
難民認定されない場合でも、人道配慮による在留特別許可を貰える場合もありますし、入国管理局に再度の審査の請求もできます。それでもダメなら裁判という手もありますが、もともと自国から逃げて来た人がこの手続きをすることにはかなり無理があると言わざるを得ないでしょう。
法務省は「決して難民への壁を意図的に高くしているわけではない」と言いますが、数字だけ見るとかなりの狭き門であることは事実です。
日本がなぜ、難民をなかなか受け入れないのかについては様々な意見がありますが、難民に対するネガティブイメージ、そして、そもそも日本国内に在日韓国人が多数で在留していることなどもその要因のひとつかもしれません。
難民とは何か、そして、日本はどのくらいの難民を受け入れているのか…。ちょっと高い話になりましたが、ロヒンギャやインドシナ難民などご紹介する前提として知っておいていただきたい情報をまとめました。
難民には人道支援だけでなく国際政治なども深く関わっています。難民を考えれば世界の闇を少しだけ垣間見ることができるのです。
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