現代とは違う価値観が存在していた時代には、日本にもそして世界中のいたるところに「信じられない…」と耳を疑うような習慣がありました。
裁判にまで発展した「おっとい嫁じょ」や明治ごろまで実在した「おじろく・おばさ」や「婿投げ」など。
考えるとゾッとするような習慣は比較的、閉鎖的な田舎に多いような印象も受けます。
そんな習慣のひとつ…夜這いと夜伽について見ていきましょう。
公開日:2019年9月26日 更新日:2020年1月15日
夜這いと言われるとついつい時代劇や昔の貴族の情事を連想します。もちろん、それも間違いではありません。
ですが、実はとても恐ろし夜這いの風習がつい最近まで残っていた地域があるのです。
昭和初期まで続いていたとされる夜這いは、その地域に残された「成人の儀式」でした。
成人式と言えば、お酒を飲んだり騒いだり…ですが、その成人の儀式はそういうものではありませんでした。
成人式と言えば1月ですが、この儀式はお正月の松の内が終わると同時にスタートします。
松の内があける夜になると、成人した男性たちが、同じく成人した女性で想いを寄せている人のところに一目散に駆け出していきます。
そして、夜這いをかけるのです。つまり、セックスをするわけ…。
まぁ、ここまでならお互いの同意があれば別に良いような気もしますが、こわいのはここから…この夜這いは同意もなにも、女性のところに最初に到着した人が「一番槍」次が「二番槍」といわれて順番に女性を犯していくという、今では考えられないものでした。
つまり、恋人がいても好きな人がいても関係ない!女性は、その夜だけは最初に到着した人から順番にセックスをしなければならなかったんです。
そして、女性は一番槍の人から順にセックスをして…好きな人が巡ってくれば結婚を前提にお付き合いするというのです。
つまり、好きな人が一番槍で駆けつけてくれればいいわけですが、そうじゃなかったら、その人の順番が回ってくるまで他の男性とセックスするしかないわけです。
男性は、結婚できなくても走っていけば1度だけは抱ける!なんて思っていたんだとか。。
そして、この夜這いに参加しない男性や、一人も抱けなかった男性はその後、村八分にされたのだとか…。
貞操観念もなにもあったもんじゃありませんし、女性は性の対象で夜這いを断ることができなかったというのも恐ろしい話です。
田舎で嫁!なんてキーワードを出されたら、嫁いびりなんかが頭をかすめますが、ここまでくると嫁いびりどころではありません。
信じて好きになった旦那から「しっかりもてなしてこい」と言われた時の女性の絶望は相当なものだったことでしょう。
そして、それが当たり前という環境で育ったがためになんとも思わない男性の感覚も恐ろしいものです。
夜伽という言葉には、いくつかの意味があります。ひとつは、亡くなった人の隣で近しい人間が眠ることです。
これは、お通夜のようなものですね。そしてもう一つは、夜通し看病をすること。これも別に怖いものではありません。
そして、最後…これは女性が男性に一晩中付き添ってお相手をすることです。つまり、その多くは…性サービスというわけ。
日本のある田舎の村では、夜伽の習慣はお客様に対する最高のおもてなしでもありました。
その村に都会からお嫁さんに行った女性の話です。とても閉鎖的な山間の村で、若い女性はほとんどいませんでした。
嫁にいって数か月したころに、その家に大切なお客様が見えたのです。そのお客様は食事を召し上がってお酒を飲んで、遅くなったので宿泊することになったのですが、姑から信じられないことを命じられるのです。
それが夜伽でした。
つまりお客様の部屋を下着姿で訪問してそのままセックスしてこいというのです。
驚くことに、この女性の旦那にあたる人もそれを止めず「しっかりもてなしてこい」と言ってのけたそう。
親子ほど歳が離れた、初対面の男性の部屋に下着姿で送り込まれること恐怖に耐えられなかったその女性は、夜伽にいく振りをして裏口から逃げたそうです。
途中の山道で、脱走はなんとか成功したのですが、その女性の義実家の人と近所の住民は車を出しあたりを捜索していたとか。
なんとか逃げ伸びたものの、そのあと恐ろしい数の書類が実家に届いて「夜伽はしきたり」であること、そして、帰ってきたら集落のすべての男性に対してお詫びで「夜伽」をしろと書かれていたそうです。
これは、実は実話。
プライバシーに関わるので具体的な地名は出しませんが、夜伽させられそうになって逃げ出した女性がいるのです。
平成から令和になった今、大っぴらに夜伽や夜這いの習慣を残している場所はほとんどないといっていいでしょう。
ですが、情事はいつの世でも秘め事…ですから、もしかするとどこかでひっそりとそういう風習の名残が息づいている場所もあるかもしれません。
今回は、男女の情事にかかわるゾッとする話をご紹介しました。
昔と今では貞操観念がかなり違う訳ですが、それにしても恐ろしい話…だって、松の内が開けた夜に自分のところにそこらじゅうの男性が走ってセックスにしくるんですから…。
綺麗な女性であるほど、怖い夜だったことでしょう。
有名な平安時代の作品である「源氏物語」では、主人公が沢山の女性のところに夜這いに行くというストーリーがあることから、時代によってはこういったしきたりがあったのかも知れません。
しかし、一部の地方とは言えど、近年においてこういった風習が”あたりまえ”だとされていたという事実には驚きを隠せません。
こういった負の文化が残っている地域では、「わたしたちも通ってきた道なのだから」という暗黙のルールが敷かれていたのかも知れませんね。
そして、そのルールから外れる人間には”村八分”や”差別”という制裁をする・・・・。
「しきたり」というものは恐ろしいです。
オカルトオンラインでは、他にも地方の怖い風習について紹介しています。東北では、飢饉のときに子殺しや人肉食を行っていました。
コチラでくわしく紹介していますので、ぜひご覧ください。