教育勅語ってなに?実は危ないものではなかった!

“教育勅語”って聞いたことありますか?

森友学園が運営していた幼稚園で子供が読んでいたことで話題になったことを思い出す人も多いのではないでしょうか。そして、読んだことはないんだけどなんとなく「やばそう」とか「怖い物」ってイメージを持っている人ももしかするといるかもしれません。

教育勅語ってそもそもいつ作られたどんなもので内容は本当に批判されるようなモノなのでしょうか。

教育勅語は”教育ニ関スル勅語”

教育勅語が作られたのは明治のことです。

教育の基本方針として発布されたもので、明治23年10月30日に発布され、昭和23年6月19日に廃止となりました。勅語ですから、天皇から発さられたもの・・・教育勅語は明治天皇の勅語です。

教育勅語の全文は315文字で、家族国家観による忠君愛国主義、そして、儒教的道徳を思想としています。教育勅語の発表に関しては紆余曲折、様々な意見があり様々な構想が練られました。

そして、発布されたのが“教育ニ関スル勅語”なのです。

 

こんな言葉を聞くと「やっぱりやばそうじゃん」と想ってしまいますが、教育勅語の内容が危ないモノと言うことはありません。

“教育ニ関スル勅語”にはどんなことが書かれているの?

家族国家観とか、忠君愛国主義、とか儒教的道徳とか言われるとイメージだけでも厳しくてなんとなく怖くて危ない思想・・・、おまけにちょっと時代遅れな感じがしてしまうかもしれません。

でも、教育勅語の内容は読んでみたら「いや、それって普通に良いことじゃん」って思うところもあるんです。

教育勅語の内容はこちら

 

朕󠄁惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇󠄁ムルコト宏遠󠄁ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦󠄁相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博󠄁愛衆ニ及󠄁ホシ學ヲ修メ業ヲ習󠄁ヒ以テ智能ヲ啓󠄁發シ德器󠄁ヲ成就シ進󠄁テ公󠄁益󠄁ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵󠄁ヒ一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ是ノ如キハ獨リ朕󠄁カ忠良ノ臣民タルノミナラス又󠄂以テ爾祖󠄁先ノ遺󠄁風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道󠄁ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺󠄁訓ニシテ子孫臣民ノ俱ニ遵󠄁守スヘキ所󠄁之ヲ古今ニ通󠄁シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ

明治二十三年十月三十日
御名御璽

よ、読みにくいですね(笑)

もちろん、現代語訳もあるのでこっちにしましょう!

私は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます。そして、国民は忠孝両全の道を全うして、全国民が心を合わせて努力した結果、今日に至るまで、見事な成果をあげて参りましたことは、もとより日本のすぐれた国柄の賜物といわねばなりませんが、私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます。

 国民の皆さんは、子は親に孝養を尽くし、兄弟・姉妹は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲睦まじく解け合い、友人は胸襟を開いて信じ合い、そして自分の言動を慎み、全ての人々に愛の手を差し伸べ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格を磨き、さらに進んで、社会公共のために貢献し、また、法律や、秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。そして、これらのことは、善良な国民としての当然の努めであるばかりでなく、また、私達の祖先が、今日まで身をもって示し残された伝統的美風を、さらにいっそう明らかにすることでもあります。

 このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私達子孫の守らなければならないところであると共に、この教えは、昔も今も変わらぬ正しい道であり、また日本ばかりでなく、外国で行っても、間違いのない道でありますから、私もまた国民の皆さんと共に、祖父の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように、心から念願するものであります。

引用:明治神宮 教育勅語

よーーく見てみると

  • 父母に孝行
  • 兄弟姉妹仲よく
  • 夫婦互に睦むつび合い
  • 朋友互に信義を以って交り
  • へりくだって気随気儘きずいきままの振舞いをせず
  • 人々に対して慈愛
  • 学問を修め業務を習つて知識才能を養う
  • 善良有為の人物となる
  • 万一危急の大事が起つたならば、大義に基づいて勇気をふるひ

あれ?なんか普通にいいこと書いてない?

はい、そうなんです。

もちろん、今とは違う天皇制がとられていた時代の文章ですから、今の時代にそぐわない部分は確かにあります。でも、兄弟や夫婦は仲良くして、友達は大切にして、偉そうにしたりせずに、勉強して善良な人になって、何かあったら勇気を持って立ち向かう・・・。

これって、教育の方針としてめちゃくちゃまとも!てか、こんな子供になってくれたら親としては嬉しい限り!

教育勅語には”日本人として大切なこと”が詰まっている

なんとなく怖いイメージがある教育勅語ですが、内容を読んでみると日本人として何が大切なのかを説いた教育方針として至極まともなものです。

教育勅語は、友達や家族、奥さんや旦那さんを大切にして、偉そうすることなく人に接して、ルールを守っていきましょう。そして、自分を高めるために勉強をしてみんなのためになることをしていきましょう。そして、もし、何かがあったときには勇気を持って行動するような人間でいましょうと言っています。

こういった内容を【教育勅語の十二の徳目】というのですが、これを守る人ってとっても良い人ですよね。

参考資料:文部科学省

明治神宮 教育勅語

まとめ

教育勅語は、明治天皇の勅語として発布されて教育の基本方針で、昭和23年に廃止されたモノです。ちょっと怖いようなイメージがあるかもしれませんが、内容は時代に合わないところもたしかにありますが、子供の教育方針としては今でもお手本にできるようなものです。

危ない思想が詰め込まれていると思っているかたもいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いです。

教育勅語は日本人として大切なこと、大人になる過程の中でぜひ、子供に学んで欲しい教えです。

Miiko

ライター歴約10年 法学系院卒 得意記事は、歴史・スピリチュアル・法律等々 福岡の隅っこでコーヒー片手に執筆中