テレビやラジオ、そしてインターネットもそうですが、たくさんのニュースが連日報道されています。
スポーツニュースや芸能人のゴシップ、政治ネタなどニュースではいろんな話題が取り上げられますが、今回注目したいのは「事故系」のニュースについてです。
交通事故や火事の現場、工事現場などいろんなところで不幸にも事故が起こるわけですが…
事故のニューㇲを伝えるために使われている隠語の意味を知っていますか?
何気なく使われている言葉ですが、その意味がわかると…それでもあなたは平常心でニュースを見ることができるでしょうか…。
公開日:2019年9月19日 更新日:2020年1月13日
隠語とは、特定分野の専門家や仲間内で使用される言葉の事です。
なんとなく生まれた言葉もたくさんありますが、報道などで使われている隠語は、情報漏洩の防止や言葉にオブラートをかけて表現を柔らかくして耳あたりがいいようにするために使われています。
隠語を使えば、夕食時のニュースでも朝のニュースでも視聴者に不快感を与えずにただ「こんなことがあったよ」と情報を流すことができるというわけです。
ニュースの隠語には
「全身を強く打って死亡」
「頭部を強く打って」
「胸などを強く打って」
「重傷」
「重体」
「保護されました」
「発見されました」
「みだらな行為」
「わいせつな行為」
「いかがわしい行為」
などなど…一度くらいは聞いたことがある言葉ばかりではないでしょうか。
何気なく今まで聞き流していたこの言葉の意味をご紹介しましょう…。
ニュースの隠語は、なんとなく聞いただけだと「ふーん」と聞き流してしまう野ですが…意味が解ると聞き流せなくなるかもしれません。創造力豊かな方にとってはつらいかもしれません。
では見ていきましょう。
全身を強く打って死亡…遺体が原型をとどめていない状態で内臓が飛び出ている場合や、首が取れかかっていることもある。素人が一目見ただけでも「助からない」と解る状態。血まみれの遺体になっていることもある
頭部を強く打って…頭部ですから、頭が原型をとどめていない状態。頭部以外は損傷が服内場合に使用されることが多い
胸などを強く打って…上半身、中でも胸のあたりが原型をとどめていない状態。内臓が出ていることもあるが、頭部や下半身の損傷が少ない
心不全で死亡…自殺の可能性がある場合や死因が不明の場合
重傷…命に別条はないものの骨折などひどい怪我をしている
重体…生命の危機があるほどの状態だか死亡はしていない生命を維持する機関に大きな損傷がある
保護されました…怪我などがある状態で見つかった。怪我がない場合は「無事保護」
発見されました…遺体が見つかった
乱暴する…強姦
殴る蹴るなどの暴行…暴力
みだらな行為…合意がある性行為
わいせつな行為…合意がない身体の接触 つまりBまで強姦まではしていない
いかがわしい行為…わいせつより軽めの性的いやがらせ
よく交通事故のニュースなどで「被害者は全身を強く打って間もなく現場で死亡が確認されました」という言葉聞きますよね。
あれは、全身が血まみれで骨折や裂傷、そして、内臓が飛び出ているような凄惨な事故現場だったことを表しているんです。それが頭部なら頭だけ、胸なら胸を中心とする上半身が激しく損傷していて原型をとどめていない状態です。
そして、性犯罪の表現ですが、暴行や乱暴という言葉が使われる場合は、合意がない性行為…つまり被害者は強姦されたということになります。
逆にみだらな行為という場合は、売春などでも、双方の合意があるということになります。
ニュースの隠語をご紹介しましたが、大きな事故などでよくブルーやイエローのシートを広げている現場の空撮をみますよね。
実はあれ、トリアージというんです。
トリアージとは、選別という意味で現場が混乱している時に意思が患者の状態によって優先順位を決めるために使われるんです。
赤…最優先治療群 重傷ですぐに治療が必要な状態
黄…準救急治療群 数時間治療が遅れても命には影響がない
青…治療保留群 歩行できる状態
黒…不搬送群 すでに死亡しているか、生命反応はあるものの治療をしても助かる可能性が低い
つまり、事故現場のトリアージで黒をつけられたら…その人はもう助からないから一番後回しというわけです。
もし、あなたが事故に遭って動くことができない状況で、自分に赤のタグなら最優先で治療を受けられますが、もし黒いタグをつけられたらそれは「死」を意味しています。
もし、あなたが赤のタグ、そして、となりにいるあなたの大切な人が黒のタグだったら…。
考えたくありませんが、大きな事故の現場ではそうやって選別が行われるのです。
何気なく見ているニュース画面ですが、意味が解るとリアリティが出できますね。
ニュースの隠語の意味とトリアージ…。今まで、なんとなく聞き流していた、見ても「へー大変そうだな」と流していた映像。
ですが、意味が解るとその現場の生々しさが少し感じられるのではないでしょうか。
さぁ、あなたは今日のニュースをどんな気持ちで見ますか?
今回は一般的なニュースなどでも使われている隠語について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
表現を柔らかくすることによって直接的な描写を避けるようにしているのは、報道によってのショックロスを考えた結果だと考えられます。
それよりも恐ろしいのはやはり「トリアージタグ」ではないでしょうか?
命の順番を付けられているような気持ちであまり気持ちの良いものではありませんし、助かる命と助けられない命が分かってしまうというのは恐ろしいですよね。。