幾度となくアップデートしてきた音楽の歴史の中で、まさに異端ともいえる才能を発揮した人たちがいました。
しかし27クラブに代表されるように、類稀な才能を持ったミュージシャンの寿命は短いことが多く、「悪魔に魂を売った」と噂されることも多いのです。
今回はそんな「悪魔に魂を売った」と噂されるアーティストを紹介します。
当時の音楽では革命的ともいえる曲をいくつも生み出し、ブルースやロック界に多大な影響を与えたブルース歌手のロバート・ジョンソン。
歌詞は地獄や悪魔といったまがまがしい内容にも触れており、悪魔崇拝者であることがわかっています。
彼は幼いころ、ミシシッピ州のある農園で働いていましたが、その時何者かがロバートに「ギターを持って十字路(クロスロード)に行き、悪魔に魂を売り渡せばギターのテクニックを身につけられる」といいました。
言葉を聞いたロバートは、ルート61とルート49が交わる十字路に行き、寿命と引き換えに悪魔と契約したといいます。
そしてロバートは27歳という若さでこの世を去り、27クラブの第一人者となりました。
「20世紀少年(20th Century Boy)」などのヒット曲で知られ、グラムロックの最先端として1970年代の音楽シーンを牽引したT.REX。
そのフロントマンのマーク・ボランも悪魔と契約を交わしたミュージシャンの1人です。
彼はデビューする前、パリで魔術師と共に住んでいた時「20代で大成功するが、30歳までに血まみれになって死ぬ」と予言されたといいます。
その後、マークはソロでの「The Wizard(魔女)」でデビューし、その後T.REXで一気にスターになりました。
しかし魔術師の予言通り、1977年に交通事故でこの世を去りました。なんと、30歳になるわずか2週間前のことでした。
イギリスのロックバンドで世界的に大人気となったビートルズのボーカル・ギター、ジョン・レノン。
日本でも大人気で、もはや世界中に知らない人はいないほどの人物ですが、彼らは熱心なサタニストでした。
ビートルズのスタッフは「彼らは完全にアンチキリストだ」と語り、ジョン・レノン本人も「キリスト教は衰退するだろう。僕は正しいといずれ証明される。今、僕らはイエスよりも人気がある」といいました。
また、ジョン・レノンは自ら「悪魔に魂を売った」といっており、伝説のサタニスト、アリスター・クロウリーを崇拝していたこともわかっています。
1970年代の最高のロックバンドのひとつといえば、Led Zeppelinでしょう。
そして後にギタリスト四天王とも呼ばれるほどカリスマ的人気を誇ったこのバンドのギタリスト、ジミー・ペイジも悪魔と契約したといわれています。
アルバムのジャケットデザインには伝説のオカルト師・サタニストのアリスター・クロウリーの言葉が書かれ、ジミー自身もクロウリーに入れ込んでいたため、クロウリーの邸宅を購入したのだとか。
Led Zeppelinの代表曲「天国への階段(Stairway to heaven)」を逆再生すると、悪魔崇拝のメッセージが聞こえるという都市伝説も有名です。
バンドは人気絶頂の中解散し、メンバーの身内やドラマーのジョン・ボーナムなど死者が相次ぎました。
悪魔と契約を交わし、音楽の才能や地位を得たミュージシャンを紹介しました。
どこまで本当かはわかりませんが、ロバート・ジョンソンが音楽シーンに表れた以降、ミュージシャンにとって悪魔と契約することはとても魅力的なことだという風潮があったようです。
「悪魔と契約を結んだ」というのはミュージシャンにとってある種のステータスと化していたんですね。
宗教や悪魔崇拝に関心の薄い日本ではちょっと考えづらいですが、海外の音楽シーンでそういったムーブメントが起こるのは自然なことなのかもしれません。