どんな人であれ、エイズという言葉を一度は聞いたことあるだろう。
正式名称は後天性免疫不全症候群であり、性交渉や輸血などによって感染することがある。
昔は死の病気と呼ばれていたものの、長年の研究によって完治した患者が現れるほど改善された。
しかし、そんなエイズにはとある都市伝説があることをご存知だろうか。
今回はエイズにまつわる都市伝説「エイズ・メアリー」について紹介する。
「エイズ・メアリー」という都市伝説は、非常にシンプルな内容だ。
観光である国を訪れた外国人が、偶然魅力的な女性に遭遇する。
女性は男性を誘惑し、そのままホテルで一夜を共にした。
翌朝に男性が目を覚ますと、隣にいた女性が消えていることに気づく。
ただ荷物は盗まれていなかったため、「早めに帰ったのだろう」と思い、洗面所へ向かった。
しかし、男性は洗面所にて衝撃的なメッセージを目にしてしまうことになる。
洗面所には真っ赤な口紅でこのように書かれていたのだ。
「Welcome to the world of AIDS(エイズの世界へようこそ)」と。
アメリカで有名な都市伝説であり、日本では「ルージュの伝言」として知られている。
「ルージュの伝言」の内容はアメリカ版とほぼ同じであるため、もしかすると聞いたことある方がいるかもしれない。
実は「エイズ・メアリー」には、男性版の「エイズ・ハリー」という話もある。
ある国へ観光目的でやってきた女性が、現地の男性に誘惑されて一夜を共にした。
翌朝、男性から「帰りの飛行機で開けて欲しい」と言われてプレゼントをもらう。
言われた通りに機内で開けると、そこには「Welcome to the world of AIDS」というメッセージと棺桶の形をしたブローチが入っていた。
若干内容が異なるとはいえ、ほとんど「エイズ・メアリー」と同じ内容といえるだろう。
ただ、知名度としては「エイズ・メアリー」のほうが知られており、「エイズ・ハリー」はあまり有名ではない都市伝説である。
「エイズ・メアリー」のモデルはハッキリしていないものの、「メアリー・マローン」がモデルではないかとされている。
「メアリー・マローン」は「腸チフスのメアリー」とも呼ばれる人物であり、1900年代初頭のニューヨークで腸チフスが流行する原因となった人物である。
住み込み料理人であった彼女は、腸チフスの原因となる菌を持っていながら発症しないという健康保菌者であったため、無自覚で関係者を腸チフスに感染させてしまった。
この事件は初めて確認された健康保菌者として世界的に知られており、過去に漫画の悪役として登場したこともある。
また、「腸チフスのメアリー(英語はTyphoid Mary)」と「エイズ・メアリー(英語はAIDS Mary)」はそれぞれ文章が似ているため、この事件にちなんで作られた都市伝説と言われても、違和感を覚えることは少ないだろう。
この都市伝説は、人によって捉え方が異なる場合がある。
1つの例として、「エイズ患者は黙って性交渉をしてはいけない」という警鐘を鳴らしている都市伝説という捉え方だ。
実際、イギリスやカナダ、オーストラリアでは「エイズ・メアリー」のような行為は犯罪としている。
また、人によっては「知らない間に感染させられるからエイズ患者に関わるな」という意味に捉え、「エイズ・メアリー」を差別的な都市伝説とする方もいる。
もし差別的な都市伝説であるならば、すぐにでも消し去るべきものだろう。
今回は、アメリカで知られている「エイズ・メアリー」について紹介した。
「エイズ・メアリー」のような行為は犯罪であるが、もしかすると巻き込まれてしまうかもしれない。
これから海外へ行こうと考えているのであれば、異性からの誘惑には十分気をつけてもらいたい。
参考(アクセス日2019年12月29日)
https://ja.wikipedia.org/wiki/エイズ・メアリー
https://ja.wikipedia.org/wiki/メアリー・マローン
https://ja.wikipedia.org/wiki/後天性免疫不全症候群