オカルトオンラインでご紹介した「アトラス彗星」
地球に接近していて、もしかすると肉眼で観測できるかもしれない!
2020年の天体ショーだ!
と、意気揚々とご紹介したわけですが、なんと、今回とっても残念なニュースが入ってきました。
それが、アトラス彗星崩壊のお知らせ・・・。
地球や太陽に接近している!と話題になったアトラス彗星…彗星は太陽に近づくとほうきのような尾を出すこともあって「もしかしたら観測できちゃう?」「肉眼でもいけるのでは?!」と期待していたわけです。
が、宇宙のお話ですからすべてが予想どおりには行かないもの…。残念ながら、アトラス彗星の崩壊を観測したというんです。
アトラスが発見されたのは12月のこと…そして、順当に行けば5月には最大まで明るくなり肉眼でも観測できるかもしれないと言われていました。が、4月半ばにこのアトラス彗星…崩壊してしまったそうなんです。
4月20日の画像では、30個。その3日後の画像では、25個のアトラス彗星のかけらが確認され…アトラス彗星は砕けてしまったのです。
こうなってしまっては、もう肉眼での観測は無理。5月末に見えるかも!!という期待もアトラス彗星と一緒に崩れてしまいました。きれいな尾が見られる可能性があっただけに、ちょっと残念ではあります。でも…どうしてアトラス彗星は崩壊してしまったのでしょう。
アトラス彗星が崩壊してしまった理由は
太陽に近づいたことで温度が上がり彗星の核から水蒸気が出てしまって、自転が早くなったせいだそう。
彗星はほうき星とも呼ばれますが、あの特徴的な尾も太陽に近づく事で現れるもの。彗星は自ら光を放っている訳ではなく、太陽の光を反射して光って見える。。。もちろん、太陽に近づくかないと肉眼での観測は難しいのですが、そのせいで崩壊したというんです。
このように崩壊してバラバラになる彗星を観測できたこと(もちろん巨大望遠鏡が必要です)は、天文学的にはプラスだったのかもしれませんが、私たちが肉眼や双眼鏡、家庭用の天体望遠鏡で観測するチャンスは失われてしまいました。
ちなみに彗星の崩壊を観測できるのは10年に1度か2度程度だそう。レアな現象であることは間違いありません。
ですが、彗星が太陽に近づいて崩壊することそのものはさほど珍しいことではなく、2013年にはアイソン彗星が太陽に近づいて蒸発してしまいました。
ただ、アトラス彗星は崩壊を観測できた!どうやって砕けていくのか観測することができたといういみではとっても貴重な観測データとなりました。
アトラス彗星の核のサイズはおよそ200~250メートルほど。意外と小さいんです。
崩壊したので今はもっと小さいサイズの破片がたくさんある状態になってしまっています。一個当たりの大きさは家一軒分くらい。肉眼での観測が難しいのも当然のサイズです。
この核は氷…太陽に近づいて温度が上がれば水蒸気が噴出するのはあたり前といえばあたり前のことです。
今年最大の天体ショーになるかもしれない!と言われてきただけに残念ではあります。
崩壊して20~30個の破片になったアトラス彗星ですが、今でも太陽に向かっているそうです。
5月には水星よりも太陽に近いところまで接近してから、太陽から離れていきます。アトラス彗星は6000年かけて太陽を公転しますから、私たちが生きている間にアトラス彗星が接近することはもうありません。
2020年最大の天体ショーだ!と期待されたアトラス彗星ですが、太陽に近づいたことで温度が上昇し、崩壊してしまいました。
もう肉眼での観測はできなくってしまいましたが、彗星が崩壊していく様を観測できたのはレアだったそうです。
上手く行けば彗星が尾を引いて夜空を彩る素晴らしい光景を見られたかもしれなかった…訳ですからちょっと残念ではあります。
参考資料:アトラス彗星の崩壊観測 太陽接近で自転加速?―ハッブル