誰もが名前を知っていて、絵を見ればすぐ「ピカソだ」って分かる。
だけど、その絵がなぜ凄いのか、まったく分からない。
世界的な知名度がありながら意味不明、という矛盾をもつ画家「パブロ・ピカソ」。
「小学生でも描けそうな絵」と言われることもあるピカソの、一体何が凄いのか?
について見ていきながら、ピカソの凄さを明らかにしていきます。
ピカソが生涯に制作した美術作品は、
合計、14万7800点。
仮に、0歳から100歳まで1日1作品を制作したとしても、3万6500点にしかなりません。
3万点でも充分凄いですが…(笑)。
ピカソは、他の追随を許さない圧倒的に多作な芸術家だったのです。
Pablo Diego José Francisco de Paula Juan Nepomuceno Cipriano de la Santísima Trinidad Ruiz Picass
(パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ)
出生証明書に記載されている、れっきとした本名です。
彼の洗礼名(キリスト教徒が洗礼を受ける時に付けられる名前)は、さらに長くなります…。
ピカソ自身、自分の本名を言えなかった(覚えていなかった)そうです。
晩年のピカソは『しゃがむ女』に代表される、性器を露骨に見せる女性を描くように。
「老人のポルノ幻想」だの「狂った落書き」だの、散々な言われようだったそうですが、この批評を聞いて放ったピカソの一言が、
「この歳になって、やっと子供らしい絵が描けるようになった。」
というもの。
若い頃から美術界に革命を起こしてきたピカソですが、晩年になってもなお、自分の描きたいものを書くスタイルは一貫していたのです。
ちなみに…この頃の作品も後の芸術家に、やはり少なからず影響を与えています。
などなど、世界各地に「ピカソ美術館」という名前の美術館があります。
これぞ、
を象徴する偉業ですね。
2015年の競売にて、『アルジェの女たち バージョン0』が約215億円(1億7936万5000ドル)で落札されました。
これは、当時の歴代最高落札価格であり、現在も歴代9位にランクインするほどの価格。
ちなみに…歴代最高価格の絵画は、レオナルド・ダ・ヴィンチの『サルバトール・ムンディ』、約4億5千万ドル(約508億円)。
ピカソの絵は「小学生でも書けそう」と、何かと小馬鹿にされがち…。
そんな方に見ていただきたいのは、ピカソが8歳で描いたとされる絵。
それが、こちら。
小学校でいうと、まだ2年生くらいですよ。
まさに「神童」です……。
ピカソの作風は、彼の歳によって、
のように「○○の時代」と呼ばれ、同一人物と思えないほど作風が変化しています。
たとえば「青の時代」は、親友の自殺にショックを受けたピカソの心象と、娼婦や乞食といった社会の底辺の人々を重ね合わせた陰鬱な作品が描かれています。
あらゆるジャンルの画家をギュッと1人にまとめた人物が、パブロ・ピカソなのです。
ここまでご紹介しておきながら、ピカソの凄さは、一言では語れません。
「一言で表現できないほどの才能をもつ人物」というところが凄い!!
…とも、言えるでしょうか……(笑)。
ただ、ひとつ、誰もが尊敬できる才能があります。
それは、作品作りに対する「情熱」と「自信」。
ピカソの名言に、
明日描く絵が一番すばらしい。
という言葉があります。
多作ぶりから分かる通り、ピカソは毎日絵を描き、変化を恐れず新作を生み出し、それを糧に毎日成長していた人物です。
途方もなく大きく、純粋で、かつ自信に満ちあふれた情熱が無ければ、「明日の絵が自身の最高傑作だ。」なんて言えるでしょうか?
「明日の自分は今日より成長している」と、あなたは自信を持って言えますか?
ピカソは、自信をもって言えてしまう。
だから、たった30秒で描いた自分の絵に、自ら「100万ドル」という値が付けられるのです。
「30秒で描いたこの絵には、30年磨き続けた技術と感性が宿っている。」というのが、ピカソが真の芸術家たる所以です。
この情熱と自信は、たとえ彼の絵が理解できなくても、尊敬せずにはいられない部分ですよね。
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